チョート

ストレートダーク

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第一話「電撃」

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栃木県・小山の小さなホストクラブ

 「お客さん来たから行ってくれる?」
 マスターの声に、俺──中三川蒼真は気だるげに頷いた。

 ソファ席に近づいたその時、ビリッと電気の気配を感じる。
 視線を奥に向けると、ソファの背面から異様なざわめきが伝わってきた。

 ──中学時代、俺は雷に打たれた。
 そのときから、電気の流れを“感じる”ようになった。
 無気力で、誰からも期待されなかった俺の人生で唯一の変化だ。

 客がグラスを倒し、酒がソファにこぼれる。
 俺は咄嗟に客を引き離した直後──**バチッ!**と激しい音が鳴り、ソファが火花を散らした。

「……やっぱりか。漏電してやがった」


---

閉店後

 「今日はありがとう、蒼真。助かったよ」
 マスターが微笑む。65歳。小さな頃からの夢だったホストクラブを数年前に開いた人だ。

 数年前、雇ったホストの借金の保証人にされ、裏切られ、借金を背負った。
 それでも誰も責めず、笑顔を崩さない。
 俺の顔に走る雷の痕を見ても、唯一「蒼真は特別だ」と言ってくれた恩人だった。

 「いいえ」そう言って帰ろうとした瞬間──
 扉が乱暴に開かれる。


---

取り立て屋

 スーツ姿の男たちが入ってきた。
 マスターを舐め回すように見て、一人が下卑た笑みを浮かべる。

「65で未亡人か。……ハハ、こういうのは風俗いけるな」

 下卑た笑いが広がる。マスターは歯を食いしばり、黙って耐えていた。

「その人は俺の恩人なんだ!借金だって瞳さんのせいじゃないだろう!」
 俺が立ち上がると、男たちはへらへら笑いながら迫ってくる。

 二人が俺を殴りつけ、三人がマスターを後ろから捕まえる。
 よだれを垂らしながら笑うその姿に、全身が熱を帯びた。
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