僕が僕である為に!

音無闇夫

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自問自答の日々

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寝てるあいだは、自分自身との対話をし起きてる時は、穏やかな普段の自分を、装うが、雫さんも、異変に気付いている、更に、緑も、異変に、気付いていた、何故かと言えば、彰の目付きや仕草に、微妙なズレが、生じていたのだ。何かに、取り憑かれたかのような、鋭い眼光、何かを、呪うかのような、もの言い。極め付きは、自分自身の、身体の傷、しかも、胸を、掻きむしったような跡が残る傷が、刻まれていたある日の夜、彰は、病院の屋上に居た、色など分からないはずなのに、星空を見上げ、柵によりかかり、じっと、なにかを、見つめていたフロアでは、彰がいなくなった、大騒ぎに、なっていた。雫さんは、屋上に足を運び、彰を、見つけた。「お前、彰なのか?それとも別人か?」と問いかける。彰は「俺が誰かと聞かれれば、彰であって彰では無いとも、言える。誰でもないと、答えるべきか?自分でもよくわからん」と答えた。雫さんは、「彰を返せ、大事な弟分なのだ。」彰の闇の存在は「今やつは、パンドラの箱を、開けようとしている。我は、それを、待っている」雫さんは、「パンドラの箱だと?」彰の闇の存在は「はこの蓋を開けた時希望があれば元に戻る、しかし、絶望なら、ここから飛び降りる手はずになっているどちらも救いにつながる。」さらに、「その選択を、決めるのも、全てやつが決めることだ。主の出る幕は無い!」雫さんは「なぜそんな事を、言い切れる!あの日私が担当し主治医も私が勤めている!あいつは、私の大事な、弟のような最後肉親なんだ!返してくれ!私の大事な彰を返してくれ!私の大事な弟なんだ!」と泣きわめく心の中で「雫さん泣かないでよいや、雫姉さん泣かないで、俺の事で泣かないでよ、もう雫姉さんの泣く顔は見たくないんだ。」心の声は「なら早く決めろ!」彰は「わかったよ!姉さんが、泣くくらいなら、開けてやるよ。」と躊躇せずに蓋を開けてみせた。「ほら、何も、入ってない!」心の声が高笑いをし「何も無いが、確かにそこにある。と言うかだな、何も無いは、何かある。それが、パンドラの箱の答えだ、お前は何ににも、なれんが、その逆も然り、なんにでも、なれるのだよ?また1歩進めたな?」彰は「うん、有難う!」心の声「然し、心せよまたお前の前に現れ闇に引きずり込んで我がお前に成り代わってやろうぞ」彰は「そん時は、いつでもどうぞ?あんたもこんな所に沈んでたら息苦しいだろ?」心の声はまた笑い「そうじゃなたまにだがお前の体を借りええようかの?」雫さんは、「弟を返せ弟を返せよ!彰をあきらを返せ!」と泣きながら何度も何度も胸を叩きながら、必死に訴えた闇の声「そろそろ戻るぞお主の大事な弟分が、では雫とやらまたな!奴は賭けに勝ったぞ!帰ってきたら、褒めてやれ、そして、慰めてやれ、良くぞ勝ち取ったと讃えてやれ!流石男子だと、それが、姉の仕事ぞ」と言って意識を失った。雫さんは、彰を、背負って病室に戻るベッドに寝かし頭を撫でながら「お帰り、よく頑張ったね?彰は自慢の弟だ」実は従兄弟だが実家にいた頃は、実の姉弟の様に、暮らしていた。雫さんは「本当に大きくなりやがって姉ちゃんは嬉しいぞ。今日はゆっくりおやすみな?」と言って部屋を後にした。次の日、臨海学校から、帰って来た。刃が、見舞いに、来てくれた。「大丈夫か?かなりやばかった感じだったけど緑の慌てぶりだとってお前その胸の傷は、どうした?」とびっくりしていた
彰は、「えっ?あぁこの傷ね?知らんうちにできてた。」と、頭をかいていた。緑があとから来て「あっきー?だよね?」と聞いてきたので彰は「よっ山田、そうだぜ。」緑は「お帰り」彰は「ただいま山田。」刃は「それで、いつ、退院だ?」彰は、「分からないんだ」と笑顔で、答えた、刃は「そっか?」緑は、彰の笑顔見て、そっと部屋を後に屋上上がり空を見上げた。刃が帰った後、彰も屋上に向かった、そこには、膝を抱えてうたた寝をしていた。背中を、合わせて、空を見上げて、「山田、いや、今日ばかりは、みーちゃん?あのね、有難うな、毎日見舞い来てくれて。」まだ、寒いだろうと、ジャンパーをかけ部屋に戻った。今、見た空は、何色だったんだろうか?と考えながら部屋に戻る何時も自分自身と向き合う覚悟、痛み、苦しみ、悲しみ、最後に残るのは、喜び!まるで、日本刀のようだ、不純物を削ぎ落とし鍛え上げられた鋼は、一級品となる。彰は、自問自答を鍛錬と呼んだ自分自身を鍛錬することで、より自分自身で、ある為に、ただ、その為に、だけに、更に、自問自答と言う鍛錬を、繰り返すのであった。
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