AGAIN

ゆー

文字の大きさ
9 / 18
☆本編☆

ユウタの相談事

しおりを挟む
「コウ、恋ってどんな感じなんだ?」
 急にユウタに家に呼ばれて何事かと思ったコウだったが、その発言を聞いて飲んでいたオレンジジュースを吹き出してしまった。
 そう言うユウタの表情がそれまた真剣で、気管にジュースが入ったコウは咽る。
「きゅ、急にどうしたのユウタ。今流行ってる恋愛小説でも読んだのか?」
 ユウタは首を横に振った。どうやら、恋愛小説を読んだわけではないらしい。
「この前、外で初対面の女性に抱き付かれたんだ」
「ほう???」
 初対面の女性に抱き付かれるってどんな状況だよ。
王国一のソードマンともなると、過激なファンの一人や二人いるのだろうか。……戦闘者でファンがいるなんてタクマ・ライヴィス以外聞いたことがないけれど。
「それ以来、その女性のことを考えてしまうようになって……。これって恋かな?」
「あー……」
 ユウタの話を聞いて僕は頭を抱える。
 ちょろい!!ちょろいよユウタ!!
 抱き付かれただけで『好きかも!』だなんてちょろすぎるよ!僕はユウタの将来が心配になったよ!
「抱き付かれたのが衝撃的すぎて恋だと錯覚しちゃったんじゃないかな?」
「そうか、錯覚か……」
 腕を組んで考え込むユウタ。
 ……ちょっと待てよ。
 もし、ユウタがその抱き付いてきた女性に夢中になれば……ってか、ユウタに恋人ができれば、リオデレラへの過干渉、もとい僕への地味な嫌がらせが減るのでは!?
 それって、とっても好都合じゃないか!
「いや、それ、錯覚じゃないかも」
 我ながら見事な手のひら返しだ。
 いいか、人はな、自分の利益のためなら時として小悪党になれるんだよ!
「抱き付かれたとはいえ、初対面の人にそれほど心動かされるってことは、それは一目惚れだよ!」
「ひ、一目惚れ!?」
 一目惚れというワードに赤面するユウタ。
 え、ひょっとして、ユウタって恋愛耐性低い??
 そんなはずはないと思って記憶を辿ってみるが、思い浮かぶのはリオデレラの面倒をかいがいしく見るユウタだけ。
「ユウタってさ、誰かと付き合ったこととかある?」
「あるよ。高等学校で一回と、王国軍警察部隊の時に一回。どっちも半年くらいしかもたなかったなぁ」
 あるのか~。あるのにこんなにちょろいのか~。
 ユウタの恋路は僕のためにも応援するけど、幼馴染としては、ちょろすぎるのは心配だなぁ。ユウタって一応、王国の三本指の治安保安部で働いているし、玉の輿目当てのやべぇ女にたぶらかされたら困るし。
 そういえば、
「抱き付いてきた女の子の名前とか素性とか知ってる?」
「名前……そういえば名前きいてないな」
 はい、アウト~~前言撤回~~。流石にヤバそうな女相手の恋路は応援しませ~~ん。それとなく、それは恋じゃない、その人のことなんて忘れろって言ってあげなきゃ。
「あの、ユウタそれは」
「でも、素性は知ってるぞ。ダイキの双子の姉だ」
「え、それ本当?」
「本当。ダイキに似てたし、ダイキが姉さんって呼んでたし」
 ダイキの姉か~~そっかそっか。
 ダイキの姉なら大丈夫だね!!よし、ユウタの恋を応援するよ!!僕のためにも!!
「ユウタ、それは恋だよ。一目惚れだ」
「え、あ、やっぱり!?」
 よし、この調子だ。
「その女の子と会う機会を作ろう!そこで、お茶でもして距離を縮めるんだ」
「機会ってどうやって作るんだ?」
「んん~そこはダイキに協力して貰わないと」
「そうか。今度ダイキに会った時に頼んでみるよ」
「それがいいよ。最初はダイキに同席して貰ってもいいかもね」
「お茶するってなったら、何の話をすればいいかな?」
「当たり障りのない話。共通の話題とかがあればいいんだけどね」
「難しいな」
「難しいよ」
 ユウタが前向きに恋と向き合おうとしている!
 いっつも妹妹妹だったユウタが!感動ものだよ!この調子で妹離れをしてくれればいいなぁ。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

あるフィギュアスケーターの性事情

蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。 しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。 何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。 この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。 そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。 この物語はフィクションです。 実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。

ちょっと大人な物語はこちらです

神崎 未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない ちょっと大人な短編物語集です。 日常に突然訪れる刺激的な体験。 少し非日常を覗いてみませんか? あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ? ※本作品ではGemini PRO、Pixai.artで作成した生成AI画像ならびに  Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。 ※不定期更新です。 ※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

まなの秘密日記

到冠
大衆娯楽
胸の大きな〇学生の一日を描いた物語です。

同じアパートに住む年上未亡人美女は甘すぎる。

ピコサイクス
青春
大学生の翔太は、一人暮らしを始めたばかり。 真下の階に住むのは、落ち着いた色気と優しさを併せ持つ大人の女性・水無瀬紗夜。 引っ越しの挨拶で出会った瞬間、翔太は心を奪われてしまう。 偶然にもアルバイト先のスーパーで再会した彼女は、翔太をすぐに採用し、温かく仕事を教えてくれる存在だった。 ある日の仕事帰り、ふたりで過ごす時間が増えていき――そして気づけば紗夜の部屋でご飯をご馳走になるほど親密に。 優しくて穏やかで――その色気に触れるたび、翔太の心は揺れていく。 大人の女性と大学生、甘くちょっぴり刺激的な同居生活(?)がはじまる。

意味が分かると怖い話(解説付き)

彦彦炎
ホラー
一見普通のよくある話ですが、矛盾に気づけばゾッとするはずです 読みながら話に潜む違和感を探してみてください 最後に解説も載せていますので、是非読んでみてください 実話も混ざっております

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

処理中です...