異世界から来た美少女達はやたらと僕に懐いてる

水戸なっとぅー

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25話

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そんな琉太さんが命を絶たずに頑張ったのは、祖父敏夫さんの存在が大きかった。

琉太さんの事を心配して、家に住まわせたのも敏夫さんだ。

「琉太、お前は諦めるな。どんなに苦境でも必ず最後は笑って死ぬんだ。死ぬ直前にああ、いい人生だったって笑えるようになれ!」

「でもおじいちゃん、僕はお母さんを事故に合わせちゃったし」

敏夫さんは琉太を抱きしめる。

「あの事故は、お前に非はない」

「でも、僕は、僕は・・・・・・」

「子供を事故から守ったんだ。母さんもお前のことを恨んではいない」

それから数年間、琉太さんは継母や父親から距離をとって敏夫さんの家で生活していた。

でも、敏夫さんが病気で倒れてしまう。

「おじいちゃん! おじいちゃん!!」

闘病虚しく、敏夫さんは死んでしまう。

最後の心の拠り所を失ってしまった琉太さんの元に父親と継母が訪ねてきた。

「父さんの遺産は俺が貰う。いいから渡せ」

「おじいちゃんが、父さんに渡す遺産はないって遺書にも書いてあった」

「ああ!?!? いいから渡せよこのゴミが!!」

琉太さんの父親は琉太さんを殴り飛ばす。

「今のは暴行罪だけど、ちょっと署まで同行お願いしますね」

けど、琉太さんと敏夫さんの根回しで父親は琉太さんから遺産を取ることはできなかった。

そして、中学卒業とともに地元を飛び出した。

琉太さんの人生の追体験は終わった。

私達は気づいたら家にいた。

ふと、横を見ると琉太さんが眠っていた。

「あれが琉太さんが受けてきた傷。私もよく理解した」

「・・・・・・あのめぐみっていう女は絶対許さない」

それには同意見だけど、明日も学校があるんだ。

「お休み、ルナ」

私は琉太さんの布団に入る。それを見たルナも布団に入る。

「今は私達が一緒ですよ、琉太さん!」





翌日学校にて、

「ねえねえ、今日ゲーセン行こうよ!」

「勉強は大丈夫なんですか?」

「うっ!? ま、まあ大丈夫かな・・・・・・」

つまりは大丈夫じゃないと。

「まあ、いいじゃん息抜きは必要だよ」

「中島くん!! そうだよ、息抜きは必要だよ!」

今日はゲーセンに行くことになった。

放課後、駅前のゲームセンターに着いたのだがガラの悪い連中が入口前に屯していて邪魔だった。

「ねえねえ、怖い人が前にいて入れないよ・・・・・・」

「フェリス、どうする?」

「私に任せてください」

フェリスが男たちに近づく。

「ねえ、あなた達邪魔なんですけど」

「あああ!? 舐めてんじゃねえよ!!」

「私のこと忘れちゃいました? この前ボコしたはずですけど・・・・・・?」

「ああ!? なにを、いっ、て・・・・・・あ! あの時の女!!」

「どいてくれますよね?」

フェリスはニッコリと笑う。

「「「勿論です! 失礼しましたー!」」」

男達は一目散に逃げていった。余程フェリスが怖いらしい。

ゲーセンに入りまず最初に目をつけたのは、クレーンゲーム。

「あっ、あのぬいぐるみ可愛い! 仁、任せた!」

「全く、しょうがないな・・・・・・」

そう言いクレーンゲームに百円を入れる佐藤くん。

大きな猫のぬいぐるみだったがたったの三百円でとってしまった。

「え!? 佐藤くんすごいー!」

「昔からやってるから得意なんだよな」

「僕もお願いしていいですか?」

「おう! 任せとけ!」

僕がお願いしたのは大きなうさぎのぬいぐるみだ。

なんとそれも四百円で取れてしまう。

「ありがとう! 佐藤くん、大事にするね!」

次に行ったのはトニオカートのゲーセン版の機種だ。

「みんなでやりましょうよ!」

トニオカートは四人まで同時プレイができるのが売りだ。

「今回は負けねえよ」

「絶対勝ちます!」

「えっ、何何、なんでそんなガチなのよ・・・・・・」

高橋さんがフェリスと佐藤くんに少し引いていた。

レースが始まった。

今回のステージは同じコースを三週するとクリアという仕様になっている。

最初の一週目はフェリスが独走していた。

「このままだと、私の勝ちですね!」

「そうはいかないぜ! サンダー!」

佐藤くんは全体攻撃のサンダーのアイテムを使い、一気に順位をあげる。

「くっ! でも私の一位は揺るがない!」

「甘いな! 紫甲羅!」

一位の人を直接攻撃する紫甲羅を佐藤くんが使う。

その思惑通り紫甲羅がフェリスに当たり、フェリスの順位が一位から落ちてしまう。

「俺の勝ちだな!」

そのフェリスを置き去りにして、佐藤くんが一位になった。

「く、悔しいです!」

「これは、まだまだ負けらんないぜ」
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