僕が僕である為に!

音無闇夫

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僕が僕である為に

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退院まじかの昼下がり、うららかな陽気、彰は、病院の屋上のベンチで静かに座っていた。
何も考えず、ただ、季節の香りだけは、感じる事はできる。彰は「もう春か?桜の香りがする。」春休み終わると2年だが、彰は、「アイツら進級出来ただろう。俺は留年確定かな?まる半年休んだからな?」屋上のフェンス越しに少しづつ咲き始める桜の木を、眺めながら、さて、退学でもして、ジャンク屋にでも、バイトして、高校卒業認定試験でも受けて大学でも行くかな?と考えていた?その頃、刃と緑が、病室を訪れていたが、彰は、居ない、緑は学校の配布物を、置いて自然と足が屋上を目指していた。刃は、その後をついて行った刃は「緑、どこ行くんだよ?」緑は「屋上あっきーはそこに居るはず?」刃は、「なんで分かるんだよ?」緑は、「あっきーが、学校で何時もいた場所何処だった?考えればすぐ分かるよ?」と言って足をすすめる。緑は「一番静かだし、気持ちいい場所が、好きでしょ?あっきーは?」刃は、「そうだった、あいつは、そういう奴だった。」その頃、彰は、頬杖を、着いて、目を瞑り、風を、感じながら、優しい風を身体で、浴びる。小春日和の一時、そこに刃と緑がやって来た。刃は「彰、ここに居たか?」緑は「あっきー、やっほー!」彰は「よっ!進級おめでとう!先輩と言うべきかな?」刃は「お前もだよ。みんなで3年だぜ!」緑は「入院などのちゃんとした理由があれば、問題なく進級出来るって?担任から託けたのまれた。あとプリント関係は病室に置いてあるよ?」出席単位は医師の診断により免除となったらしい?彰は「留年確定かと思ったよ。退学届も用意しようかと思った!」刃は「担当医師の澤登雫って先生が担任と校長に診断書持ってきたってさ?」彰は「雫さんが?」緑が頷いた。刃は「なので、理由は正当なものであり、学校側は、承諾したんだと?」彰は「何時、退院出来るかわからんのにな?」とりあえず、留年だけは回避出来たらしい。クラスはEクラスになるだろうと予測していた。まぁ~最悪Fクラススタートだな。それも有りだな。と思ってる?と刃と緑は思っている。「お前もしかしてFクラススタートかと思ってただろ?」彰は、「わかっちゃった?」と笑いながら三人は病室に戻った。 2~3分でプリントを見終えていた刃は、「相変わらず、早いな、プリント」彰「速読だよ。覚えると、楽だよ。」刃は「緑もできるの?」緑は、「出来るよ?コツさえ覚えれば」彰も、「コツさえ、覚えれば、簡単だぜ?」なんてくだらない会話をしていた。進級して、2年になって、まだ、退院出来ていないこのまま入院が続くなら、マジ退学して、高認受けて大学にいこうかな?生半可な努力では、受からないのは分かっているが、どこまで通用するか?試したい?でも彰の頭に過ぎったのは刃と、緑の顔だった、しかし、チャレンジしたい事の方が強かった。今のまま、ずるずると、入院生活をする位なら、これしか無い、茨の道だ、でも前に進む為に、ケジメをつけよう、退学届を書き、雫さんに渡した。雫さんは、驚いた!「お前、これは、本気か?」彰は、「本気ですよ。このまま入院生活を送れば、高校卒業は、難しいでしょう、ならば、今やめても、同じです。なら、僕は、僕の道を進みたいと思います。」雫さんは「お前、どんな道を、進みたいの?」彰は
「まずは高認を受けます。それから、大学入試を受けます。」雫さんは「それが実現したら飛び級だな」と溜息をついた。そして、雫さんは、「わかったよ、学校には、提出しておくよ。お前が、決めた事だ!勝算は、あるのか?」彰は「無ければこんな、無謀な賭けなんか、しませんて。」雫さんは、「緑や刃は、どう思うだろうか?」彰は、「彼奴らは、彼奴らで、追いついて来ますよ!ちゃんと卒業してね。」雫さんは振り向きざまに笑顔を、見せて「姉ちゃんは、嬉しいよ。」彰は、「いきなり、どうしたのさ?雫さん?いきなり姉ちゃんだなんて?」彰は、驚いた。雫さんは「たまには、いいだろ?わたしにだって、公私の区別ぐらいは、付けている、今は、勤務外だ、姉ちゃんでいいよ」と笑いながら、手を振って、去っていった、彰は頭かきながら「雫姉また明日ね。」と呟いた。次の日ベッドの上で、高認に、向けて、過去問をやっていた。刃は、づかづかと入ってきた。「おい!彰!学校辞めるってどう言うこった!」と怒鳴り込んできた。彰は、「まぁまぁ、ここ、病室だから静かにしてよ。」刃は、「緑は、どうするんだよ!お前が辞めるって知ってから学校に、来なくなっちまったんだぞあいつも辞めるきだ!」
彰は、「俺が辞めるのは、いつ退院出来るか分からないからだよ。ずるずるとしておく訳には行かんでしょ?進級出来ても意味が無い訳だしなら、大検受けて大学に入った方が勝算は高い訳で」刃は「お前は、それで、いいかもしれないがな!俺たちの気持ちは、どうなんだよ!」彰は「お前達に、俺の気持ちが分かるのかよ!」と、刃の胸ぐら掴んで、睨んだ、いつ、退院、出来るか分からない、苛立ちが爆発した。「お前らはいいな!毎日、学校行けるしよ!俺は、いつまで、ここに居ればいいんだよ!え!なら、高校やめて、高認を、受けようが俺の勝手だろうがよ!お前はお前の道があるように俺には俺の道を進むだけだ緑は緑の道がある!その意志を尊重して欲しいもんだな?刃さんよ!もう来るな!」と刃を切り捨てる様にはいた。刃は、悔しそうに、壁を叩いて出ていった。その後ろを、見ずに、問題に向かった。雫さんは、その一切の事の顛末を、見ていた。その横に緑もいた。緑も退学届を握りしめて、彰と同じ道を歩もうとしていた。雫さんは、緑に「あんたは、悔いは無いのかい?悔いがあらるなら高校はちゃんと卒業しなよ。」緑は、「悔いはありません、私はあっきーについて行くだけです。」雫さんは、「そっか~あんたの人生だから悔いは残さないようにね?」数ヶ月後やっと退院出来た。塾に久々に顔をだし全国模試は、相変わらず、1~3位が、彰、緑、刃となった復帰早々でも、変わらない高峰は、5位に落ちていたが、上位に、入っていた。
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