10 / 19
OFF 〜mellifluous
しおりを挟む
だって、あんまりお天気が良かったから。
いつものコンビニごはんじゃなくてどこか外で食べたいな、なんて思ってぶらぶらと歩いていたら表参道まで来てしまったのだけど、一人でも入りやすそうなお店を探すのに30分ほどかかってしまった上に、ようやく目星をつけたいい感じのカフェの前に出ているメニューボードの前で「果たして自分はなにを食べたいのか?」という最大の難問と対峙しながら更に10分くらい逡巡していたら、自分が完全に怪しい人みたいになってしまっていることに気付いて、しかも散々悩んだ挙げ句に実はそこまで食べたいものがなかったのでやっぱり他を探すか、さすがにここまで店の前で悩みまくっておいて店に入らないのも悪いからとりあえず入っとこうかとまた2分くらい悩んでいるときに、肩をトントンと叩かれた。
「あ、すみません」
メニューを見たいのにあたしが邪魔だったのかな、と思って咄嗟に謝って横に一歩ずれる。
「食べたいものはお決まりですか?ユリカちゃん」
「……え?」
振り返ると、そこには長身の男性が立っていた。
カジュアルな感じのサングラスをかけ、紺色のシャツジャケットにモスグリーンのゆるっとしたシルエットのパンツを合わせて、サコッシュバッグを斜めがけしている。
一瞬、誰?と思ったけど、あたしのことをユリカって呼ぶ人は限られている。しかもこの長身。
「……聖さん!?」
「もしかして、わかんなかった?」
聖さんはサングラスをちょっとずらして言った。
「すみません。だっていつもスーツだし」
「あはは!そんなこと言ったらユリカちゃんはいつもハダ……」
「しぃっ!」
あたしは慌てて制止した。こんな真っ昼間に、健全すぎる表参道で話していい単語じゃない。
「……っと、ゴメン」
「もうっ」
二人でクスリ、と笑い合う。
「僕も今からごはんなんだ。良かったら一緒に食べない?」
さらりと誘われて、あたしは少し面食らう。
「えーっと……」
「それとも誰かと待ち合わせ?」
「ううん、一人です」
「じゃ、決まり。……うーん、今日の日替わりはポークピカタかぁ……」
聖さんは勝手に話を進めて、メニューボードを覗き込む。
「ね、ユリカちゃん。今ちょっと時間ある?ここもおいしいんだけど、せっかくだからもう少し先に僕のおすすめのお店があるから、そっちに行きたいんだけど」
「あ、はい。いいですよ」
すたすた歩く聖さんの後を追いながら、あたしは妙に感心していた。この人は、相手が誘われたくなる言葉をよく知っている。
聖さんは大きなビルの間のちょっとした広場に入っていく。そこではマルシェをやっていた。
あまりスーパーでは見かけないようなおしゃれな野菜が、いい値段をつけられて並んでいる。そのほか、蜂蜜やジャム、フェアトレードのコーヒー豆、色々な種類のお酢、手作りっぽい焼き菓子やパンなどもある。
「……ここ?」
「うん。ここね、休日だけマルシェやってるんだけど、あのお弁当屋さんが美味しいんだ」
聖さんが指差した先にはキッチンワゴンが停まっていて、数人の列ができていた。
メニューは5種類ほど。どれもおいしそうでなかなか決めきれない。
「うわぁ、迷うー!選べないよこれ!」
「悩むよねー!どれにしようかな……サラダごはんおいしいんだよな~。でもいつも食べてるし……」
聖さんも真剣な顔で選んでいる。
「あ、じゃ、あたしそのサラダごはんにしようかな」
「えー?じゃあ僕は違うのにしよっと。ねぇ、ユリカちゃんどれが気になる?ひとくちあげるよ」
「じゃ、鶏のエスニック竜田かな」
「僕もそれ気になってたー!」
お弁当を手に入れると、聖さんは空いたベンチには目もくれずにマルシェを出ていく。
「ユリカちゃん、歩くの平気?」
「平気ですけど、これ、どこで食べるんですか?」
「ねぇユリカちゃん、こんないいお天気でしょ?ここは表参道でしょ?あんなビルの谷間より、いい場所があると思わない?」
気持ちのいい風が、広い通りに悠々と枝を広げたケヤキ並木を揺らしている。
「……あ、わかった、かも」
聖さんはにっこり笑って、あたしの手を取った。この通りは原宿駅に近付くにつれて人が多くなるのだ。
原宿駅前の人混みを、聖さんに手を引かれて、縫うように進む。
交差点を抜けると、広々とした緑が待っていた。
「代々木公園なんて、何年ぶりだろう……」
「いいでしょ」
あたしはしげしげと聖さんを見上げた。
「……聖さんって」
「ん?」
「いや、モテるんだろうなぁって」
「なにそれ!モテないよ!?」
「うそ」
「うそだよ」
あたしたちは笑い合う。
恋人同士じゃない、友達みたいな。でも何度もセックスしていて、お互いの身体を知ってる。変な関係。
こうして真昼の公園にいると、精液にまみれた躰を撮影して切り売りしているのが嘘のようだ。
「おいしい!」
公園のベンチで、さっき買ったお弁当を広げる。
「でしょでしょ!こっちも食べてみて」
聖さんが甘辛いタレの掛かった鶏肉をひとつ、あたしのお皿に置いてくれる。
「うん!こっひもおいひい!」
「どれも外さないんだよなぁ、ここ」
「よく来るんですか?表参道」
「よく来るよ。街が綺麗だから好きなんだ」
「ああ……確かに。代々木公園も?」
「うん、むしろここに住んでいると言っても過言ではないね」
「え、まさかホームレ……」
AV男優の収入は女優ほど良くはないって聞いたことが。
「うそでーす」
「ですよねー」
「中目黒だよ、家は」
「近い!」
中目黒と言えば、住みたい街ランキング上位に位置する都内屈指のおしゃれタウン……!さすがイケメン聖さん、住んでる場所まで隙がない。
「うん、ここから二駅。遊びに来る?」
「え……」
あたしはさすがに身構えた。そんなフランクに誘われても。
そんなあたしの様子を感じ取ったのか、聖さんはすぐにふっと笑って言った。
「冗談だよ。こないだはごめんね」
「……あ、いえ」
あたしはうつむいた。あの夜の記憶が蘇る。……身体の奥の奥のほうで。
「ユリカちゃんがかわいすぎて、つい」
そんなこと言われても、返答に困る。
「かわいくなんて……」
「いやかわいいし。特にイキ顔……」
「しーーーーーっ!!」
「冗談冗談。しばらく自重します。怒られちゃったしね」
「あ……」
そう。前回、温泉街での撮影の後、聖さんがあたしを犯しかけたところを、東京から駆けつけた佐伯さんが止めに入ったのだ。
「……佐伯さん?」
「そうそう、あれは怖かったわー」
「怖い?」
「え、怖くない?彼」
「どうだろう、怖くはないと思うけど……よくわかんない」
佐伯のことは、本当によくわからない。たまに事務所でちらっと会うくらいで、ちゃんと話したこともない。……撮影後はあたしが腑抜けになっているので、論外。
「あの……聖さんは佐伯さんのこと、前から知ってるんですか?」
「あー、うん。ちょっと有名だもんねェ」
聖さんは微妙な表情を作って、言葉を濁した。
有名?って、どういうこと?と聞きたかったが、聖はベンチから立ち上がった。
「ねぇユリカちゃん、このあとヒマ?」
聖さんについて、再び表参道を表参道駅方面に向かう。
「ね、ユリカちゃんはアートとか興味ある?」
「アート?」
聖さんは、表参道ヒルズの隣にある小さな建物に入っていく。
「ここ……なんですか?」
なにかのお店、というわけではないらしい。
狭い階段を上がっていくと、そこには青い世界があった。
「ここね、ギャラリーになってるんだ。元々このへんにあったアパートを再現したらしいんだけど。ちょっと雰囲気あるでしょ」
「あー、確かに昔のアパートみたいな階段だった!」
展示されているのは、照明作家の作品のようだった。
天井から青い照明がたくさん吊り下がっている。照明はすべて違う形、違う素材でできていて、色も、青空の青、海の碧、氷の蒼、宇宙の藍と様々だ。それらが部屋全体を、幻想的な青い世界に染め上げている。床にも、惑星のような球体や、和紙でできた筒や、ガラスのピラミッドなどが光を放っている。
照明に圧倒されていたが、壁には絵画も掛かっている。魚やタコやクジラなど、ちょっとメルヘンなタッチのイラストだ。これは照明とは違う作家の作品らしい。合同展示なのだ。
「きれい……海の底にいるみたい」
ただ見ているだけなのに、体の中を冷たい水が流れ落ちていくような清涼感がある。
「あっちの部屋も行ってみよう」
階段を挟んで隣の部屋は、赤かった。やはり様々な形・素材でできた赤い照明に浮かび上がる、妖しい空間。
赤い花。赤い炎。紅葉の紅。夕日の茜色。口紅の緋色。……血の赫。
そして壁には、ヌード写真が掛かっていた。
赤い光の中で怪しく浮かび上がる、大小様々の裸体。どれも顔は写っていない。女性の裸が多かったが、中には男性のものもあった。その肌には疵ひとつないのに、なぜか血液を連想する。
血がだらだらと流れているような錯覚を覚える。
