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第三章 決意と変化

6:光

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スターリンは急に泣き出したリリカに驚きつつも、そのままリリカの話が済むまで黙って聞いてくれた。
聞き終えた後、スターリンは静かに口を開けた。

「リリカはいつも自信がなさそうに見える」

「……はい、その通りです。だから、私は私を好きになりたいのです。その為にも自分に自信をつけようと、痩せることを決めたのです!」

「……そうか。それならば尚更、丸投げは関心せんな」

「あっ……スターリン様を見掛けて、つい……」

そう言ったリリカは、ハッとする。

(こういう言い訳がましいところもよくないわね……)

そしてリリカは自分に驚いた。
今までならあり得ない思考だったからだ。

(前向きな気持ちになると、こういう思考も生まれるのね……)

リリカは生まれ変わった気分で、少し清々しさを感じた……



その時、キャサリンの準備が整ったと、使用人がスターリンを呼びに来た。

「リリカは体力が無さそうだから、取り敢えず散歩から始めてみると良いと思う。あとはまた考えて近々伝えに来る」

スターリンはそう言い、足早に去って行った。

「……速いわね……」

あっという間に小さくなったスターリンを見送りながら、リリカは呟く。
スターリンは感情が表情に出にくいが、行動はとてもわかりやすい。

(ふふっ……早くキャサリンに会いたいのね。キャサリンたら、何も心配することなんてないじゃない……)

夜会の時のキャサリンを思い出しながら、リリカはホッとする。
今まで殆ど交流のなかった、母の愛情を独り占めしているキャサリンだが、リリカは嫌いだと思ったことはなかった。
リリカがウィリアムに失恋したのをきっかけに、本性を見せてリリカを応援してくれたキャサリンに、今は寧ろ好感を抱いているくらいだ。

リリカはウィリアムを思い出し、キャサリンとスターリンを羨ましく思ってしまう。
しかし、そのようなことを考えていても事態は何も変わらないと、もう今のリリカはわかっている。

「よしっ、まずは散歩からね!」

その日からリリカは、午前と午後に一時間の散歩を開始したのだった……





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