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1970年代
勇者ライディーン
しおりを挟む世界中で天変地異が始まった。
古代からの脅威、妖魔帝国が甦った。
その中、ムー帝国の血を引く少年、ひびき洸(あきら)は謎の声が導かれ、ムー帝国の守護神『ライディーン』と出会う。
妖魔帝国の目的である悪魔世紀の復活を阻止するため、ライディーンにフェードインした洸は、選ばれた勇者として
ライディーンと共に戦う決意をする。
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原作:鈴木良武
監督:富野喜幸、長浜忠夫
キャラクターデザイン:安彦良和
メカニックデザイン:村上克司、スタジオぬえ
1975年4月4日~1976年3月26日、全50話
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第50話「輝け!不死身のライディーン」
N「ついに、バラオは立った。悪魔世紀の復活を夢見て、ムートロンを手に入れんものと。
今、己の全魔力を駆使してライディーン打倒を目指して進む!」
街が次々に津波に飲み込まれ、さらに地上に竜巻が吹き荒れる。
バラオ「1人残らず、皆殺しにしてやる!」
未来工学研究所ムトロポリスではひびき洸や猿丸たちが必死に分析にあたっている。
洸「猿丸、どこから攻撃しているか、まだわからんのか!?」
猿丸「──あった、これだ! 南南東400キロの地点です。今、スクリーンに映します!」
レムリア(洸の母)「バラオです。あの影は、バラオに違いありません!」
一郎(洸の父)「ついに来たか……」
洸「バラオめ!」
海上に鬼の顔をした不気味な島が姿を現す。
洸「あぁっ…… あれがバラオの島か!?」
レムリア「溶岩島……!」
と、洸が駆け出す。
一郎「あ、洸!?」
洸「バラオは俺が倒す!父さん、母さん、勘弁してくれ!俺が死んでも、バラオの息の根は止めてみせる!」
レムリア「あの子は、バラオの力を知っても戦おうというのです。この私に、ラ・ムーの星を使わせまいとして……」
一郎「レムリア……」
レムリア「さようなら…… 短い間でしたけど、幸せでした。私には、あの子を見殺しにはできません!」
レムリアが研究所から出てゆく。
洸の乗ったライディーンがバラオに立ち向かう。
バラオの姿はライディーンをはるかに上回る巨体である。
バラオ「ワハハハハ! お前のために滅びた一族の怨み、今日こそ晴らしてやる!!」
洸「でかい、確かにでかい!」
バラオが火炎を吐きかけるがライディーンはそれをかわして反撃にでる。
洸「ジェットブーメラン!」
洸「ゴッドミサイル!」
ライディーンが次々に武器を繰り出すが一向に通用しない。
洸「ゴッドバ──ド・チェ──ンジ!!稲妻殺法!行くぞ!!」
ライディーンがゴッドバードになるが逆にバラオの魔力に吹っ飛ばされ炎に包まれる。
バラオ「ワハハハハ!」
洸「わああぁぁ──っ!!」
レムリアが巨大な人面岩の前に立っている。
レムリア「偉大なるムーの王者ラ・ムーよ!勇者ライディーンに王の救いを!黄泉の魔族を撃ち滅ぼし、地に永久とわの光を与えられん!ラ・ムーの星よ!ラ・ムーの星よ!」
レムリアが祈ると海中からムー帝国の古代船が出現する。
船の中からムー帝国の象徴であるラ・ムーの星が姿を現す。
レムリア「ラ・ムーの星、ライディーンへ!!」
ラ・ムーの星から放たれた光が海面を照らす。
レムリア「洸、早く脱出を!光の輪の中心へ!光の輪の中心へ!」
洸「いけない、母さん!いけなーい!」
レムリア「命令です!ラ・ムーの命令です!母の命令です!!」
洸が泣きながらライディーンで光の中心を目指す。
水しぶきを上げ海が真っ二つに割れてゆく。
一郎「海が、念動力で!?」
洸「か、母さん……、一体!?」
バラオ「これがラ・ムーの星の力か!?」
バラオが攻撃を放つが地面から光の壁が立ち昇り攻撃を阻む。
バラオ「ぐわぁぁっ!」
光と共に海底が砕け、地中に眠っていたムー文明の遺跡群が共に姿を現す。
洸「ああっ、あの輝き!ム、ムートロンだ!!」
レムリアが力を使い果たし、倒れる。
バラオ「おぉっ!な、何という光だ!?」
マリ「あっ、ライディーンが!?」
ムートロンの輝きを浴びたライティーンが、バラオに匹敵する体躯へと巨大化してゆく。
洸「こ、これがムートロンの力か!?これが!?」
レムリア「ムートロンの力を一時借りたのです……。早く!も、元の姿に戻らぬ内に……、バラオを……」
洸「母さん……!くッ!行くぞぉぉっ!!」
バラオ「黙れ!小癪なぁ!!」
超巨体となったライディーンはバラオと互角の戦いを演じる。
洸「ビッグスピン!」
洸「ゴッドミサイル!」
バラオ「ぐわぁぁっ!」
洸「見たか、バラオ!とどめだ!ゴッドバード・チェ──ンジ!!」
ライディーンがゴッドバードに変形する。
だがバラオの放った光球が命中し、ゴッドバードは炎に包まれて海に没する。
バラオ「ワハハハハ! 勝負は最後の最後までわからぬものよ。……むっ!?」
海に没したゴッドバードが、海底から溶岩島の下部を掘り進み、バラオの元から飛び立つ。
溶岩島から炎が吹き上がり、バラオが炎に呑まれてゆく。
バラオ「があぁぁ──っ!!」
洸「バラオの最期か……」
だが、炎の中から不気味な触手が伸び、ライディーンの足を捕える。
洸「うぉっ! 何だ、これは!?」
バラオが炎の中から姿を現す。
下半身は樹木の生えた臓物のような不気味な姿。
ライディーンの足を捕えたものはその下半身から無数に伸びる触手であった。
洸「これがバラオの正体か!」
バラオ「死ねぇい!」
バラオが2本の剣を振るうがライディーンは必死に堪える。
洸「ゴッドミサイル!」
洸「ゴッドバード・チェ──ンジ!!」
バラオ「おのれぇい!」
ライディーンがゴッドバードに変形するが、バラオの触手がゴッドバードを締め上げる。
動きを封じられたゴッドバードにバラオが2本の剣を叩きつける。
洸「うわぁぁ──っ! ゴッド……」
バラオ「命、貰ったぁ!!」
洸「アルファァ──っっ!!」
バラオ「何ぃっ!?」
念動光線ゴッドアルファが炸裂する。
ゴッドバードが触手を引きちぎり、飛び立つ。
バラオ「ライディーンめぇ!」
洸「バラオめぇ!!」
ゴッドバードの突撃が、バラオの下半身を貫く。
洸「ゴッドサンダァァ──!!」
強烈な稲妻がバラオの巨体をさらに撃ち砕く。
洸「行くぞ、バラオ!!」
バラオも渾身の力で2本の剣を投げつけ、ゴッドバードの両肩に剣が突き刺さる。
洸「ぐぅわぁぁっ!!」
だが、なおもゴッドバードはバラオの下半身目がけて体当たりする。
ゴッドバードが胴体を貫いてゆく。
突き刺さったままのバラオの剣がバラオ自身の体を引き裂いてゆく。
バラオ「がぁああぁぁ──っっ!」
大きく斬り裂かれたバラオが、断末魔の叫びと共に大爆発。
ついにバラオを倒したものの、洸の顔に笑顔はない。
人面岩のレムリアのもとに、一郎たちや荒磯たち。
一郎がレムリアを抱き上げる。
一郎「レムリア、しっかりしろ! レムリア!」
レムリア「ライディーンが…… 洸が、来る……」
アッちゃん「洸!」
巨大化の解けたライディーンが降り立ち、洸が地上に降り立つ。
洸「か、母さん!」
一郎「洸。母さんはな、ライディーンに勝ってもらうために、持てる力のすべてを使い切ってしまったんだよ」
一郎がレムリアを洸の腕の中へ預ける。
レムリア「洸……」
洸「か、母さん……」
レムリア「バラオは……?」
洸「勝ちましたよ。母さんのおかげで勝ったんだよ!」
レムリアが、微かに笑顔を見せる。
レムリア「ムートロンを大切に……。平和のために使うのですよ……」
洸「母さん!」
レムリア「あぁっ……!」
洸「母さん!」
レムリア、事切れる。
洸「母さん、死んじゃいけない! 母さん!? 母さぁん! わぁぁ──っ!!」
古代船が降りて来る。
レムリアの体が宙に浮き古代船に積まれる。
洸「母さん…… 母さぁん! 母さぁ──ん!」
皆が涙をためた目で見つめる中、古代船はゆっくりと夕陽の彼方へと飛び去って行く。
一郎「母さんはな、我々の知らないムーの国へ戻って行くのだ」
洸「ムーの国へ……」
久造「そうじゃ。母さんはそこでまた、きっと甦るのじゃ!」
洸「また……」
一郎「洸。また明日から忙しくなるぞ。戦いは終わったが、まだ我々には山ほど仕事が残っている。新しい街を作り、ムートロンを全人類のために役立てるのだ」
泣き終えた洸が、力強く頷く。
一郎「今度はライディーンがムートロン・エネルギーの中継基地として、ラ・ムーの星とともに役立ってくれるのだ!」
レムリアの消えた海を洸たちはいつまでも見つめ続ける。
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「ライディーン」という名称は元々は江戸時代の力士「雷電爲右エ門」=「雷電」をもじった物です。
「雷電」の響きはカッコいいので色々と使われています。
イエロー・マジック・オーケストラの曲とか帝国陸軍の戦闘機とかアーケードのシューティングゲームとかゲームのキャラクターとか。
このアニメの後でも内容はあんまり関係ないのに「超者ライディーン」とか「REIDEEN」とかのアニメのタイトルになりました。
ちなみにガンダムで有名な富野由悠季、安彦良和の二人はこのアニメが初めてのロボットアニメだったそうです。
お仮面をつけた金髪の少年プリンス・シャーキンという美形の悪役が登場しますが、彼こそが美形悪役の始祖で仮面は後にシャア・アズナブルに引き継がれました。
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声の出演
ひびき洸:神谷明
ひびき一郎:村越伊知郎
レムリア姫:日比野美佐子
神宮寺力:井上真樹夫
プリンス・シャーキン:市川治
バラオ:滝口順平
応援ありがとうございます!
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