「……っ」
――目眩がする。
「ユリカちゃん!?」
ぐらりと倒れかけたあたしを、聖さんが支えた。
「大丈夫?……ちょっと外の空気吸ってこようか」
聖さんはあたしの腕を支えながら、階段を降りた。
外はさっきと変わらず、良く晴れた青空にケヤキ並木の緑がさやさやと揺れている。
聖さんが買ってきてくれた水を飲んだら、だいぶ気分が良くなった。
「ごめんね、無理させちゃったかな」
「ううん、ちょっとあの色に圧倒されただけ。もう平気」
あたしはそう言って笑ってみせた。
貧血は治ったけど、まだ舌の奥に錆びた血の味を感じるような気がする。幻覚だ。
子供の頃から、血を連想させるものが苦手だ。不安で胸がどきどきする。
聖さんとあたしは、ぶらぶらと骨董通りの方へ歩いていた。夕方の風が吹き始めている。
「あれね、実は僕もモデルで写ってたんだ。知り合いの美大生が撮らせてくれっていうから。彼女、バイトでカメラのアシスタントしてて知り合ったんだけどね。今って結構いるんだよ、AV監督目指す女性って」
「すごい……なんかごめんなさい、聖さんの写真、全然気付かなくて……」
「あははっ!言われないとわかんないでしょ、流石にあれは。顔が写ってないもんねぇ。身体だけで僕だって分かってくれたら、そっちの方が驚くよ。『えー、ユリカちゃん、そんなにアタシの、カラダを?』って」
聖さんがちょっとオネェ声で、両腕を抱き寄せて怖がる仕草をしたので、あたしはぷっと吹き出した。
「まあ、あれだよ。ユリカちゃんも、せっかくこっちの世界に来たんだから、色々やってみたら?って思ってさ。会社で働いてるより、もしかしたら楽しいかもよ?」
「あはは。でもあたし、そんな才能ないしなー。撮られるだけでいっぱいいっぱい」
聖さんは話しながら、なんだかおしゃれなお店に入っていく。
エントランスには大きな鏡があって、ふかふかの絨毯を踏んで進んでいく。薄暗い店内には、キャンドルに浮かび上がるソファー席がゆったりと配置されている。
きちんとした黒いベストを着たウェイターが、オーダーを取りに来る。聖さんはモスコミュールを、あたしはウォッカとココナツミルクのチチを頼んだ。聖さんは料理もいくつか注文する。
「ユリカちゃんはさー、仕事辞めてAV一本で、とかは考えないの?」
あたしは意外な言葉に眼をぱちくりさせた。
「……どうだろう。考えたことなかったな」
「そっちの方が売れるし、お金になるよ?」
「うーん……」
そうか、お金か。
本当に、今まで考えたことがなかった。
「今ってどれくらいもらってるの?」
「えーと、こないだの撮影が――」
あたしは深く考えることもなく、温泉旅行の回のギャラを教えた。
「え!マジで?それ安いって……!あ、まあこういうのは事務所によるから仕方ないんだけど」
事務所による……って、つまり佐伯の事務所があたしに安く払ってるってこと?
「え、ちょっと待って。そんなに?相場ってどれくらいなの?」
聖さんはそれには答えずに、残念そうにため息をついた。
「なんかもったいないよ、ユリカちゃん。あんなにいい演技できるのに」
よくわからないまま、なんだかもやもやした気分だけが残された。
話に夢中で飲むのを忘れていたチチは、氷が溶けて水っぽくなっていて、あんまりおいしくなかった。
店を出ると、すっかり夜になっていた。
「今日は一日付き合わせちゃったね。疲れたんじゃない?」
「ううん、平気です。楽しかった」
「このままお持ち帰りしたいくらいだけど……ま、今日はやめとくよ」
あたしは笑った。
「聖さん、からかわないでくださいよ、モテるくせに。あたしなんか相手にしなくたって」
「なに言ってるの?ユリカちゃん」
くい、と聖さんが、あたしの手首を引っ張った。
「え」
そのまま暗い路地に引っ張り込まれる。
骨董通りの裏側には、表通りの明るさが嘘のように、静かで真っ暗な路地がある。そして、人が住んでいるのかいないのかわからないような家が、ひっそりと並んでいる。
聖さんの大きな影に追い込まれて、あたしは塀に背中を押し付けた。
「ユリカちゃん、俺言ったよね?好きだって」
――すきだなぁ――俺。
そうだ。確かに聞いた。……あの夜に。
「デートしたいって、言ったよね」
聖さんの手が、するりとあたしのシャツの下に滑り込んだ。
「ひぁっ……」
背中に直接、聖さんの指が触れる。
「かわいいって」
聖さんの口唇が、あたしの口唇を塞ぐ。
「ん……っ」
「妬けるなぁって、言ったよね」
聖さんの手がブラの下に潜り込んで、乳首に触れる。
「……やっ……」
「全部、本気なんだけど」
聖さんの手が。
「ここに」
スカートの中に――。
「ぁあ……っ」
「挿れさせてって」
聖さんの声が。
「言ったよね」
耳元で、囁く。
「俺の言うこと、ちゃんと聞いてた?」
聖さんの整ったきれいな顔が、瞬きもせずにあたしを見ている。
(ああ……)
征服者の眼だ。
(これが、このひとの本性だ……)
「ごめ……なさい……」
あたしはあっさり降伏する。
「――今日は、ここまで。信用を取り戻さないとね」
聖さんは両手を上げてあたしから離れた。
あたしはずるずるとその場にしゃがみこんだ。
「聖さん……」
まだ脚が震えている。このままここで犯されるかと思った。
「さっきの……佐伯さんが有名って、どういうこと?」
混乱した脳の中から唯一、一番気になっていたことだけを辛うじて引っ張り出す。
「へえ、ほんとに知らないんだ?」
「知らない」
「AV女優をね、騙した挙げ句に死なせたって」
「え……?」
「ヤバい筋に借金もあるみたいだし。ま、あんまり深く関わらないほうがいいよ。もし事務所変わるなら、知ってるところ紹介するから連絡して」
聖さんがポケットから名刺を取り出して、あたしの膝の上に置いた。
「プライベートの連絡も、待ってるよ、ユリカちゃん」
そう言って、聖さんは明るい表通りへと去っていった。
*****
ひとり暗がりに取り残されたあたしは、頭の中が整理できずにいた。
――それ安いって。
――AV女優を、騙して死なせたって
あたしは、騙されてるの?
でもいったい、誰に?
いつものコンビニごはんじゃなくてどこか外で食べたいな、なんて思ってぶらぶらと歩いていたら表参道まで来てしまったのだけど、一人でも入りやすそうなお店を探すのに30分ほどかかってしまった上に、ようやく目星をつけたいい感じのカフェの前に出ているメニューボードの前で「果たして自分はなにを食べたいのか?」という最大の難問と対峙しながら更に10分くらい逡巡していたら、自分が完全に怪しい人みたいになってしまっていることに気付いて、しかも散々悩んだ挙げ句に実はそこまで食べたいものがなかったのでやっぱり他を探すか、さすがにここまで店の前で悩みまくっておいて店に入らないのも悪いからとりあえず入っとこうかとまた2分くらい悩んでいるときに、肩をトントンと叩かれた。
「あ、すみません」
メニューを見たいのにあたしが邪魔だったのかな、と思って咄嗟に謝って横に一歩ずれる。
「食べたいものはお決まりですか?ユリカちゃん」
「……え?」
振り返ると、そこには長身の男性が立っていた。
カジュアルな感じのサングラスをかけ、紺色のシャツジャケットにモスグリーンのゆるっとしたシルエットのパンツを合わせて、サコッシュバッグを斜めがけしている。
一瞬、誰?と思ったけど、あたしのことをユリカって呼ぶ人は限られている。しかもこの長身。
「……聖さん!?」
「もしかして、わかんなかった?」
聖さんはサングラスをちょっとずらして言った。
「すみません。だっていつもスーツだし」
「あはは!そんなこと言ったらユリカちゃんはいつもハダ……」
「しぃっ!」
あたしは慌てて制止した。こんな真っ昼間に、健全すぎる表参道で話していい単語じゃない。
「……っと、ゴメン」
「もうっ」
二人でクスリ、と笑い合う。
「僕も今からごはんなんだ。良かったら一緒に食べない?」
さらりと誘われて、あたしは少し面食らう。
「えーっと……」
「それとも誰かと待ち合わせ?」
「ううん、一人です」
「じゃ、決まり。……うーん、今日の日替わりはポークピカタかぁ……」
聖さんは勝手に話を進めて、メニューボードを覗き込む。
「ね、ユリカちゃん。今ちょっと時間ある?ここもおいしいんだけど、せっかくだからもう少し先に僕のおすすめのお店があるから、そっちに行きたいんだけど」
「あ、はい。いいですよ」
すたすた歩く聖さんの後を追いながら、あたしは妙に感心していた。この人は、相手が誘われたくなる言葉をよく知っている。
聖さんは大きなビルの間のちょっとした広場に入っていく。そこではマルシェをやっていた。
あまりスーパーでは見かけないようなおしゃれな野菜が、いい値段をつけられて並んでいる。そのほか、蜂蜜やジャム、フェアトレードのコーヒー豆、色々な種類のお酢、手作りっぽい焼き菓子やパンなどもある。
