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十四話 怨鬼
しおりを挟む「あ、おーい!!」
放課後に玄関口から外へ出た瞬間、子鬼と目が合う。
話があるというのでクラスメイトの皆に『また明日』と別れを告げて喫茶店。
団子と緑茶を注文して、聞くことに。
「あれから学校生活、順調っすか?」
「様々なことが学べるのはとても楽しいですよ」
「本当に良かった、もし後悔してたらオイラ責任とって何かしなきゃだしさ」
「責任ですか?」
「そう、学校をすすめたのはオイラだし……」
となりの席の会話が何やら耳に入った。
店についての不満らしいが、今私が食べている団子は美味い。
でも文句は店員にさえ聞こえる大声だ。
『なんか微妙な味すんな、美味しくないっつーか』
『ここの店員、交尾種らしいよ』
『えーまじ?知らずに入るとか最悪だわ』
交尾種とはなんだろうかと、赤鬼に問いかける。
「親がいる鬼だ」
「いない鬼がいるんですか?」
「……俺にはいない」
「あ、すみません」
子鬼たちが笑った。何か面白かったらしい。
「逆だろ普通!! いるほうが珍しんだってば!!」
「それな、オイラも親いないし」
鬼は親がいないほうが9割。
地獄の妖怪であるし、親がいないのは妖怪では普通だろう。
座敷童などあの姿でまぐわっているのは想像できない。
提灯オバケなんかは特に無理がある。
「初めて耳にしました……」
「俺も交配種なんすよ」
「言われるまで分からないものなんですね」
「俺そのせいで仕事もあんまり見つからなくて――」
「親がいると畑が耕せないのでしょうか???」
「今じゃ親が農業やってるほうが珍しいっすね」
なんと畑がなくても生きていけるとは、今の仕事は色々とあるらしい。
確かにこのような美味い団子を作っていれば畑を耕す暇もないだろう。
隣の席にいた鬼たちが立ち上がる。
『こんなのに金払いたくねぇよな』
『でていっちまおうぜ』
鬼たちが金も払わず出て行ったのを見て赤鬼の腕を引っ張った。
お金がは信用として大事なものであり、契約。
それを犯すなど、いくら鬼様でも見過ごせない。
「そこの鬼たち!!」
「なん……げ、赤鬼様!?」
「へ、へぇなんでしょうか?」
「死ね」
食い逃げをした鬼たちの頭が吹き飛ぶ。
ナキが金棒で殴ったと理解する事には鬼たちの身体が地面に倒れた。
そしてサラサラと砂のように、消えてゆく。
「食い逃げするような怨鬼(おんき)はオイラでもこうするなぁ」
「災難だよなぁ店の人」
どうやら地獄では日常風景らしく、大して気に留める人や鬼は少ない。
「……オイラも天然の鬼だけど、そっちのほうがオイラ出会った感じやらかす奴多いよ」
「両親がいないので叱ってもらえないのでは?」
「はい、俺もそれ思います」
「さて私たちもお金を払いに戻りましょうか」
「そっすね」
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