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その後
前編
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ちゃぷん、と水滴が跳ねる。先ほどまでシャワーを使っていたこともあり、浴室内には温かい空気が漂っていた。
ここのところ残業が続いていて、シャワーで済ませることが多く、ゆっくり浸かることのなかった浴槽にお湯が張ってあることも、浴室が温かくなった理由のひとつだろうが。
数時間前の彩瑛であれば、ゆっくりお湯に浸かり、夕飯を食べながらレンタルしてきた映画を見て──と週末を楽しむことを考えていただろう。
だが、ひとりで利用することを想定して作られた手狭な浴槽に浸かっているのは、部屋の主である彩瑛だけではなかった。
「ギル、やっぱり狭いし、早く出よう……?」
すでに何度も問いかけては何度も同じ答えを返された質問を、彩瑛は背後から抱き締めている彼に尋ねてみる。
だが、しっかりと彩瑛を抱きかかえ、露わになった彼女の肩口に顎を乗せて、ぴったりと密着している彼──ギルベルトは、悩むことなく即答した。
「嫌だ」
腹部に巻き付けられた腕は確かに彩瑛を拘束している。彼女を逃がさないと言わんばかりだが、締め付けられるような苦しさはない。
それでもきっと、彩瑛はギルベルトから逃げられない。ギルベルトが細くても十分《男の人》であることは、身を以て知っていたから。
──ギルベルトは行為のあと、ベッドに沈み込んだ彩瑛に浴室がどこかと尋ねてきた。ぼんやりとした思考のまま彩瑛が浴室の方向を指さすと、彼はそちらへと行ってしまった。
そのあと矢継ぎ早に浴室の使い方について問いかけられたので答えていると、しばらくして戻ってきたギルベルトに彩瑛は抱きかかえられた。しかも横抱きで。
戸惑っている彼女とは反対に、ギルベルトは戸惑うことなく浴室へ彩瑛を連れていく。
冷静になってきた彩瑛の頭に、もしかして、という予感が過ぎったが、その予感を裏切ることなくギルベルトはシャワーのレバーを捻った。シャワーヘッドからぬるいお湯が降ってきて、ふたりを濡らす。
汗をかいているからと伝えたときに、「あとで一緒に入ってあげる」と言われたけれど、さすがに明るい中で体を見られるのは彩瑛にも抵抗がある。
首を横に振り、「ひとりで入れるので……っ!」と逃げようとしたけれど、下半身の痛みで動けず、また、ギルベルトが逃がしてくれるはずもなく。
あれよあれよと体中を洗われ、気付いたら一緒に浴槽に浸かっていた。
手狭な浴槽は、細身とは言え百八十センチを越えるギルベルトの体には辛いだろうに、彼は彩瑛を背中から抱きながらどこか機嫌が良さそうだ。
狭ければ、密着度も自然と高くなる。隙間などないぐらいに抱き締めてくる腕の温もりや、くっつけられた体に、先ほどまでの行為を思い出してしまい、彩瑛は思わず顔を赤らめた。
「サエ、どうしたの」
居たたまれなくて縮こまっていたら、ギルベルトが横から顔を覗き込んでくる。
普段は下ろされている前髪が濡れて後ろに撫で付けられている所為で、左右で光彩の違う彼の瞳がよく見えた。
──しかしまさか正直に、何を思っていたのかなんて言えるはずがない。
「……ギル、と会えて、こうしてまた喋ってるなんて、不思議だなって思って……もう二度と、会えないと思ってたから」
思考を何とか切り替えて、彩瑛は何とかそう返す。
生きる世界が違うと気付いて、逃げるように元の世界に帰ってきた。《帰ってくる》方法は一度限りだけど存在するが、あちらの世界から《渡ってくる》方法はないと魔女から聞いていたから、今生の別れだと覚悟して。
だからまさかギルベルトが《渡ってくる》方法を作り出した上、会いに来てくれるなんて思わなかった。
