22 / 63
第三章 決意と変化
6:光
しおりを挟む
スターリンは急に泣き出したリリカに驚きつつも、そのままリリカの話が済むまで黙って聞いてくれた。
聞き終えた後、スターリンは静かに口を開けた。
「リリカはいつも自信がなさそうに見える」
「……はい、その通りです。だから、私は私を好きになりたいのです。その為にも自分に自信をつけようと、痩せることを決めたのです!」
「……そうか。それならば尚更、丸投げは関心せんな」
「あっ……スターリン様を見掛けて、つい……」
そう言ったリリカは、ハッとする。
(こういう言い訳がましいところもよくないわね……)
そしてリリカは自分に驚いた。
今までならあり得ない思考だったからだ。
(前向きな気持ちになると、こういう思考も生まれるのね……)
リリカは生まれ変わった気分で、少し清々しさを感じた……
その時、キャサリンの準備が整ったと、使用人がスターリンを呼びに来た。
「リリカは体力が無さそうだから、取り敢えず散歩から始めてみると良いと思う。あとはまた考えて近々伝えに来る」
スターリンはそう言い、足早に去って行った。
「……速いわね……」
あっという間に小さくなったスターリンを見送りながら、リリカは呟く。
スターリンは感情が表情に出にくいが、行動はとてもわかりやすい。
(ふふっ……早くキャサリンに会いたいのね。キャサリンたら、何も心配することなんてないじゃない……)
夜会の時のキャサリンを思い出しながら、リリカはホッとする。
今まで殆ど交流のなかった、母の愛情を独り占めしているキャサリンだが、リリカは嫌いだと思ったことはなかった。
リリカがウィリアムに失恋したのをきっかけに、本性を見せてリリカを応援してくれたキャサリンに、今は寧ろ好感を抱いているくらいだ。
リリカはウィリアムを思い出し、キャサリンとスターリンを羨ましく思ってしまう。
しかし、そのようなことを考えていても事態は何も変わらないと、もう今のリリカはわかっている。
「よしっ、まずは散歩からね!」
その日からリリカは、午前と午後に一時間の散歩を開始したのだった……
聞き終えた後、スターリンは静かに口を開けた。
「リリカはいつも自信がなさそうに見える」
「……はい、その通りです。だから、私は私を好きになりたいのです。その為にも自分に自信をつけようと、痩せることを決めたのです!」
「……そうか。それならば尚更、丸投げは関心せんな」
「あっ……スターリン様を見掛けて、つい……」
そう言ったリリカは、ハッとする。
(こういう言い訳がましいところもよくないわね……)
そしてリリカは自分に驚いた。
今までならあり得ない思考だったからだ。
(前向きな気持ちになると、こういう思考も生まれるのね……)
リリカは生まれ変わった気分で、少し清々しさを感じた……
その時、キャサリンの準備が整ったと、使用人がスターリンを呼びに来た。
「リリカは体力が無さそうだから、取り敢えず散歩から始めてみると良いと思う。あとはまた考えて近々伝えに来る」
スターリンはそう言い、足早に去って行った。
「……速いわね……」
あっという間に小さくなったスターリンを見送りながら、リリカは呟く。
スターリンは感情が表情に出にくいが、行動はとてもわかりやすい。
(ふふっ……早くキャサリンに会いたいのね。キャサリンたら、何も心配することなんてないじゃない……)
夜会の時のキャサリンを思い出しながら、リリカはホッとする。
今まで殆ど交流のなかった、母の愛情を独り占めしているキャサリンだが、リリカは嫌いだと思ったことはなかった。
リリカがウィリアムに失恋したのをきっかけに、本性を見せてリリカを応援してくれたキャサリンに、今は寧ろ好感を抱いているくらいだ。
リリカはウィリアムを思い出し、キャサリンとスターリンを羨ましく思ってしまう。
しかし、そのようなことを考えていても事態は何も変わらないと、もう今のリリカはわかっている。
「よしっ、まずは散歩からね!」
その日からリリカは、午前と午後に一時間の散歩を開始したのだった……
応援ありがとうございます!
10
お気に入りに追加
414
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる