純愛夢見エロス 〜夢の中で、ヤりましょう〜

秋風いろは

文字の大きさ
13 / 52

7-4.夢2異世界召喚・魔王編

しおりを挟む
 眉間にぎゅっと皺を寄せて、斉藤くんの方にくるりと向き合う。

「どうしたの?」

 手が胸から外れ、やや不満そうに彼が尋ねた。

「全然、私が望む方向に話が進まない!」
「ふむ。桜ちゃんの望みは?」

 ちゃん付けで改めて呼ばれて、かぁっと顔が熱くなる。

「だ、大好きな斉藤くんと、いちゃいちゃすることかな」
「もうしてるじゃん。問題ないね」

 照れながらも頑張って言ったのに、平然と返された。

「違うの。夢でくらい、もっとほら、最後までしてみたいっていうか、ね」
「ふぅむ」

 彼は手を顎に持っていきながら何かを考える素振りを見せる。

「なんで、そんなに私の夢の斉藤くんは非積極的なの?」
「うーん。でも、そんなに望んでいることなら、夢なんかに頼らず現実世界で頑張ればいいんじゃない?」
「な……」

 まさか、自分の夢に説教までされるとは。

「きっと、現実では進展しないよ。私、話だって盛り上げるの下手だし、話す機会だって、そんなにない。話題もないし、ラムネをあげるって口実も全部あげてなくなっちゃった。だから、夢くらい……」

 だんだんと語尾に元気がなくなる。

「ネガティブだね」
「分かってる」
「桜ちゃんは可愛いよ」
「え、ゆ、夢のあなたに言われても」

 わたわたと胸の前で手を振る私に、斉藤くんがくすくすと笑う。
 笑った顔、好きだなぁ。

「それなら、デートをしよう」
「えぇ!」

 夢は所詮、夢だ。守られない約束をしても、仕方がない。

「あ、夢でってこと? でも、いくら夢の中で仲良くなっても現実とは関係ないし」
「いいや、現実で。俺、休日はよく図書館で勉強しているんだよ。次の土曜の午前10時、学習室で待ち合わせ。来ないなら来ないで、いいよ。いつも通り勉強するだけだ」
「え、え」

 いきなり具体的な話になった。メモをしようかと思うも、夢が覚めたら全部無くなることに気づく。

「そ、そんなの、夢が覚めたらなかったことになるんじゃ」
「魔法のラムネ、だろ? 予知みたいなものだと思って、行ってみたらいい」
「夢で予知……」
「ああ。明日はまだ金曜日だし、俺自身に聞いてみたらいい。休みの日の過ごし方をさ」

 もし、彼の言うことが本当なら、このラムネ、ちょっと恐ろしい代物かもしれない。

「あんまり嬉しそうじゃないね」
「うん。もしその通りなら、異常な食べ物を食べてるんじゃないかと思って。副作用とかないのかな。話が美味しすぎる」
「そんな物を、俺に食わすなよ」
「だって、おまじない程度のものだと思ったし。私の期待が見せてるだけの偶然かな、とも」

 だんだんと怖くなってきた。

「まぁ、考えても仕方ない。ほら、夢でもデートを楽しもう」
「う、うん」

 彼が私の手を取って、2人で布団から下りる。
 もういいか、とファンタジー風の服を想像し、魔法のようにパッと身につけた。

「あ、服着るんだ」
「うん、もうあなたヤる気ないでしょ」
「服着てる桜ちゃん、見慣れなくて落ち着かないなー」
「うるさい。ほら、デートするんでしょ。私を抱っこして、空でも飛んで?」
「空って……」

 呆れたように言う、未だに角を生やしたままの魔王風斉藤くんに、悪戯っぽい顔をして、こう言ってあげた。

「実はあなた、羽も生えてるわよ?」

 数秒固まって、そろーりと後ろを向く斉藤くん。

「は、はぁー!? 嘘だろ」
「あっはは! 私の妄想の中でも魔王に生えてたでしょ」

 そう言って、彼の首に腕を巻きつかせて、お願いをした。

「ね? 空のデートと洒落込もうじゃなーい」
「君は、ほんと自由だね」

 彼はため息をついて、私をお姫様抱っこすると、バッサバッサと飛び始めた。

「本当に飛んじゃったよ、俺……」
「夢が覚めるまで、星の下でお空デートだね」
「はいはい、お姫様」

 そうして私たちは、夢が覚めるまでお空デートを楽しんだ。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

彼の言いなりになってしまう私

守 秀斗
恋愛
マンションで同棲している山野井恭子(26才)と辻村弘(26才)。でも、最近、恭子は弘がやたら過激な行為をしてくると感じているのだが……。

ちょっと大人な物語はこちらです

神崎 未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない ちょっと大人な短編物語集です。 日常に突然訪れる刺激的な体験。 少し非日常を覗いてみませんか? あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ? ※本作品ではGemini PRO、Pixai.artで作成した生成AI画像ならびに  Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。 ※不定期更新です。 ※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。

密室に二人閉じ込められたら?

水瀬かずか
恋愛
気がつけば会社の倉庫に閉じ込められていました。明日会社に人 が来るまで凍える倉庫で一晩過ごすしかない。一緒にいるのは営業 のエースといわれている強面の先輩。怯える私に「こっちへ来い」 と先輩が声をかけてきて……?

俺様上司に今宵も激しく求められる。

美凪ましろ
恋愛
 鉄面皮。無表情。一ミリも笑わない男。  蒔田一臣、あたしのひとつうえの上司。  ことあるごとに厳しくあたしを指導する、目の上のたんこぶみたいな男――だったはずが。 「おまえの顔、えっろい」  神様仏様どうしてあたしはこの男に今宵も激しく愛しこまれているのでしょう。  ――2000年代初頭、IT系企業で懸命に働く新卒女子×厳しめの俺様男子との恋物語。 **2026.01.02start~2026.01.17end**

屋上の合鍵

守 秀斗
恋愛
夫と家庭内離婚状態の進藤理央。二十五才。ある日、満たされない肉体を職場のビルの地下倉庫で慰めていると、それを同僚の鈴木哲也に見られてしまうのだが……。

JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――

のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」 高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。 そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。 でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。 昼間は生徒会長、夜は…ご主人様? しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。 「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」 手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。 なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。 怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。 だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって―― 「…ほんとは、ずっと前から、私…」 ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。 恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。

還暦の性 若い彼との恋愛模様

MisakiNonagase
恋愛
還暦を迎えた和子。保持する資格の更新講習で二十代後半の青年、健太に出会った。何気なくてLINE交換してメッセージをやりとりするうちに、胸が高鳴りはじめ、長年忘れていた恋心に花が咲く。 そんな還暦女性と二十代の青年の恋模様。 その後、結婚、そして永遠の別れまでを描いたストーリーです。 全7話

処理中です...