【完結】シスコン妹は大好きな姉のために、婚約破棄に奔走する

白キツネ

文字の大きさ
32 / 55

陰で

しおりを挟む
 ティアが入学してから数日、ティアの周りにもいい友達が出来ていそうなので安心する。
 初対面で「妹にしてください」って言うから変な子かと思ったけど、話してみたらいい子だったし……ただ、私が居ない時には何回か口喧嘩しているみたい。喧嘩するほど仲がいい……なのかな?

 これでティアの学園生活も安泰。そう思っていたのに……
 どうして、アレとティアが一緒に中庭に居るのでしょうか? それも仲睦まじそうに……一体何が?

「ほぅ。この国の王子は浮気を堂々とするのか」

 後ろから声を掛けて来たのは今年から留学生として来たベルフリード皇太子殿下です。同じ立場を持つものとしてアレの様子はさぞ滑稽に映るでしょうね。

「浮気は別にどうでもいいのです。問題なのはその相手がティアであるということただ一つ」
「問題なのは相手が妹であることだけか?」
「ティアじゃなければ別にどうでも……アレがもっといい人ならティアにふさわしいと思いますが、アレでは到底ふさわしくありません」
「妹にふさわしいねぇ。自分の婚約者なのに酷い言いようだな」
「別に私もアレも望んで今の立場にいるわけじゃ……」

 んっ? ベルフリード皇太子殿下……?

 ギギギと音が鳴っているかのように、ぎこちなく後ろを振り向く。そこには紛れもなくベルフリード皇太子殿下が笑みを浮かべて立っていた。

「俺とわかった上で話していたのではないのか?」
「それはっ! そうですが……」

 ティアとアレの取引に夢中になりすぎて、話しかけて来たのが誰かだなんて、そこまで気にしていませんでした。

「妹の方がよっぽど大事か。ククッ、レオの言っていた通り、他の奴とは違うようだな」

 レオ?……レオ兄様? まさか、レオ兄様が学園に来れないので、ベルフリード皇太子殿下が?

「……流石に他国の王族相手に手を出すのはまずいかと」
「待て待て、どうして俺がアレに手を出すことになっている」
「? だってレオ兄様の知り合いなのですよね?」
「ああ、そうだが……いや、そういう事か……お前、相当アレのことが……」
「い、いえっ、決して! そんなことありません!」
「いや、今更取り繕うのは無理があるだろう……」

 いえ、レオ兄様にはまだバレていないはずなので、まだ誤魔化せるはずです。そう、これ以上ボロを出さなければ大丈夫。

「そういえば、1つ、お尋ねしていいですか?」
「別に構わないが、なんだ?」
「アウレウスという方はどのような方なのですか? おそらく、レオ兄様と交流が深い方だと思うのですが……」

 リリアにとってはレオニクスにはまだバレていない。ただ、アウレウスという人を知らなかったせいで、少し気分を損ねてしまったと思っている。
 この国で、その名前を知らないということは、おそらく、アルベルト帝国の人間だ。そう当たりをつけてベルフリートに尋ねる。
 それが1番ボロを出していることに気がつくことはなかった。

「…………いや、俺の国にはレオの知人でアウレウスという名前のやつはいない。お前が認識していないだけで、案外身近に居るんじゃないか?」
「? そう……なのでしょうか? 私の身近に……」

 私の身近に……そのような方、居たかな?

「まぁ、これだけは言ってやるよ」
「?」
「レオとそのアウレウスというやつは仲が良くない。それも、一方は今すぐにでも消し去りたいと思っているほどに……な」
「…………」
「そんな事を話している間に、王子様との会談が終わったようだ」

 その言葉に、2人がいた場所を見ると、アレはもう居なく、ティアだけが残っていた。
 今すぐ話を聞きに行きたい。けれど、ベルフリード皇太子殿下の話にも気になることがありすぎます。
 そんな事を考えていると、ティアから独り言が聞こえてくる。

「……ホントなんなのアイツ。お姉様のせいで成績を下げられているだの、『君もアレの嘘に苦しめられているんだろう。俺はわかってる』よ。嘘をついてるのはお前だろ! あーもう! ムカつく!」
「てぃ、ティア……?」
「どうやらお前のお姫様はご立腹みたいだぞ。よかったな。アレの虜になってなくて」

 それはそうなのですが……ぇぇ、ならどうしてティアは仲良さそうにしていたの?
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

完結 辺境伯様に嫁いで半年、完全に忘れられているようです   

ヴァンドール
恋愛
実家でも忘れられた存在で 嫁いだ辺境伯様にも離れに追いやられ、それすら 忘れ去られて早、半年が過ぎました。

【番外編も完結】で、お前が彼女に嫌がらせをしている理由を聞かせてもらおうか?