「……ここ?」
「うん。ここね、休日だけマルシェやってるんだけど、あのお弁当屋さんが美味しいんだ」
聖さんが指差した先にはキッチンワゴンが停まっていて、数人の列ができていた。
メニューは5種類ほど。どれもおいしそうでなかなか決めきれない。
「うわぁ、迷うー!選べないよこれ!」
「悩むよねー!どれにしようかな……サラダごはんおいしいんだよな~。でもいつも食べてるし……」
聖さんも真剣な顔で選んでいる。
「あ、じゃ、あたしそのサラダごはんにしようかな」
「えー?じゃあ僕は違うのにしよっと。ねぇ、ユリカちゃんどれが気になる?ひとくちあげるよ」
「じゃ、鶏のエスニック竜田かな」
「僕もそれ気になってたー!」
お弁当を手に入れると、聖さんは空いたベンチには目もくれずにマルシェを出ていく。
「ユリカちゃん、歩くの平気?」
「平気ですけど、これ、どこで食べるんですか?」
「ねぇユリカちゃん、こんないいお天気でしょ?ここは表参道でしょ?あんなビルの谷間より、いい場所があると思わない?」
気持ちのいい風が、広い通りに悠々と枝を広げたケヤキ並木を揺らしている。
「……あ、わかった、かも」
聖さんはにっこり笑って、あたしの手を取った。この通りは原宿駅に近付くにつれて人が多くなるのだ。
原宿駅前の人混みを、聖さんに手を引かれて、縫うように進む。
交差点を抜けると、広々とした緑が待っていた。
「代々木公園なんて、何年ぶりだろう……」
「いいでしょ」
あたしはしげしげと聖さんを見上げた。
「……聖さんって」
「ん?」
「いや、モテるんだろうなぁって」
「なにそれ!モテないよ!?」
「うそ」
「うそだよ」
あたしたちは笑い合う。
恋人同士じゃない、友達みたいな。でも何度もセックスしていて、お互いの身体を知ってる。変な関係。
こうして真昼の公園にいると、精液にまみれた躰を撮影して切り売りしているのが嘘のようだ。
「おいしい!」
公園のベンチで、さっき買ったお弁当を広げる。
「でしょでしょ!こっちも食べてみて」
聖さんが甘辛いタレの掛かった鶏肉をひとつ、あたしのお皿に置いてくれる。
「うん!こっひもおいひい!」
「どれも外さないんだよなぁ、ここ」
「よく来るんですか?表参道」
「よく来るよ。街が綺麗だから好きなんだ」
「ああ……確かに。代々木公園も?」
「うん、むしろここに住んでいると言っても過言ではないね」
「え、まさかホームレ……」
AV男優の収入は女優ほど良くはないって聞いたことが。
「うそでーす」
「ですよねー」
「中目黒だよ、家は」
「近い!」
中目黒と言えば、住みたい街ランキング上位に位置する都内屈指のおしゃれタウン……!さすがイケメン聖さん、住んでる場所まで隙がない。
「うん、ここから二駅。遊びに来る?」
「え……」
あたしはさすがに身構えた。そんなフランクに誘われても。
そんなあたしの様子を感じ取ったのか、聖さんはすぐにふっと笑って言った。
「冗談だよ。こないだはごめんね」
「……あ、いえ」
あたしはうつむいた。あの夜の記憶が蘇る。……身体の奥の奥のほうで。
「ユリカちゃんがかわいすぎて、つい」
そんなこと言われても、返答に困る。
「かわいくなんて……」
「いやかわいいし。特にイキ顔……」
「しーーーーーっ!!」
「冗談冗談。しばらく自重します。怒られちゃったしね」
「あ……」
そう。前回、温泉街での撮影の後、聖さんがあたしを犯しかけたところを、東京から駆けつけた佐伯さんが止めに入ったのだ。
「……佐伯さん?」
「そうそう、あれは怖かったわー」
「怖い?」
「え、怖くない?彼」
「どうだろう、怖くはないと思うけど……よくわかんない」
佐伯のことは、本当によくわからない。たまに事務所でちらっと会うくらいで、ちゃんと話したこともない。……撮影後はあたしが腑抜けになっているので、論外。
「あの……聖さんは佐伯さんのこと、前から知ってるんですか?」
「あー、うん。ちょっと有名だもんねェ」
聖さんは微妙な表情を作って、言葉を濁した。
有名?って、どういうこと?と聞きたかったが、聖はベンチから立ち上がった。
「ねぇユリカちゃん、このあとヒマ?」
聖さんについて、再び表参道を表参道駅方面に向かう。
「ね、ユリカちゃんはアートとか興味ある?」
「アート?」
聖さんは、表参道ヒルズの隣にある小さな建物に入っていく。
「ここ……なんですか?」
