触手の苗床にされてた剣士を助けたんだけどエロさが半端ない!

天城

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十話【第二部】

2-1(クロード)

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 一度里帰りしてしまうと、居心地が良くて困ってしまう。
 こんな感覚は初めてだった。ヴィンセント以外のなかった俺にとって、帰る場所というのはこの『研究室』だったのかと驚いた。


 ――今から五日ほど前、『竜酔花』の報告のため、ヴィンセントと俺はアレン博士の研究室へやってきた。人間の国の真ん中に建っている広い敷地の中の建物だ。
 庭には緑が溢れ、野良猫と触手の楽園になっている。

 そして、報告も竜たちの住み処の移動も終わったというのに、俺たちはまだここにいる。再び旅立つ準備も調えていなかった。
 アレン博士に与えられた部屋は昔とは違い、大きな窓があって燦々と日が差し込んできている。そこで触手や野良猫たちと日向ぼっこをするのはとても楽しい。

 世界樹の森に住み着いたエンシェントドラゴンたちは、マナと自然の豊かな場所で穏やかに過ごしているという。アレン博士が昼夜問わず質問責めにしているらしいが、あの竜はそれに大人しく付き合っているのだとか。
 ヴィンセントは久しぶりに大きな街に来たからと頻繁に買い物に出かけていっては土産物を買ってくる。
 屋台の食べ物を腕一杯に抱えてきて、アレン博士と三人でする食事はとてもわくわくした。旅先でヴィンセントと二人きり、野営でする食事も美味しかったが、それとは違った味わいがある。
 食べ物の匂いが漂いはじめると、たまに研究所の外に住んでいる猫たちも混ざってきた。それもまた、にぎやかで楽しい。

 それと、ヴィンセントは冒険者ギルドにも顔を出して、道すがら討伐したモンスターの素材も売っていた。
 あの森に集まっていた竜種はほとんどヴィンセントが片付けてしまったので、その素材もあるんだろう。
 そのことについて俺たちは、エンシェントドラゴンに誠心誠意謝罪し受け入れてもらえた。……というより、竜は少し困った様子だった。

『そもそも竜種と一括りにされては困る。全ての代表のような顔をするつもりはない』

 エンシェントドラゴンは名前をリーヴィスといい、気さくで話しやすい竜だった。花の匂いに誘われて人間に捕まるくらいだから、穏やかな性格なのかもしれないな。

『そなたらも、人型をしておるからと全ての人型の責を負うわけではなかろう』

 ヴィンセントはそんなリーヴィスの物言いに片眉だけ上げて頷いていた。
 それからヴィンセントは他の竜種に対する遠慮がなくなったのか、言うことを聞かない翼竜などには竜酔花を投げ付けていた。猫にマタタビ状態にして触手で絡め取り、所定の場所に運ぶ。そっと運んでいるので傷つけたりはしないが、いつ戦闘が始まるかと俺はハラハラしてしまった。
 竜たちはだんだんとヴィンセントに逆らうのが無駄だと気づき始めたようだ。

 ……もしかしてテンタクルボールの力を持つヴィンセントは、モンスターの中でも特別強いのだろうか?

 膝の上で遊ぶ子猫と触手をあやしながら、俺は『アカシックレコード』に潜り込む。
 テンタクルボールの生態に関する情報はあまり多くなかった。それでもひっかかるモノは全て調べていると、書き換わり途中の記載を一つ見つけた。

『エルダーテンタクル 旧名/テンタクルボール』
 進化途中の個体(雄株 樹齢515年)

「エルダーテンタクル?」

 ハッと我に返ると、膝の上の猫や小さな触手たちは姿を消していた。
 慌てて見回したら部屋の隅で遊んでいる姿が見える。ホッと安堵の息をついた。ずいぶんと長く『アカシックレコード』に入り込んでいたらしい。
 確かヴィンセントが、それまで存在した原種のテンタクルボールは人と同化したことによりいなくなってしまった、と言っていた。
 では今の触手たちの種族はエルダーテンタクルというのだろうか。

 テンタクルボールは、なぜそうまでしてヴィンセントを飲み込んだのだろう。
 あの時のヴィンセントには俺を助けるという目的があった。でもテンタクルボールにとって苗床は替えのきく、取るに足らない存在だと思うのだが……。

「……?」

 ぺち、と膝を叩かれて視線を向けると、小さな触手たちがわらわらと集まってきていた。

「どうしたんだみんな……え? うん?」

 寄り集まって大きくなった触手は俺の手首に巻き付き、素早く足や胴も固定すると、床から持ち上げてしまう。
 これは何の遊びだろう。少しの危機感もなく俺がそんなことを思っていると、ポンッとベッドに乗せられてしまった。
 そして身体に巻き付いていた触手がじっとりと濡れはじめた。
 甘い匂いがただよい、滴るほど粘液を纏わせた触手が俺の唇に近づいてくる。

「な、……どうし、……ん、ぐッ……ンンッ」

 滑りを帯びた触手は俺の口の中に侵入してきた。
 そこでとろとろと媚薬粘液を流し込み、俺の喉奥まで入り込んでいく。何本かの触手が寄り集まったソレは、口付けのように俺の舌を絡め取り巧みな愛撫を施す。

 ヴィンセントとしているときと違い、触れてくる手がない。触手とだけ行なう戯れはかなり久しぶりだった。
 それともこの行為にはヴィンセントの意志が反映されているのだろうか? どういう理由でそうなったんだ。まだ街から帰ってきてもいないのに?
 焦って思考を巡らせている間に、触手は俺の服の中に潜り込んでいた。媚薬粘液を塗りつけられた肌は上気してしっとりと濡れている。
 そのうちずるりと下穿きをずらされて下半身だけ剥かれてしまった。大きく口を開けた触手の先端が、ぱくりと俺の性器を飲み込む。

「ひっ……ん、ぁっ……」

 びくん、と身体を震わせて俺は甘く掠れた声を上げた。
 性器だけの刺激も久しぶりだった。細かな繊毛に覆われた触手の中は媚薬粘液で満たされていて、俺のモノはその中で揉みくちゃにされている。あ、あ、と腰を捻って身悶えると触手たちはさらに俺の身体を撫で擦りはじめた。

「ひ、ぁ……う、んっ……ぁあっ」

 もどかしい触れ方だった。性器は吸われているものの、気の遠くなるような後ろの快感に慣れた身体は、それだけでは射精しない。
 口の中を優しく撫でる触手の心地良さに、ぼろぼろと涙が溢れた。最近は強い快感に浸されると涙腺が壊れたようになってしまう。逃げるように伸ばした指先は触手に絡め取られ、きゅっと柔らかく拘束された。
 ああ、これは愛撫だ、と分かる触れ方だった。

「んっ、……ぁ、……」

 ヴィンセントの手管で快感に慣れきった身体が、燃えるように熱くなる。入口をつつかれただけでソコがひくひくと震えてしまった。
 太い触手がまるで焦らすように幹を擦りつけてきた。
 むず痒いような感覚と、喉の渇きに似た苦しさがせり上がってくる。早く俺の中を満たして欲しいという欲求が堪えきれず、無意識に腰が揺れた。



「……なんだ、俺を仲間はずれにするなよ」
「ヴィン、……」

 先ほどまで明るく日の差し込んでいたはずの部屋が、急に薄暗くなったように感じられた。瞬きをして涙の雫が落ちると、視界が戻ってくる。
 見ると、部屋を埋め尽くす緑色の触手が窓にも壁にも張り付き、あらゆる光を遮っていた。

 そこに、ぽつんと人影が立っている。
 待ち望んだ相手の帰還に身体の奥から歓喜が湧き上がった。触手の絡まった手を精一杯伸ばしてその赤褐色の髪に触れようとする。

「ヴィンセント」
「ただいま、クロード。……チビたちが怒ってるぞ」
「え?」
「『苗床は替えがきく』って? こいつらにとってもクロードは、唯一無二なんだよ」





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