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2010年代

SHIROBAKO

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2014年10月9日~2015年3月26日、全24話。

監督:水島努。

シリーズ構成:横手美智子。

キャラクター原案:ぽんかん⑧

アニメーションキャラクターデザイン:関口可奈味

音楽:浜口史郎。

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 武蔵野アニメーションの新人制作進行のあおいを中心として、アニメーション制作現場で起こるトラブルや、葛藤や挫折などといったアニメ業界の日常を描く群像劇。

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第24話「遠すぎた納品」

 武蔵野アニメーションではスケジュールが厳しい中、「サンジョ」最終話に関わる人々はより良い作品を作ろうと一丸になった。

制作デスクの宮森 あおい「第三飛行少女隊、最終話放映まであと三週間。皆さんの力を貸してください!!」

社長の丸川 正人「納品目指して・・・スクランブル!!」

全員「「「おー!!」」」


原画担当のアニメーター、安原絵麻「私、どうしてもやらせて貰いたいカットがあるんですけど」

3Dクリエイター、藤堂 美沙「りーちゃん、引きこみ脚の参考画像って手に入るかな・・・」

脚本家志望の大学生、今井 みどり「池袋に専門の書店があるんで、調べて送ります」


 木下 誠一監督と原作者の野亀武蔵の話し合いによって生まれたオリジナルキャラクター、キャサリンの妹・ルーシー。

 ルーシーはしずかが初めてCVを担当するキャラクターだった。

ルーシー(今、私、少しだけ夢に近づきました)

 ルーシーの登場シーンの原画を描きながら涙ぐむ絵麻。


新人声優の坂木しずか「今、私、少しだけ夢に近づきました」

 ルーシーは、しずかが初めて獲得した役だった。

 夢がかなったしずかの姿を見て、アフレコ現場でこらえきれずに涙ぐみ、必死に涙を隠すあおいだった。


あおい「V編おわりました。完パケです!」

 あおいからの連絡に歓声が上がる。

 だが、「サンジョ」最終話の制作は放映当日まで遅延した。

 首都圏3カ所、北海道、広島、神戸、上高地・・・。

 地方局に制作スタッフが直接納品する事態となる。


 総務の興津 由佳嬢はパトカーに追われながらも無事に放送局に納品する。

葛城 剛太郎ロデューサー「最終話、ただいま到着致しましたー」

 各々が無事にテープを納品することに成功する。

 帰りの新幹線の車中、あおいの心の代弁者、ファッションドールのミムジーと熊の縫いぐるみのロロがあおいに問う。

ロロ「これからどうしたいか決まった?このままアニメを作りたいのか、作りたいとしたらなぜなのか」

あおい「これからゆっくり考える?」

ロロ「甘ったれるなあ!」


 東京では最終話放送記念パーティーが開かれており、納品したスタッフもそこに合流した。

木下監督「それでは将来ムサニをしょって立つ、デスクの宮森あおいが乾杯の音頭を務めさせていただきます」

あおい「皆さん、お疲れ様でした・・・えっと・・・当たり前のことなんですけど・・・サンジョに関わってくれた方が・・・こんなに大勢なんだと知ってビックリしています」

あおい「でも物語を考えたり・・・」

あおい「キャラクターを書いたり・・・」

あおい「さらにそれを生き生きと動かしたり・・・」

あおい「それから演技や」

あおい「音楽や・・・」

あおい「もうほんと色んな人の」

あおい「いろんな力、才能が加わって下さって、サンジョが出来たんですよね」

あおい「過去からとか、別の作品や会社から受け継がれてきたこともあるわけで・・・それを含めたら、何十万人と言う人、何年、何十年という時間がつぎ込まれて・・・観てくれる人の感想や想いも全部合わさって・・・アニメは出来上がっているんだなっと」

あおい「なんかそれって、細いロウソクの火みたいなものかも知れないけど、その小さな火が次々に受け継がれて永遠に消える事の無い炎となって世界を照らすものじゃないかって・・・だから、これからもずっと人の心を明るく照らしていきたいと思います!」

あおい「ありがとうございました、これからも、よろしくお願いします。乾杯!!!」



 パーティー終盤、学生時代にアニメーションを作りたいと同じ夢を見た五人は「ドーナツの誓い」を新たにするのだった。

「なんか不思議だよね。だって、5人揃ってるんだよ、ここに」

「私たちは」

「これからも精一杯」

「アニメを作り続けることを」

「誓いま」

「す!」

「どんどんドーナツどーんと行こう!」




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 昔、「アニメーション制作進行くろみちゃん」という「制作進行」の女性が主人公で、アニメ制作現場を舞台にしたアニメがありました。

 アニメ制作のきついスケジュールやアニメーターの苦しい制作環境、作画崩壊がなぜ起こるのかといったアニメ業界の問題点をコメディタッチで描いたアニメでした。

「SHIROBAKO」の時代になってもアニメ業界は何も変わっていません。

 アニメ大国と言われる日本ですが、個々の創作者の情熱と才能だけではいつまでも支えられないでしょう。

「昔の日本は世界一のアニメ大国だったなあ」と往時を懐かしむ時代がやってこないことを願います。

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声の出演

宮森あおい:木村珠莉

安原絵麻:佳村はるか

坂木しずか:千菅春香

藤堂美沙:髙野麻美

今井みどり:大和田仁美
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