なにかのお店、というわけではないらしい。
狭い階段を上がっていくと、そこには青い世界があった。
「ここね、ギャラリーになってるんだ。元々このへんにあったアパートを再現したらしいんだけど。ちょっと雰囲気あるでしょ」
「あー、確かに昔のアパートみたいな階段だった!」
展示されているのは、照明作家の作品のようだった。
天井から青い照明がたくさん吊り下がっている。照明はすべて違う形、違う素材でできていて、色も、青空の青、海の碧、氷の蒼、宇宙の藍と様々だ。それらが部屋全体を、幻想的な青い世界に染め上げている。床にも、惑星のような球体や、和紙でできた筒や、ガラスのピラミッドなどが光を放っている。
照明に圧倒されていたが、壁には絵画も掛かっている。魚やタコやクジラなど、ちょっとメルヘンなタッチのイラストだ。これは照明とは違う作家の作品らしい。合同展示なのだ。
「きれい……海の底にいるみたい」
ただ見ているだけなのに、体の中を冷たい水が流れ落ちていくような清涼感がある。
「あっちの部屋も行ってみよう」
階段を挟んで隣の部屋は、赤かった。やはり様々な形・素材でできた赤い照明に浮かび上がる、妖しい空間。
赤い花。赤い炎。紅葉の紅。夕日の茜色。口紅の緋色。……血の赫。
そして壁には、ヌード写真が掛かっていた。
赤い光の中で怪しく浮かび上がる、大小様々の裸体。どれも顔は写っていない。女性の裸が多かったが、中には男性のものもあった。その肌には疵ひとつないのに、なぜか血液を連想する。
血がだらだらと流れているような錯覚を覚える。
「……っ」
――目眩がする。
「ユリカちゃん!?」
ぐらりと倒れかけたあたしを、聖さんが支えた。
「大丈夫?……ちょっと外の空気吸ってこようか」
聖さんはあたしの腕を支えながら、階段を降りた。
外はさっきと変わらず、良く晴れた青空にケヤキ並木の緑がさやさやと揺れている。
聖さんが買ってきてくれた水を飲んだら、だいぶ気分が良くなった。
「ごめんね、無理させちゃったかな」
「ううん、ちょっとあの色に圧倒されただけ。もう平気」
あたしはそう言って笑ってみせた。
貧血は治ったけど、まだ舌の奥に錆びた血の味を感じるような気がする。幻覚だ。
子供の頃から、血を連想させるものが苦手だ。不安で胸がどきどきする。
聖さんとあたしは、ぶらぶらと骨董通りの方へ歩いていた。夕方の風が吹き始めている。
「あれね、実は僕もモデルで写ってたんだ。知り合いの美大生が撮らせてくれっていうから。彼女、バイトでカメラのアシスタントしてて知り合ったんだけどね。今って結構いるんだよ、AV監督目指す女性って」
「すごい……なんかごめんなさい、聖さんの写真、全然気付かなくて……」
「あははっ!言われないとわかんないでしょ、流石にあれは。顔が写ってないもんねぇ。身体だけで僕だって分かってくれたら、そっちの方が驚くよ。『えー、ユリカちゃん、そんなにアタシの、カラダを?』って」
聖さんがちょっとオネェ声で、両腕を抱き寄せて怖がる仕草をしたので、あたしはぷっと吹き出した。
「まあ、あれだよ。ユリカちゃんも、せっかくこっちの世界に来たんだから、色々やってみたら?って思ってさ。会社で働いてるより、もしかしたら楽しいかもよ?」
「あはは。でもあたし、そんな才能ないしなー。撮られるだけでいっぱいいっぱい」
聖さんは話しながら、なんだかおしゃれなお店に入っていく。
エントランスには大きな鏡があって、ふかふかの絨毯を踏んで進んでいく。薄暗い店内には、キャンドルに浮かび上がるソファー席がゆったりと配置されている。
きちんとした黒いベストを着たウェイターが、オーダーを取りに来る。聖さんはモスコミュールを、あたしはウォッカとココナツミルクのチチを頼んだ。聖さんは料理もいくつか注文する。
「ユリカちゃんはさー、仕事辞めてAV一本で、とかは考えないの?」
あたしは意外な言葉に眼をぱちくりさせた。
「……どうだろう。考えたことなかったな」
「そっちの方が売れるし、お金になるよ?」
「うーん……」
そうか、お金か。
本当に、今まで考えたことがなかった。
「今ってどれくらいもらってるの?」
「えーと、こないだの撮影が――」
あたしは深く考えることもなく、温泉旅行の回のギャラを教えた。
「え!マジで?それ安いって……!あ、まあこういうのは事務所によるから仕方ないんだけど」
事務所による……って、つまり佐伯の事務所があたしに安く払ってるってこと?
「え、ちょっと待って。そんなに?相場ってどれくらいなの?」
聖さんはそれには答えずに、残念そうにため息をついた。
「なんかもったいないよ、ユリカちゃん。あんなにいい演技できるのに」
よくわからないまま、なんだかもやもやした気分だけが残された。
話に夢中で飲むのを忘れていたチチは、氷が溶けて水っぽくなっていて、あんまりおいしくなかった。
店を出ると、すっかり夜になっていた。
「今日は一日付き合わせちゃったね。疲れたんじゃない?」
「ううん、平気です。楽しかった」
「このままお持ち帰りしたいくらいだけど……ま、今日はやめとくよ」
あたしは笑った。
「聖さん、からかわないでくださいよ、モテるくせに。あたしなんか相手にしなくたって」
「なに言ってるの?ユリカちゃん」
くい、と聖さんが、あたしの手首を引っ張った。
「え」
そのまま暗い路地に引っ張り込まれる。
骨董通りの裏側には、表通りの明るさが嘘のように、静かで真っ暗な路地がある。そして、人が住んでいるのかいないのかわからないような家が、ひっそりと並んでいる。
聖さんの大きな影に追い込まれて、あたしは塀に背中を押し付けた。
「ユリカちゃん、俺言ったよね?好きだって」
――すきだなぁ――俺。
そうだ。確かに聞いた。……あの夜に。
「デートしたいって、言ったよね」
聖さんの手が、するりとあたしのシャツの下に滑り込んだ。
「ひぁっ……」
背中に直接、聖さんの指が触れる。
「かわいいって」
聖さんの口唇が、あたしの口唇を塞ぐ。
「ん……っ」
「妬けるなぁって、言ったよね」
聖さんの手がブラの下に潜り込んで、乳首に触れる。
「……やっ……」
「全部、本気なんだけど」
聖さんの手が。
「ここに」
スカートの中に――。
「ぁあ……っ」
「挿れさせてって」
聖さんの声が。
「言ったよね」
耳元で、囁く。
「俺の言うこと、ちゃんと聞いてた?」
聖さんの整ったきれいな顔が、瞬きもせずにあたしを見ている。
(ああ……)
征服者の眼だ。
(これが、このひとの本性だ……)
「ごめ……なさい……」
あたしはあっさり降伏する。
「――今日は、ここまで。信用を取り戻さないとね」
聖さんは両手を上げてあたしから離れた。
あたしはずるずるとその場にしゃがみこんだ。
「聖さん……」
まだ脚が震えている。このままここで犯されるかと思った。
「さっきの……佐伯さんが有名って、どういうこと?」
混乱した脳の中から唯一、一番気になっていたことだけを辛うじて引っ張り出す。
「へえ、ほんとに知らないんだ?」
「知らない」
「AV女優をね、騙した挙げ句に死なせたって」
「え……?」
「ヤバい筋に借金もあるみたいだし。ま、あんまり深く関わらないほうがいいよ。もし事務所変わるなら、知ってるところ紹介するから連絡して」
聖さんがポケットから名刺を取り出して、あたしの膝の上に置いた。
「プライベートの連絡も、待ってるよ、ユリカちゃん」
そう言って、聖さんは明るい表通りへと去っていった。
*****
ひとり暗がりに取り残されたあたしは、頭の中が整理できずにいた。
――それ安いって。
――AV女優を、騙して死なせたって
あたしは、騙されてるの?
でもいったい、誰に?
0
あなたにおすすめの小説
JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――
のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」
高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。
そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。
でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。
昼間は生徒会長、夜は…ご主人様?
しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。
「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」
手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。
なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。
怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。
だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって――
「…ほんとは、ずっと前から、私…」
ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。
恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。
黒瀬部長は部下を溺愛したい
桐生桜
恋愛
イケメン上司の黒瀬部長は営業部のエース。
人にも自分にも厳しくちょっぴり怖い……けど!
好きな人にはとことん尽くして甘やかしたい、愛でたい……の溺愛体質。
部下である白石莉央はその溺愛を一心に受け、とことん愛される。
スパダリ鬼上司×新人OLのイチャラブストーリーを一話ショートに。
極上イケメン先生が秘密の溺愛教育に熱心です
朝陽七彩
恋愛
私は。
「夕鶴、こっちにおいで」
現役の高校生だけど。
「ずっと夕鶴とこうしていたい」
担任の先生と。
「夕鶴を誰にも渡したくない」
付き合っています。
♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡
神城夕鶴(かみしろ ゆづる)
軽音楽部の絶対的エース
飛鷹隼理(ひだか しゅんり)
アイドル的存在の超イケメン先生
♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡
彼の名前は飛鷹隼理くん。
隼理くんは。
「夕鶴にこうしていいのは俺だけ」
そう言って……。
「そんなにも可愛い声を出されたら……俺、止められないよ」
そして隼理くんは……。
……‼
しゅっ……隼理くん……っ。
そんなことをされたら……。
隼理くんと過ごす日々はドキドキとわくわくの連続。
……だけど……。
え……。
誰……?
誰なの……?
その人はいったい誰なの、隼理くん。
ドキドキとわくわくの連続だった私に突如現れた隼理くんへの疑惑。
その疑惑は次第に大きくなり、私の心の中を不安でいっぱいにさせる。
でも。
でも訊けない。
隼理くんに直接訊くことなんて。
私にはできない。
私は。
私は、これから先、一体どうすればいいの……?
【R18】純粋無垢なプリンセスは、婚礼した冷徹と噂される美麗国王に三日三晩の初夜で蕩かされるほど溺愛される
奏音 美都
恋愛
数々の困難を乗り越えて、ようやく誓約の儀を交わしたグレートブルタン国のプリンセスであるルチアとシュタート王国、国王のクロード。
けれど、それぞれの執務に追われ、誓約の儀から二ヶ月経っても夫婦の時間を過ごせずにいた。
そんなある日、ルチアの元にクロードから別邸への招待状が届けられる。そこで三日三晩の甘い蕩かされるような初夜を過ごしながら、クロードの過去を知ることになる。
2人の出会いを描いた作品はこちら
「純粋無垢なプリンセスを野盗から助け出したのは、冷徹と噂される美麗国王でした」https://www.alphapolis.co.jp/novel/702276663/443443630
2人の誓約の儀を描いた作品はこちら
「純粋無垢なプリンセスは、冷徹と噂される美麗国王と誓約の儀を結ぶ」
https://www.alphapolis.co.jp/novel/702276663/183445041
病弱な彼女は、外科医の先生に静かに愛されています 〜穏やかな執着に、逃げ場はない〜
来栖れいな
恋愛
――穏やかな微笑みの裏に、逃げられない愛があった。
望んでいたわけじゃない。
けれど、逃げられなかった。
生まれつき弱い心臓を抱える彼女に、政略結婚の話が持ち上がった。
親が決めた未来なんて、受け入れられるはずがない。
無表情な彼の穏やかさが、余計に腹立たしかった。
それでも――彼だけは違った。
優しさの奥に、私の知らない熱を隠していた。
形式だけのはずだった関係は、少しずつ形を変えていく。
これは束縛? それとも、本当の愛?
穏やかな外科医に包まれていく、静かで深い恋の物語。
※この物語はフィクションです。
登場する人物・団体・名称・出来事などはすべて架空であり、実在のものとは一切関係ありません。
人狼な幼妻は夫が変態で困り果てている
井中かわず
恋愛
古い魔法契約によって強制的に結ばれたマリアとシュヤンの14歳年の離れた夫婦。それでも、シュヤンはマリアを愛していた。
それはもう深く愛していた。
変質的、偏執的、なんとも形容しがたいほどの狂気の愛情を注ぐシュヤン。異常さを感じながらも、なんだかんだでシュヤンが好きなマリア。
これもひとつの夫婦愛の形…なのかもしれない。
全3章、1日1章更新、完結済
※特に物語と言う物語はありません
※オチもありません
※ただひたすら時系列に沿って変態したりイチャイチャしたりする話が続きます。
※主人公の1人(夫)が気持ち悪いです。
俺を振ったはずの腐れ縁幼馴染が、俺に告白してきました。
true177
恋愛
一年前、伊藤 健介(いとう けんすけ)は幼馴染の多田 悠奈(ただ ゆうな)に振られた。それも、心無い手紙を下駄箱に入れられて。
それ以来悠奈を避けるようになっていた健介だが、二年生に進級した春になって悠奈がいきなり告白を仕掛けてきた。
これはハニートラップか、一年前の出来事を忘れてしまっているのか……。ともかく、健介は断った。
日常が一変したのは、それからである。やたらと悠奈が絡んでくるようになったのだ。
彼女の狙いは、いったい何なのだろうか……。
※小説家になろう、ハーメルンにも同一作品を投稿しています。
※内部進行完結済みです。毎日連載です。
診察室の午後<菜の花の丘編>その1
スピカナ
恋愛
神的イケメン医師・北原春樹と、病弱で天才的なアーティストである妻・莉子。
そして二人を愛してしまったイケメン御曹司・浅田夏輝。
「菜の花クリニック」と「サテライトセンター」を舞台に、三人の愛と日常が描かれます。
時に泣けて、時に笑える――溺愛とBL要素を含む、ほのぼの愛の物語。
多くのスタッフの人生がここで楽しく花開いていきます。
この小説は「医師の兄が溺愛する病弱な義妹を毎日診察する甘~い愛の物語」の1000話以降の続編です。
※医学描写はすべて架空です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる