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十話【第二部】
2-2(クロード)【第二部 完結】
しおりを挟むそうだ、忘れていた。俺の考えがヴィンセントには筒抜けなように、気を抜いて思考していればそれは全て触手たちに聞こえてしまう。
怒っている、と言われて急に心臓がドキリと跳ね、罪悪感がこみ上げた。
俺の顔の近くでゆらゆらと動いていた触手に、頬をすり寄せる。ぴく、と動いたそれに舌を差し出して伝う粘液を舐め上げた。
先ほど遊んでいた子猫たちがやっていた親愛の仕草だ。
俺はどうも愛情を受け取ったり、返したりという経験が少なかったせいでその方法に疎い。いつもヴィンセントに与えられるものの半分も返せていないと思う。だから、なるべく学ぼうとはしているのだが。
小さく音をたてて触手の太い部分から先端までを舐め上げ、そのまま蠢く触手の塊を見上げた。
ぶるっと大きくソレが動いたので、俺は首を傾げて見つめる。
「クロード……お前なあ」
「余計怒らせてしまったか?」
「いや、全然。もう許してるよ。ちょっと拗ねてただけだろうしな。……それより」
「ん?……ぁ、……っひ、ぅっ」
剥き出しだった尻にヴィンセントの手がかかり、ぐいっと左右に割られた。そこを撫でていただけの触手がザワザワと集まってきて我先にと入り込んでくる。
粘液をまき散らしながら内壁をぐねぐねと揉みしだかれて「ああっ」と高い声が漏れた。
溢れるほど媚薬粘液を注がれ、触手が出入りするたびに液体が太腿を伝っていく。は、は、と短く息を継ぎながらヴィンセントを振り返ると、彼の姿はみるみる変わっていった。
浅黒い肌に砂色の髪、爛々と光る朱い瞳が餓えたように俺を見つめている。ゾクゾクと背を駆け上がったのは快感だった。ヴィンセントが俺を求めて身を滾らせているのを見ると、つられるように昂ぶっていく。
こめかみがズキスギとするような興奮で、触手に開かれた奥がズクンと疼いた。
「ヴィンセント、……きてくれ」
「ああ、スマン。俺も余裕が、ない……ッ」
一瞬で、ヴィンセントの背からわき出た触手が俺の身体を絡め取った。足首を掴まれ左右に開かれるとヴィンセントの熱がズンッと一気に入り込んでくる。
チカチカと目の前が白く飛ぶような快感に襲われて仰け反ると、ヴィンセントは俺の腹のあたりを撫で上げた。
唇でも肌の上をたどり、熟れて震える乳首をちゅっ、ちゅっと音を立てて吸い上げる。
「ぁっ……ああっ……ヴィン、そこ……ッ」
「んー、チビたちが粘液注入してるせいかだいぶ育ったな。吸いやすい」
「ンンッ、ぁっ、ひっ……や、ァァッ」
奥まで貫かれ閉じた壁をコツコツと突かれながら、乳首をキツく吸い上げられた。震えながら悶えていると急に身体が浮いて、ヴィンセントと共にベッドにドサリと落ちる。
まるでこちらから押し倒すような姿勢で支えられて、俺は瞬きをくり返した。
周囲の触手たちは俺を支え……いや、人形のように操りはじめる。身体を上下に揺さぶり、後ろに入ったヴィンセントのモノも同じ速度で突き上げをはじめた。
「な、んでっ……こんな、……ぁっ、ああっ」
「騎乗位、いいよな。毎回、すぐクロードの腰が立たないくらいヤっちまうからできないけど。……こういうの嫌いか?」
深くまで貫かれ、腰を浮かせようとすると触手に太腿を押さえつけられる。前からもヴィンセントの手が伸びてきて、拘束するように両腕を前へ引き下ろされた。強すぎる快感で俺の性器は既に何度も精液を吹き上げている。
褐色の肌に散った精液の白に煽られて、恥ずかしいのに心臓が破裂しそうなほど脈打っていた。この熱に興奮しているのが自分でも分かる。
「ヴィンセント、……ぁ、ヴィン……」
「トロトロな顔しちまってまあ。なんだ、俺に顔射すんの興奮した?」
ドクッ、ドクッ、と吹き上がった白濁がヴィンセントの頬まで飛んでいた。それを舌で舐め取りニヤッと笑うヴィンセントを見ていたら、ギュウッと後ろを締め付けてしまった。
ヴィンセントを、汚している。俺が、俺の欲でヴィンセントを……。
その感覚が堪らない。わき上がる気持ちは愛おしさだけではない、征服感、支配欲か? そんな傲慢な気持ちが俺の中に生まれるなんて昔ならあり得ないことだ。
「ほら、遠慮しないで食らい付いてこい」
は、は、と短い息をしながらヴィンセントに覆い被さり口付けをする。
笑んでいる唇を覆い、舌でこじ開け歯列を割って舌を絡めた。貪るように口付けしながら腰を揺らすと中の熱がどんどん育っていく。
それが嬉しくてどうにかなってしまいそうだった。心地良さで目眩がして、身体中がゾクゾクと強い快感に震えている。
ヴィンセントに腰を抱かれてより深く穿たれると、もう堪えきれなかった。
ビク、ビク、と震えて絶頂してしまう。締め付けた内壁に射精されるような感覚があった。自分の中もヴィンセントでいっぱいに満たされている。
「――――~~~ッ!!」
「は、……きもちよさそーな、顔」
「き、もち、ぃっ……」
「そっかー。じゃあ、もっかいしような」
「う、んっ……」
触手につり上げられて身体を起こし、再び人形のように揺さぶられた。動かされているのに、自分でヴィンセントを汚しているような錯覚に陥る。
自分がどれだけヴィンセントに溺れているか、好きで好きで堪らないか、その感情が丸裸にされていく。
深く穿たれ、仰け反って嬌声を上げている間は頭の中が空っぽだ。
譫言のようにくり返す言葉はおそらく本音なのだと思う。
「ヴィンセント、すき、……すき」
「ああもう、可愛いなあクソ。どうしてそうまっさらなクセしてエロいんだお前……」
「ぜんぶ、すき。……ヴィンセント、もっと、ほしい」
「腹ん中いっぱいにしてやるよ。覚悟しとけ、クロード」
そうして一昼夜。
足腰が立たなくなるまで性交を続け、次の日ベッドの上を産み落とした種だらけにして、ようやく俺は思い至った。
こんなとんでもなく恥ずかしい醜態は、二度とさらすまいと。
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うわぁあ♡奨励賞受賞おめでとうございます!題名をみてとても嬉しかったです!クロードとヴィンセントがいつまでも幸せでありますように!
そば太郎さん、ありがとうございます!!ヽ(´▽`)/
応援いただいたおかげですー!本当にありがとうございました😭
いつまでもイチャイチャしててほしい2人です💕
二部完了お疲れ様でした(^-^)
これからも二人とテンタ君(時々アレン)で、末長くお幸せに!
…ちょこっと気が向いたら番外編、戴けると幸いです(^^;
ここまでお付き合いありがとうございます!
今までは1話ずつ30分アニメのつもりで、第二部は90分映画みたいな気持ちで書きました❤
また書きたいですー!\(^o^)/
更新ありがとうございます。
二部も面白かったですー。
最強の二人、クロードとヴィンセントにまた会えてうれしかったです。
新しい仲間も増えて、二部が終わってもこの世界の神話は続いていくのだろうと思いました。
このお話が大好きです。
この世界を創ってくださってありがとうございました!
まめさん!感想コメントありがとうございました~!
二部もお付き合い頂きうれしいです。
冒険者編(諸国漫遊記編?)は単話で楽しめるようなかたちでまた書きたいです!
好きと言って頂けて光栄です!
こちらこそ読んで頂きありがとうございました!