Debby
恋愛
ヴェルトが友人からの手紙を手に辺境伯令嬢であるレィディアンスの元を訪れたのは、その手紙に「詳細は彼女に聞け」と書いてあったからだ。 簡単にいうと、手紙の内容は「学園で問題を起こした平民──エボニーを妻として引き取ってくれ」というものだった。 一方その話を聞いてしまった伯爵令嬢のオリーブは動揺していた。 ヴェルトとは静かに愛を育んできた。そんな自分を差し置いて、言われるがまま平民を妻に迎えてしまうのだろうか。 そんなオリーブの気持ちを知るはずもないエボニーは、辺境伯邸で行儀見習いをすることになる。 オリーブは何とかしてヴェルトを取り戻そうと画策し、そのことを咎められてしまう。もう後は無い。 オリーブが最後の望みをかけてヴェルトに自分を選んで欲しいと懇願する中、レィディアンスが静かに口を開いた。 「で、そろそろお前が彼女に嫌がらせをしている理由を聞かせてもらおうか」 「はい?」 ヴェルトは自分が何を言われたのか全く理解が出来なかった。 *--*--* 覗いてくださりありがとうございます。(* ᴗ ᴗ)⁾⁾ ★2/17 番外編を投稿することになりました。→完結しました! ★★「このお話だけ読んでいただいてもOKです!」という前提のもと↓↓↓ このお話は独立した一つのお話ですが、「で。」シリーズのサイドストーリーでもあり、第一弾「で、私がその方に嫌がらせをする理由をお聞かせいただいても?」の「エボニーその後」でもあります(あるいは「最終話」のその後)。 第一弾「で、私がその方に嫌がらせをする理由をお聞かせいただいても?」 第二弾「で、あなたが私に嫌がらせをする理由を伺っても?」 第三弾「で、あなたが彼に嫌がらせをする理由をお話しいただいても?」 どれも女性向けHOTランキングに入り、特に第二弾はHOT一位になることが出来ました!(*´▽`人)アリガトウ もしよかったら宜しくお願いしますね!

大根令嬢の雑学無双、王弟殿下を添えて。~ 前世を思い出したので、許婚をほったらかして人助けしまくります!!

古森真朝
恋愛
気弱な伯爵令嬢のカレンは、自分勝手な婚約者レナートに振り回されていた。耐え続けていたある日、舞踏会で何者かに突き飛ばされ、階段から落ちてしまう。 その傷が元で儚く……なるかと思いきや。衝撃で前世を思い出したカレンは一転、かの『ド根性大根』みたいな超・ポジティブ人間になっていた。 『モラハラ婚約者の思惑なんぞ知るか!! 今度こそ好きなことやって、目いっぱい幸せに長生きするんだから!!!』 昔ひたすら読書に耽って身に着けた『雑学』を武器に、うっかり採れ過ぎた作物や、開墾しようとすると不幸に見舞われる土地、不治の病にかかった王族、等々の問題をどんどん解決。 領地の内外で心強い友人が出来たり、いつの間にかものすごく有名になっていたり、何かと協力してくれる王弟ヴィクトルから好意を寄せられたり(注:気付いてない)する中、温かい家族と共に仕事に励んでいく。 一方、前世から因縁のある人々もまた、こちらに転生していて――

公爵家の家政を10年回した私が出ていったら、3ヶ月で領地が破綻しました

歩人
ファンタジー
エレナは公爵家に嫁いで10年、夫は愛人に入れ込み、義母には「家政婦代わり」と 罵られた。だが領地の財務も、商会との交渉も、使用人の管理も、全部エレナが やっていた。ある日、義母から「あなたの代わりなんていくらでもいる」と言われ、 エレナは静かに離縁届を出した。「では、代わりの方にお任せください」 辺境の町で小さな商会を開いたエレナ。10年間の実務経験は伊達ではなかった。 商会はたちまち繁盛する。一方、エレナがいなくなった公爵家は3ヶ月で経営破綻。 元夫が「戻ってこい」と泣きつくが—— 「お断りです。あと、10年分の未払い給金を請求いたしますね」

