89 / 95
2010年代
四畳半神話大系
しおりを挟む原作:森見登美彦。
監督:湯浅政明。
シリーズ構成:上田誠。
脚本:湯浅政明、上田誠。
キャラクターデザイン:中村佑介(原案)、伊東伸高。
音楽:大島ミチル。
2010年4月~7月、全11話。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
京都の大学に通う、誇り高き三回生の「私」。
薔薇色のキャンパスライフを夢見ながらも現実はほど遠く、実り少ない二年間が過ぎようとしていた。
悪友の小津には振り回され、謎の自由人・樋口師匠には無理な要求をされ、孤高の乙女・明石さんとは、なかなかお近づきになれない。
いっそのこと、ぴかぴかの一回生に戻って大学生活をやり直したい!
もし、あの運命の時計台前で、ほかの道を選んでいれば——迷い込んだ不思議な並行世界で繰り広げられる、不毛と愚行の青春奇譚。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
第11話「四畳半紀の終わり」
前回第10話 「四畳半主義者」で、どこまでも四畳半が続く平行世界から抜け出せなくなった「私」。
この「私」は四畳半の部屋に引きこもっていたが、並行世界の他の「私」の部屋には、「私」が謳歌しているそれぞれのキャンパスライフの痕跡があった。
「私」は無限に続く四畳半の世界から脱出しようとをさまよう。
ある時、「私」の宿敵であり盟友の小津が忘れていったスマホを見つける。
小津は、去年、五山の送り火を見ることができずに泣いてしまったガールフレンドの小日向さんのために、飛行船を盗んで送り火観賞の遊覧飛行を計画していたのだった。
私「恐ろしいほどの純愛。肝の据わったアホである」
私「八面六臂の大活躍で己のキャンパスライフを謳歌しながら、全ての私にちょっかいを出し続ける。こんな男に出会っていれば私のキャンパスライフは楽しいものになったであろう。小津は、たった一人の『私』の親友らしかった・・・」
涙ぐむ「私」。
2か月間、無限に続く四畳半の世界から脱出しようとをさまよったあげく、再び最初の部屋に戻ってきてしまった「私」。
絶望する「私」。
私「不毛と思われた日常はなんと豊穣な世界だったのか。ありもしないものばかり夢見て自分の足元さえ見てなかったのだ。これは私が選んだ人生。私が望んだ結果である」
「私」は、元の自分の部屋に吊るされたもちぐまを見て、明石さんの事を思い出す。
古本市で出会った明石さんに一目ぼれした事を。
「私」はようやく自分の気持ちに素直になった。
コインランドリーでなぜか洗濯した「私」のボクサーパンツの代わりに洗濯機に入っていた白いもちぐま。
私「彼女を探そうと思えばできたはずだ。いつだって私はその一歩を踏み出せずにいた」
そして占い婆の言っていた「好機」がなんであったのか、ようやく理解する。
占い婆「漫然とせず、好機を思い切ってつかまえてごらんなさいまし」
私「今なら踏み出せる。何十歩でも、何百歩でも!」
その時、蛾の大群が現れ、逃げ出す「私」。
「私」はようやく四畳半世界から抜け出せた。
外はなぜか2ヶ月以上前に終わったはずの五山送り火の日であった。
そして、第1話と同じく、賀茂大橋の欄干の上に追い詰められる女装した小津。
私「小津ーーー!!!」
小津「はぁ?」
怪訝そうな顔の小津。
この世界の「私」は小津と面識はないのだ。
小津のピンチに「私」はブライドも、何もかも全て脱ぎ捨てて駆け出す。
小津「あんた誰ですか?」
私「私だ!小津!」
小津「裸じゃないですか!?」
私「俺に任せろ! 身を挺してお前をかばってやる!!」
結局、蛾の大群に巻き込まれ、橋から落ちて足を骨折した小津は、救急車で運ばれる。
一方、蛾が大の苦手で「ぎょええええ」と震えている明石さん。
その明石さんの手に、ようやくもちぐまを返した「私」。
私「よければ、猫ラーメンを食べに行きませんか?」
明石さん「はい、なぜだか私はずっとその一言を待っていたような気がします」
「私」はようやく好機をつかむ事ができたのだ。
仲良く屋台の猫ラーメンを食する二人。
私「成就した恋ほど語るに値しないものは無い」
後日談。
城ヶ崎先輩は「香織」と名付けたラブドールと仲睦まじく暮らす。
樋口師匠と羽貫さんは2人で世界一周の旅に出た。
ちなみに、樋口師匠、羽貫さん、城ヶ崎さんと猫ラーメン店主は大学の同回生だった。
「私」と明石さんは、骨折で入院した小津のお見舞いに行く。
小津「なぜ私にそんなに興味を持つんです?」
私「俺なりの愛だ」
小津「そんな汚いものいりません!!」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
基本1話完結で「もしあのサークルに入っていれば」というパラレルワールドを何度も繰り返す「私」。
「バラ色のキャンパスライフなんて存在しないのだ。なぜなら世の中はバラ色ではない。実に雑多な色をしているからね」
ああすれば良かった、こうすれば良かったかと後悔する「私」は最後は誰とも関わりを持たずに四畳半の世界に閉じ込められてしまいます。
第10話は「私」以外の人物が登場しないので「私」役の浅沼晋太郎さんが一人だけで延々喋る続けるという異色な回でした。
最後まで見て初めて面白さがわかるアニメです。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
声の出演
「私」:浅沼晋太郎
明石さん:坂本真綾
小津:吉野裕行
樋口清太郎:藤原啓治
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
13
1 / 4
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる