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50話 結ばれた二人(最終話)

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「☆おまえが地球式の結婚式とかあげる日がくるとはなぁ☆」

 今日は私とクロノくんの結婚式。
 学校を卒業してすぐのことだ。
 100歳にも満たない子、でも地球人を学んだ皆は分かってくれた。

「ウチもはよ結婚したいわぁ」
「ブクブク、ブクブク(可愛いからすぐに結婚できるよ)」
「俺らハンティング星人の席、間違ってドッグフード届いてる……」

 式場は晴れて白いウェディングドレスが光る。
 タイム星人に結婚式という文化がなく上半身だけスーツ。
 普段は制服だったからかっこよく見える。

「クロノくんすっごく似合うね」
「……ありがと」
「クロノくん」
「なに?」
「一緒にいるの――100年じゃ、なくてもいいよ」
「え」
「可能なんでしょ? 世界がまた滅びる時まで一緒にいても、いいよ」
「……だめよ」

 今どっちの感覚で言ったのかな。
 でも、私が100年っぽっちで死んだらクロノくん一人に――
 友だちも元カノもいるし『子供たち』もいるんだった。

「そっか」
「それに生きてても死んでても俺ちゃんからしたら――あんまりかわんない、寝てるだけ」

 ブーケトスをオススキーちゃんに投げた。
 誰を持ち帰るつもりか知らないけど、幸せになれるといいな。
 いや腕汲んでる――バチスケくんと。

「おい、人の結婚式でまで――」
「ええやん、まんざらでもない顔してるやんけ」
「それは……」


 あ、そこでくっつくんだ。
 ソウジくんとかと思っていた。
 ふいにクロノくんの足がつついてきた。

「ちょっとお嫁さん?他の男に夢中になんてならないでよね」
「あはは、クロノくんだって他の子たち幸せになってほしいんじゃない?」
「それはそれ、嫉妬する」
「神父さん初めてください」

『新郎クロノ・スタシス あなたはここにいる秋田カナを
病める時も 健やかなる時も
富める時も 貧しき時も
妻として愛し 敬い 慈しむ事を誓いますか?』

「誓います」

私は口ではなく足にキスした。

「ちょっと!?」
「大切なキスだから、照れてほしくて」
「……俺の嫁ちゃん可愛いでしょ?」

 皆の顔が赤い、人前でやるなって怒られた。
 でも地球人の結婚式はそういうものなの。
 人前で堂々とイチャイチャするの。

『新婦秋田カナ あなたはここにいるクロノ・スタシスを
病める時も 健やかなる時も
富める時も 貧しき時も
夫として愛し 敬い 慈しむ事を誓いますか?』


「はい、永遠に――愛しています」
「カナちゃん新婚旅行どこがいい?」
「ハワイとか」
「散歩で行けちゃうでしょ」
「フランダンスとか似合うよ、きっと」


 すべての式が終わって私たちは宇宙船に帰った。
 子供たちが祝福してくれる、それぞえの星の言葉で『おめでとう』と。
 クロノ・スタシスが祝福される。

 『私』の部屋に帰って、泣き出すクロノくん。

「……俺だけしか、愛されてない」
「そうだよ」
「ざまぁみろよ」
「大好きだよ、クロノくん」


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