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進学
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2年目になる学園生活、1年目と同様に成績で決められたクラスはほとんどが同じ顔ぶれでした。
「あまり変わってはいないようですね」
「それは成績順ですからね。1組に食い込むには難しいのでしょう。しかし、以前までは1組と2組はちょこちょこ変わっていたみたいなので、ここまで固定されているのは珍しいみたいですが……プッ、ふふふ」
「……なんだよ」
クラス表を一緒に見ていたラティス様が途中で笑いを堪えられなくなり、声を押し殺しながら笑う。
それを自分に向けられていると確信しているキースがラティス様にジト目を向ける。
「い、いえ……べ、別になんでも……」
「笑うなら笑えばいいだろ!」
「そんなっ……キースの理由を知っているのに笑うなんて……あはは、お、おかしい。だ、ダメ……お腹苦しい」
「結局笑ってるじゃねぇか!」
どうしてこんなやり取りをしているのか。それはキースのクラスが3組になっているからです。
「だって~、1組から3組に行く人ってこの学園ができたから初めてなんですよ。は・じ・め・て。キース、歴代初めての名誉だよ……ふふふ」
いつもよりも砕けた話し方をしているラティス様。キースが相手なので、いつもよりも素に近いのでしょう。ですが――
「そろそろ止めませんか? 今回の事に関してはキースは被害者です。そこまで第三者が何かを言う理由はありません」
「……申し訳ありませんわ、ローズ様。それと……キースもごめんなさい」
「あ、ああ……」
キースが1組から3組に行った理由。それは護衛対象が3組にいるからである。つまり、2年になってもアレの成績がよくなる事はなかった。護衛対象を常に守るためには、従者も同じクラスに行くべき。そう結論付けられたのである。
理屈はわかりますが、私には納得できません。ですがキースが同意した以上、私には何も言えないです。ただ――
「あ、あの人でしょ。1組から3組に落ちた人」
「落ちこぼれだったのかな~。まあいいんじゃない。実力通りのところに行けるんだからさ~」
何も知らない、知ろうともしない人たちに――
「キース、陛下からの拝命、謹んで励みなさい!」
「……! はっ!」
キースは突然のことに対してもキッチリと臣下の礼をとる。
「えっ、陛下からの……拝命?」
「ちょっ、私たちもしかしてまずいんじゃ……」
こうやって、キースが実力で落ちた訳ではないという事を、知らしめることしかできないのですから。
「……ありがとうございます。ローズ様……」
「お気になさらないでください。アレの護衛は大変だと思いますし、何も知らない人から何か言われることがあるかもしれません。しかし、キースは堂々としていていいのです。貴方が優秀であると多くの人が知らなくても、私は……私たちは……貴方が関わってきた人たちは皆知っています。そのことは覚えておいてください」
「……ッ! はいっ!」
キースは少し涙ぐみながら返事をする。この決断をするのにも色々と葛藤があったのでしょう。それでも国に忠誠を誓い、行動に移しました。それは誰にもできるようなことではありません。
「ほら、キース泣かないの。男の子でしょ。後は任せて、ローズ様は先に行ってください。待っているんでしょう?」
「……泣いてない。私のことはいいので、ローズ様は妹君のところへどうぞ」
「……ありがとうございます。辛いこと、大変なことがあると思いますが、私たちを頼ってくださいね。では、失礼します」
私は後ろ髪を引かれる思いではありながらも、ティアの待つ教室へと向かう。
ティアの事だから、おそらく心配はないはずなのだけれど、アレが何するかわからない以上、放っておくことはできません。
「私のお姉様はとても素晴らしい人よ!」
「そうかしら? ワタクシの憧れのお姉様より素晴らしいとは到底思えませんわ」
一年生がいるはずの廊下。そこで言い合いをしている声が……しかも、一方の声は聞き間違えるはずのないティアの声です。
それに、話題になっているのは私……
迷っていても仕方ありません。軽く挨拶をして、ティアを連れて帰りましょう。
「ティア、お待たせしました」
2人だと思っていた現場は、思った以上に人数が多く、その全員が振り返って私を見た。
「あまり変わってはいないようですね」
「それは成績順ですからね。1組に食い込むには難しいのでしょう。しかし、以前までは1組と2組はちょこちょこ変わっていたみたいなので、ここまで固定されているのは珍しいみたいですが……プッ、ふふふ」
「……なんだよ」
クラス表を一緒に見ていたラティス様が途中で笑いを堪えられなくなり、声を押し殺しながら笑う。
それを自分に向けられていると確信しているキースがラティス様にジト目を向ける。
「い、いえ……べ、別になんでも……」
「笑うなら笑えばいいだろ!」
「そんなっ……キースの理由を知っているのに笑うなんて……あはは、お、おかしい。だ、ダメ……お腹苦しい」
「結局笑ってるじゃねぇか!」
どうしてこんなやり取りをしているのか。それはキースのクラスが3組になっているからです。
「だって~、1組から3組に行く人ってこの学園ができたから初めてなんですよ。は・じ・め・て。キース、歴代初めての名誉だよ……ふふふ」
いつもよりも砕けた話し方をしているラティス様。キースが相手なので、いつもよりも素に近いのでしょう。ですが――
「そろそろ止めませんか? 今回の事に関してはキースは被害者です。そこまで第三者が何かを言う理由はありません」
「……申し訳ありませんわ、ローズ様。それと……キースもごめんなさい」
「あ、ああ……」
キースが1組から3組に行った理由。それは護衛対象が3組にいるからである。つまり、2年になってもアレの成績がよくなる事はなかった。護衛対象を常に守るためには、従者も同じクラスに行くべき。そう結論付けられたのである。
理屈はわかりますが、私には納得できません。ですがキースが同意した以上、私には何も言えないです。ただ――
「あ、あの人でしょ。1組から3組に落ちた人」
「落ちこぼれだったのかな~。まあいいんじゃない。実力通りのところに行けるんだからさ~」
何も知らない、知ろうともしない人たちに――
「キース、陛下からの拝命、謹んで励みなさい!」
「……! はっ!」
キースは突然のことに対してもキッチリと臣下の礼をとる。
「えっ、陛下からの……拝命?」
「ちょっ、私たちもしかしてまずいんじゃ……」
こうやって、キースが実力で落ちた訳ではないという事を、知らしめることしかできないのですから。
「……ありがとうございます。ローズ様……」
「お気になさらないでください。アレの護衛は大変だと思いますし、何も知らない人から何か言われることがあるかもしれません。しかし、キースは堂々としていていいのです。貴方が優秀であると多くの人が知らなくても、私は……私たちは……貴方が関わってきた人たちは皆知っています。そのことは覚えておいてください」
「……ッ! はいっ!」
キースは少し涙ぐみながら返事をする。この決断をするのにも色々と葛藤があったのでしょう。それでも国に忠誠を誓い、行動に移しました。それは誰にもできるようなことではありません。
「ほら、キース泣かないの。男の子でしょ。後は任せて、ローズ様は先に行ってください。待っているんでしょう?」
「……泣いてない。私のことはいいので、ローズ様は妹君のところへどうぞ」
「……ありがとうございます。辛いこと、大変なことがあると思いますが、私たちを頼ってくださいね。では、失礼します」
私は後ろ髪を引かれる思いではありながらも、ティアの待つ教室へと向かう。
ティアの事だから、おそらく心配はないはずなのだけれど、アレが何するかわからない以上、放っておくことはできません。
「私のお姉様はとても素晴らしい人よ!」
「そうかしら? ワタクシの憧れのお姉様より素晴らしいとは到底思えませんわ」
一年生がいるはずの廊下。そこで言い合いをしている声が……しかも、一方の声は聞き間違えるはずのないティアの声です。
それに、話題になっているのは私……
迷っていても仕方ありません。軽く挨拶をして、ティアを連れて帰りましょう。
「ティア、お待たせしました」
2人だと思っていた現場は、思った以上に人数が多く、その全員が振り返って私を見た。
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