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刺客!〖第40話〗──②
しおりを挟む「そうだよ。好きだから。そうにいちゃんが、すきなんだよ。どうしようもないんだよ。解んないよ。何でかなんて、ずっと考えてきたけど答えは見つからなかった。何だか急に、そうにいちゃん、意地悪だ」
空はプイッと顔を背ける。拗ねた様子も可愛い。蒼を伺うように空はチラリとこちらを見る。こじらせたくないので、きちんと謝る。
あのとき思ったこと、空を失い想ったことは、後悔しない道を選ぼうと言うことだった。どんなことでも。小さなことでも。
「そうにいちゃんが悪い。悪かった」
途中まで言うと、空はぎゅっと蒼の背中に手を回した。それからするりと首に腕を絡まされる。空に口づけようとした瞬間、ザワリと風が変わった。空の腕を優しくほどく。悲しい顔をして、空は言う。
「そ、そうにいちゃん?どうして……僕が嫌いなの?」
空の声に対し、蒼は、張りつめたような雰囲気を纏い言った。
「空、暫く目を瞑っていろ。結界を張る。良いと言うまでそのままでいろ!」
空の背に印を書く。それから枝で地面に円を書き印を組み、蒼は片足を二回踏み鳴らした。空の姿がスッと消える。
黒い耳と黒いふわふわの尾を出し、熊爪と言う称号──一族の中の最も武勇に優れた者だと言う証で──宙をガリッと掻く。『ギャッ』と声がし、血の飛沫が飛んだ。
気配はまだある。目を瞑り宙を掻いた。暫くし、現れたのは四つの刺客の亡骸。手にはかなり長い刃渡りの剣が握られていた。
印を組み、蒼は一回大きく足を踏み鳴らした。円の中から姿を表した空が惨状を見て怯えて蒼にしがみつく。けれど、蒼の手も血が滴り落ちるほど真っ赤だ。空は怯えるように手を離す。
「空、あまり見ない方がいい。加減無しでやったからな。損傷が酷いだろう。忌み処へ連絡をしなければ。ちゃんと埋葬してやろう。刺客とはいえこの者たちも死ぬ気で来た。気になることは掻いた数と亡骸にある傷跡の数が合わない」
「どういうこと?」
不思議そうに、空は蒼に尋ねる。
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