「約束破って……何も言わずに帰ってしまって、ごめんなさい」
誠意を示すならば、きちんと目を見て謝るべきなのだとはわかっている。
けれど向けた瞳の先に怒りや怨み──ネガティブな感情が浮かんでいたら。そう考えたら見ることが怖くて、結局俯いてしまった。
シャワーヘッドから、水滴が落ちる。
「サエ」
水音が反響した──その直後に、ギルベルトは静かな声で彩瑛の名前を呼んだ。
びくり、と彩瑛の肩が揺れる。
「研究室から出てきて、真っ先にサエに会いに行こうと思った。術の完成を伝えたかったこともあるけど、一番の理由は単純に君に、会いたかったから。──だけどそのときにはもう、サエはあの世界にいなかった」
ギルベルトの言葉に彩瑛はくちびるを噛んだ。
「サエがいなくなったことを僕に伝えてくれたのは殿下だったんだ。君たちが会って話をしたことも、そのときに聞いた。そのあと店に行ったけど当然君はいなくて、代わりにあの魔女から帰ったと言われて──頭の中が真っ白になった。怒りも覚えたし、悲しくて仕方がなかったな」
思い出しながら、ひとつひとつを辿るようにギルベルトは言葉を紡ぐ。
「僕とサエでは生まれ育った環境が違う、生活も違う、そして世界が違う。元々サエの存在はイレギュラーだった。だからいなくなったとしても、君がいなかったときに戻っただけ。早く忘れてしまった方がいいと、魔女には言われた。だけど──」
腹部に回されたギルベルトの腕の力が、心なしか強くなったような気がした。
「僕の世界はサエがいたから色づいた。言ったことあったかな。君と出会う前の僕の世界には色なんてなくて、温度もなかったって」
「っ」
「サエと会わなければ、人の温かさも、食事の美味しさも、街の喧噪が意外に心地良いことも、きっと知らずに死んでいたと思う。今更いなかったときには戻れないし、何より、僕が君のことを忘れることができなかった。……泣きながらちゃんと食事を取ってと言ったときのこととか、美味しそうに食事をする姿とか、酔っぱらって口を滑らせたときのこととか、少し眠ると夢に見るのはいつもサエのことばかりで、目が覚めて君がいないことに絶望した」
ずきずきと、彩瑛の胸が痛む。
「だけど、帰ってしまった理由が僕のことを嫌いになったからではないのなら、諦める理由はない。そのことに気付いたら、もう心は決まってた。会いに行って、今度は逃がさないようにしようって」
「っん……」
無防備な項にちくりとした痛みが走り、彩瑛のくちびるから甘い声が漏れる。
肩越しに、そこへ顔を埋めるギルベルトの方に視線をやると、彼もまた彩瑛のことを見つめていた。
色は違うけれど、同じ熱の籠もった瞳に射抜かれる。
「ギ、ル──」
名前を呼んだら、ギルベルトの端正な顔が近付いてきて、言葉を奪うように口付けられた。何度も何度も、触れるだけのキスが落ちてくる。腹部を抱えていた手はいつの間にか片腕だけになっていて、空いた方の手が彩瑛の頭を支えてくれた。
「ん……ふぁ……んんっ」
触れていただけの口付けが、貪るようなものに変わっていった。僅かに開いたくちびるの間から、ギルベルトの舌が潜り込んでくる。
彩瑛は驚いて頭を引こうとしたけれど、ギルベルトの手が支えているので、逃げられない。
歯列をなぞられ、そして舌を絡め取られた。
瞳を閉じると、視界で得られる情報が少なくなる分、耳が敏感になる。浴槽の中に溜めたお湯が跳ねる水音とは別に、お互いの唾液が混ざり合う、淫靡な音が浴室中に響いた。
「……もう逃がしてあげられなくて、ごめんね?」
くちびるを離したギルベルトが、至近距離でそう囁く。
どくん、と彩瑛の心臓が跳ねた。
──ギルベルトになら、逃げ道を塞がれても嬉しいと感じている。
その証拠に、先ほどのキスの余韻にしては、顔が熱い。
言葉が出てこなくて、彩瑛は首を横に振る。腹部に回った彼の腕にそっと指先を添えると、蚊の鳴くような声で、言った。
「あや、まらないで。……嬉しい、ので」
自然と頬が緩んで、口からは自然とそんな言葉が出てきていた。
ここのところ残業が続いていて、シャワーで済ませることが多く、ゆっくり浸かることのなかった浴槽にお湯が張ってあることも、浴室が温かくなった理由のひとつだろうが。
数時間前の彩瑛であれば、ゆっくりお湯に浸かり、夕飯を食べながらレンタルしてきた映画を見て──と週末を楽しむことを考えていただろう。
だが、ひとりで利用することを想定して作られた手狭な浴槽に浸かっているのは、部屋の主である彩瑛だけではなかった。
「ギル、やっぱり狭いし、早く出よう……?」
すでに何度も問いかけては何度も同じ答えを返された質問を、彩瑛は背後から抱き締めている彼に尋ねてみる。
だが、しっかりと彩瑛を抱きかかえ、露わになった彼女の肩口に顎を乗せて、ぴったりと密着している彼──ギルベルトは、悩むことなく即答した。
「嫌だ」
腹部に巻き付けられた腕は確かに彩瑛を拘束している。彼女を逃がさないと言わんばかりだが、締め付けられるような苦しさはない。
それでもきっと、彩瑛はギルベルトから逃げられない。ギルベルトが細くても十分《男の人》であることは、身を以て知っていたから。
──ギルベルトは行為のあと、ベッドに沈み込んだ彩瑛に浴室がどこかと尋ねてきた。ぼんやりとした思考のまま彩瑛が浴室の方向を指さすと、彼はそちらへと行ってしまった。
そのあと矢継ぎ早に浴室の使い方について問いかけられたので答えていると、しばらくして戻ってきたギルベルトに彩瑛は抱きかかえられた。しかも横抱きで。
戸惑っている彼女とは反対に、ギルベルトは戸惑うことなく浴室へ彩瑛を連れていく。
冷静になってきた彩瑛の頭に、もしかして、という予感が過ぎったが、その予感を裏切ることなくギルベルトはシャワーのレバーを捻った。シャワーヘッドからぬるいお湯が降ってきて、ふたりを濡らす。
汗をかいているからと伝えたときに、「あとで一緒に入ってあげる」と言われたけれど、さすがに明るい中で体を見られるのは彩瑛にも抵抗がある。
首を横に振り、「ひとりで入れるので……っ!」と逃げようとしたけれど、下半身の痛みで動けず、また、ギルベルトが逃がしてくれるはずもなく。
あれよあれよと体中を洗われ、気付いたら一緒に浴槽に浸かっていた。
手狭な浴槽は、細身とは言え百八十センチを越えるギルベルトの体には辛いだろうに、彼は彩瑛を背中から抱きながらどこか機嫌が良さそうだ。
狭ければ、密着度も自然と高くなる。隙間などないぐらいに抱き締めてくる腕の温もりや、くっつけられた体に、先ほどまでの行為を思い出してしまい、彩瑛は思わず顔を赤らめた。
「サエ、どうしたの」
居たたまれなくて縮こまっていたら、ギルベルトが横から顔を覗き込んでくる。
普段は下ろされている前髪が濡れて後ろに撫で付けられている所為で、左右で光彩の違う彼の瞳がよく見えた。
──しかしまさか正直に、何を思っていたのかなんて言えるはずがない。
「……ギル、と会えて、こうしてまた喋ってるなんて、不思議だなって思って……もう二度と、会えないと思ってたから」
思考を何とか切り替えて、彩瑛は何とかそう返す。
生きる世界が違うと気付いて、逃げるように元の世界に帰ってきた。《帰ってくる》方法は一度限りだけど存在するが、あちらの世界から《渡ってくる》方法はないと魔女から聞いていたから、今生の別れだと覚悟して。
だからまさかギルベルトが《渡ってくる》方法を作り出した上、会いに来てくれるなんて思わなかった。
「約束破って……何も言わずに帰ってしまって、ごめんなさい」
誠意を示すならば、きちんと目を見て謝るべきなのだとはわかっている。
けれど向けた瞳の先に怒りや怨み──ネガティブな感情が浮かんでいたら。そう考えたら見ることが怖くて、結局俯いてしまった。
シャワーヘッドから、水滴が落ちる。
「サエ」
水音が反響した──その直後に、ギルベルトは静かな声で彩瑛の名前を呼んだ。
びくり、と彩瑛の肩が揺れる。
「研究室から出てきて、真っ先にサエに会いに行こうと思った。術の完成を伝えたかったこともあるけど、一番の理由は単純に君に、会いたかったから。──だけどそのときにはもう、サエはあの世界にいなかった」
ギルベルトの言葉に彩瑛はくちびるを噛んだ。
「サエがいなくなったことを僕に伝えてくれたのは殿下だったんだ。君たちが会って話をしたことも、そのときに聞いた。そのあと店に行ったけど当然君はいなくて、代わりにあの魔女から帰ったと言われて──頭の中が真っ白になった。怒りも覚えたし、悲しくて仕方がなかったな」
思い出しながら、ひとつひとつを辿るようにギルベルトは言葉を紡ぐ。
「僕とサエでは生まれ育った環境が違う、生活も違う、そして世界が違う。元々サエの存在はイレギュラーだった。だからいなくなったとしても、君がいなかったときに戻っただけ。早く忘れてしまった方がいいと、魔女には言われた。だけど──」
腹部に回されたギルベルトの腕の力が、心なしか強くなったような気がした。
「僕の世界はサエがいたから色づいた。言ったことあったかな。君と出会う前の僕の世界には色なんてなくて、温度もなかったって」
「っ」
「サエと会わなければ、人の温かさも、食事の美味しさも、街の喧噪が意外に心地良いことも、きっと知らずに死んでいたと思う。今更いなかったときには戻れないし、何より、僕が君のことを忘れることができなかった。……泣きながらちゃんと食事を取ってと言ったときのこととか、美味しそうに食事をする姿とか、酔っぱらって口を滑らせたときのこととか、少し眠ると夢に見るのはいつもサエのことばかりで、目が覚めて君がいないことに絶望した」
ずきずきと、彩瑛の胸が痛む。
「だけど、帰ってしまった理由が僕のことを嫌いになったからではないのなら、諦める理由はない。そのことに気付いたら、もう心は決まってた。会いに行って、今度は逃がさないようにしようって」
「っん……」
無防備な項にちくりとした痛みが走り、彩瑛のくちびるから甘い声が漏れる。
肩越しに、そこへ顔を埋めるギルベルトの方に視線をやると、彼もまた彩瑛のことを見つめていた。
色は違うけれど、同じ熱の籠もった瞳に射抜かれる。
「ギ、ル──」
名前を呼んだら、ギルベルトの端正な顔が近付いてきて、言葉を奪うように口付けられた。何度も何度も、触れるだけのキスが落ちてくる。腹部を抱えていた手はいつの間にか片腕だけになっていて、空いた方の手が彩瑛の頭を支えてくれた。
「ん……ふぁ……んんっ」
触れていただけの口付けが、貪るようなものに変わっていった。僅かに開いたくちびるの間から、ギルベルトの舌が潜り込んでくる。
彩瑛は驚いて頭を引こうとしたけれど、ギルベルトの手が支えているので、逃げられない。
歯列をなぞられ、そして舌を絡め取られた。
瞳を閉じると、視界で得られる情報が少なくなる分、耳が敏感になる。浴槽の中に溜めたお湯が跳ねる水音とは別に、お互いの唾液が混ざり合う、淫靡な音が浴室中に響いた。
「……もう逃がしてあげられなくて、ごめんね?」
くちびるを離したギルベルトが、至近距離でそう囁く。
どくん、と彩瑛の心臓が跳ねた。
──ギルベルトになら、逃げ道を塞がれても嬉しいと感じている。
その証拠に、先ほどのキスの余韻にしては、顔が熱い。
言葉が出てこなくて、彩瑛は首を横に振る。腹部に回った彼の腕にそっと指先を添えると、蚊の鳴くような声で、言った。
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