身代わりの公爵家の花嫁は翌日から溺愛される。~初日を挽回し、溺愛させてくれ!~

湯川仁美
恋愛
姉の身代わりに公爵夫人になった。 「貴様と寝食を共にする気はない!俺に呼ばれるまでは、俺の前に姿を見せるな。声を聞かせるな」 夫と初対面の日、家族から男癖の悪い醜悪女と流され。 公爵である夫とから啖呵を切られたが。 翌日には誤解だと気づいた公爵は花嫁に好意を持ち、挽回活動を開始。 地獄の番人こと閻魔大王(善悪を判断する審判)と異名をもつ公爵は、影でプレゼントを贈り。話しかけるが、謝れない。 「愛しの妻。大切な妻。可愛い妻」とは言えない。 一度、言った言葉を撤回するのは難しい。 そして妻は普通の令嬢とは違い、媚びず、ビクビク怯えもせず普通に接してくれる。 徐々に距離を詰めていきましょう。 全力で真摯に接し、謝罪を行い、ラブラブに到着するコメディ。 第二章から口説きまくり。 第四章で完結です。 第五章に番外編を追加しました。

側妃の条件は「子を産んだら離縁」でしたが、陛下は私を離してくれません!

花瀬ゆらぎ
恋愛
「おまえには、国王陛下の側妃になってもらう」 婚約者と親友に裏切られ、傷心の伯爵令嬢イリア。 追い打ちをかけるように父から命じられたのは、若き国王フェイランの側妃になることだった。 しかし、王宮で待っていたのは、「世継ぎを産んだら離縁」という非情な条件。 夫となったフェイランは冷たく、侍女からは蔑まれ、王妃からは「用が済んだら去れ」と突き放される。 けれど、イリアは知ってしまう。 彼が兄の死と誤解に苦しみ、誰よりも孤独の中にいることを──。 「私は、陛下の幸せを願っております。だから……離縁してください」 フェイランを想い、身を引こうとしたイリア。 しかし、無関心だったはずの陛下が、イリアを強く抱きしめて……!? 「離縁する気か?  許さない。私の心を乱しておいて、逃げられると思うな」 凍てついた王の心を溶かしたのは、売られた側妃の純真な愛。 孤独な陛下に執着され、正妃へと昇り詰める逆転ラブロマンス! ※ 以下のタイトルにて、ベリーズカフェでも公開中。 【側妃の条件は「子を産んだら離縁」でしたが、陛下は私を離してくれません】

美人同僚のおまけとして異世界召喚された私、無能扱いされ王城から追い出される。私の才能を見出してくれた辺境伯様と一緒に田舎でのんびりスローライ

さら
恋愛
美人な同僚の“おまけ”として異世界に召喚された私。けれど、無能だと笑われ王城から追い出されてしまう――。 絶望していた私を拾ってくれたのは、冷徹と噂される辺境伯様でした。 荒れ果てた村で彼の隣に立ちながら、料理を作り、子供たちに針仕事を教え、少しずつ居場所を見つけていく私。 優しい言葉をかけてくれる領民たち、そして、時折見せる辺境伯様の微笑みに、胸がときめいていく……。 華やかな王都で「無能」と追放された女が、辺境で自分の価値を見つけ、誰よりも大切に愛される――。

手作りお菓子をゴミ箱に捨てられた私は、自棄を起こしてとんでもない相手と婚約したのですが、私も含めたみんな変になっていたようです

珠宮さくら
恋愛
アンゼリカ・クリットの生まれた国には、不思議な習慣があった。だから、アンゼリカは必死になって頑張って馴染もうとした。 でも、アンゼリカではそれが難しすぎた。それでも、頑張り続けた結果、みんなに喜ばれる才能を開花させたはずなのにどうにもおかしな方向に突き進むことになった。 加えて好きになった人が最低野郎だとわかり、自棄を起こして婚約した子息も最低だったりとアンゼリカの周りは、最悪が溢れていたようだ。

処理中です...