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1970年代
あしたのジョー
しおりを挟む「あしたのジョー」
1970年4月1日から1971年9月29日、全79話。
アニメーション制作:虫プロダクション。
「あしたのジョー2」
1980年10月13日から1981年8月31日、全47話。
アニメーション制作:東京ムービー新社。
総監督:出崎統。
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東京・山谷のドヤ街に、ふらりと一人の少年が現われた。
矢吹丈(ジョー)と名乗るその少年に一方的にたたきのめされたアル中の元ボクサー・丹下段平は、ジョーと地元暴力団・鬼姫会の連中との乱闘から天性のボクシングセンスを見いだし、一流のボクサーに仕立て上げようと口説き始める。
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あしたのジョー2 第47話「青春はいま…燃えつきた」
第8ラウンド、ホセはジョーにコークスクリューパンチを連打し、ジョーを跪かせる。
ジョーはもうボロボロで、最後はホセに抱きつき、終了のゴングに救われる。
ジョー「強い・・・やっぱり強いや、ホセは。完璧だ。すげえボクサーだ」
段平「よそうか、ジョー?その偉大な男相手に、しかも片目だけで、こんなに立派にやったんだ。よそう。終わりにしよう」
ジョー「ダメだよ。おっつあん。俺はまだ真っ白になってねえ。・・・頼むよ、おっつあん。何にも言わねえで、やらしてくれや」
第9ラウンド開始のゴングが鳴り、ジョーはホセに滅多打ちにされる。
その姿を見かねた白木葉子は、武道館から走って出て、車で逃げようとする。
試合開始前の会話を思い出す葉子。
葉子「好きなのよ!矢吹君、あなたが」
ジョー「・・・リングで世界一の男が待っているんだ」
葉子「これからというときに逃げ出すなんて、今までの私はいつもそうだった。でも、もう逃げないわ」
武道館に車を戻す葉子。
第9ラウンド終了のゴングが鳴り、コーナーに戻ったホセ。
ホセ「ジョー・ヤブキ。彼はいったいどういうつもりなのだ。死んだりするのが、恐ろしくないのか?彼には悲しむ人間がひとりもいないのか?私は・・・私は違う。私は恐ろしい。私には愛する妻と子供たちがいるのだ。彼は違うんだ。私などとは別のタイプの男なんだ」
一方、ジョーのコーナー。
段平「もうわしの忍耐も限度を超えた。いいか、もし次のラウンドでちょいとでもよろけようもんなら、迷わずこいつを放り込むぞ」
ジョーは段平からタオルを取ると、リング下に放り投げた。
葉子はタオルを取り、段平に渡そうとしたが、わざとタオルを落とす。
葉子「もう少しじゃないの、矢吹くん。がんばるのよ!あなたがあの世界一強い男とどこまで立派に戦い抜くか、このリングの下から、しっかりと見届けさせてもらうわ」
ラウンドは進み、第13ラウンド。
ジョーはホセのパンチを顔面に何度もくらうが、倒れず、殴り返す。
ファイティングポーズをとり、鬼気迫る表情でホセに迫るジョーの目の奥に、白い炎のようなものを見た。
恐怖に駆られたホセは、叫び声を上げて、ジョーの顔面に肘打ちをし、頭を殴り続け、反則をとられる。
ホセ「私は・・・私は、いったい誰と戦っているのだ。ここにいる男は誰だ。ジョー・ヤブキ。あ~、そんなはずはない。彼は私のパンチを数限りなく浴び、とうに死んでいるはずだ。でも、現に今、こうして向かってくるこの男は、打っても、打っても向かってくるこの男は…。今、私は恐ろしい夢を見ている。おそらく私はかつて、ジョー・ヤブキと言われたボクサーの幻と、幻影と戦っているのだ。
勝てるはずがない。幻などにこの私が・・・」
ジョーの見えなくなった瞳の奥に、亡くなった力石徹の姿が映る。
最終ラウンドのゴングが鳴る。
ホセはゆっくり近づいてくるジョーにコークスクリューパンチの連打を浴びせる。
ジョーはたまらずダウンする。
葉子「矢吹くん、しっかり!そう立つのよ!今までのように、何度も何度も!そう、そうよ!矢吹くん!」
声援に応えるように、ジョーは立ち上がる。
ホセが左ストレートを打ってきたところを狙って、ジョーは得意のクロスカウンターをお見舞いする。
ウルフ金串「決まった!クロスカウンター!」
応援するドヤ街の住人、サチ、太郎、キノコ、トン吉。
ジョーは今度はトリプルクロスをホセにくらわす。
ゴロマキ権藤「出たあ!今度はトリプルクロスだ!」
最終15ラウンドの終了ゴングが鳴り響く。
ホセはセコンド陣に肩を担がれて、自分のコーナーの席に座る。
ジョーは段平と西の間に立ち、ホセを見つめる。
ジョー「燃えたよ・・・燃えつきた・・・真っ白にな・・・」
試合は終了し、レフェリーがリング上で採点カードを集めている。
ジョー「おっつあん…おっつあんよ・・・」
段平「あっ?どうした、ジョー?」
ジョー「グローブ…はずしてくれ」
段平「ああ?よしきた」
ジョー「葉子、葉子はいるか?」
葉子「ここよ、ここにいるわ、矢吹君!」
ジョー「こいつ、こいつをよ、もらってくれ・・・。あんたによ、もらってほしいんだ・・・」
はずしたばかりの血だらけのグローブを葉子の手に渡す。
そして、ジョーはリングに目をやり、静かに目を閉じる。
レフェリーは採点カードの集計結果を見て、「ホセ!」と判定を下す。
ジョーの善戦むなしく、勝者はホセ・メンドーサと判定され、レフリーがホセの左手を持ち上げる。
ホセの姿を見た観客はどよめく。
ホセの髪の毛は白髪と化し、その様相はまるで老人のようになっていた。
段平「おしかったな、ジョー。しかし、よくやったぞ。わしゃあ、もう何も言うこたあない。ほんとにようやった」
段平「ジョー・・・」
林食料品店(林屋)の一人娘、紀子。(西と結婚した)
観客たちは声を失い、次々と立ち上がり始める。
ホセに廃人にされたカーロス・リベラ。
青山 まもる達、東光特等少年院の出身者。
ゴロマキ権藤は、帽子を脱ぐ。
武道館は静寂に包まれる。
葉子は預かったグローブを思わず落としてしまう。
ジョー(燃えたよ・・・燃えつきた・・・真っ白にな・・・)
真っ白に燃え尽きたジョー、うっすらと笑みを浮かべて眠っているよう。
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声の出演
矢吹丈:あおい輝彦
丹下段平:藤岡重慶
力石徹:仲村秀生
白木葉子:田中エミ
サチ:白石冬美
キノコ:堀絢子
青山:千葉繁
カーロス・リベラ:中尾隆聖
ホセ・メンドーサ:宮村義人
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