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19 教会で
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マルチネス王国からの使節団が教会に入った。
目立たないよう、ありのままを静かに視察したいと言う希望なので、歓迎式典は行われなかった。
一行の一人、サクラと名乗る騎士が判定の記録を見たいと希望した。
「そうですね、十五年前、十六年前あたりと最初に見たいですね」と言うサクラの言葉で司祭は思い出した。
魔力なしが出たのがその頃だ。司祭は余計なことを言わずにサクラを図書館の記録庫に案内した。
サクラは丁寧に記録を調べ始めた。司祭は
「どうぞごゆっくり、わたし共に気を使わずに」と言うと出て行った。
司祭が出て行ったのを確認したサクラは、自動でページをめくり始めて見つけた。
レベッカの魔力なしの記録を。
そしてサクラはその前後を調べて、あの時、すぐに連絡が途絶えた理由がわかった。
おかしいと思ったのだ。いくら反対側にいたとしても・・・
レベッカの今の状況を見てから、これをどう扱うか決めればいい。
サクラは図書館を見てまわり、「緑の書」の原典を見つけた。
仕掛けていたのだ。
「緑の書」はいきなり三ページから始まる。一ページと二ページを探そうとする集団が現れては消える。
サクラは記録庫の最初の一冊にそれを挟んだ。
そして、入口に控えていた護衛に司祭を呼ぶように言った。
「サクラ様、お呼びですか?」と司祭が入って来た。
目線は机の上の記録簿を見てからサクラに移った。
「これが」とサクラが小声で言うと自然と司祭が近づいて来た。
そっとページをめくった。
「これは?」と司祭も小声になった。
「どうぞ、見てください。あっそっと慎重に」と言うサクラの声に従って司祭はそれをそっと取り上げた。
そして息を飲んだ。
「これは?」と言う司祭に
「そうです」とサクラは答えた。その声に勇気付けられた司祭は
「見つかったのですか?」
「気になる記録がありましたので、最初から調べたら最初のものに・・・神のご意志ですね。ただ、ご意志は複雑で全部は直接でないとわからないでしょう。先ず見つかったことを祝いましょう」
「輪廻は物事の根源だ。神であるわたしでさえそれにふれることはかなわない」
「それの名前をつけたのはレベッカだ。レベッカはサクラと名付けた。
サクラはレベッカに長く仕えた。ずっとご一緒だと願った。
輪廻を超えて追いかけた。
ずっと探した。必ず出会える。サクラは知っている」
謎だったページが見つかったことは、教会からひっそりと発表された。
とりあえず、原典だけが発表された。これを読めるものは少ないが、各地の教会で写しが展示された。
正式な翻訳は後日の発表になる。
レベッカの通う学院でも翻訳文を募った。この国の教会で見つかったのだ。翻訳文も採用されれば名誉となる。
レベッカは原典をみて、驚いた。サクラと言う名前にこころあたりがあるからだ。
レベッカは、最近読み始めた書籍から、記憶がどんどんよみがえっている。
王室や貴族社会の足の引っ張り合い。その知識から行くとレベッカが個人で翻訳文を出しても、学院が握りつぶす可能性があると思った。
それで自習時間にクラスで翻訳をすることにした。
大まかな訳はレベッカが作り、言葉をみなで選ぶのだ。
全員が、原典。レベッカの直訳文を持っている。
やり始めると面白くなったらしく、「緑の書」の原典を買い込んだものまで現れた。
広く普及している翻訳版と原典を読み比べる。疑問点を質問すればレベッカが丁寧に説明してくれる。
はまったものには最高の学びとなった。そして全員がはまったのだ。
目立たないよう、ありのままを静かに視察したいと言う希望なので、歓迎式典は行われなかった。
一行の一人、サクラと名乗る騎士が判定の記録を見たいと希望した。
「そうですね、十五年前、十六年前あたりと最初に見たいですね」と言うサクラの言葉で司祭は思い出した。
魔力なしが出たのがその頃だ。司祭は余計なことを言わずにサクラを図書館の記録庫に案内した。
サクラは丁寧に記録を調べ始めた。司祭は
「どうぞごゆっくり、わたし共に気を使わずに」と言うと出て行った。
司祭が出て行ったのを確認したサクラは、自動でページをめくり始めて見つけた。
レベッカの魔力なしの記録を。
そしてサクラはその前後を調べて、あの時、すぐに連絡が途絶えた理由がわかった。
おかしいと思ったのだ。いくら反対側にいたとしても・・・
レベッカの今の状況を見てから、これをどう扱うか決めればいい。
サクラは図書館を見てまわり、「緑の書」の原典を見つけた。
仕掛けていたのだ。
「緑の書」はいきなり三ページから始まる。一ページと二ページを探そうとする集団が現れては消える。
サクラは記録庫の最初の一冊にそれを挟んだ。
そして、入口に控えていた護衛に司祭を呼ぶように言った。
「サクラ様、お呼びですか?」と司祭が入って来た。
目線は机の上の記録簿を見てからサクラに移った。
「これが」とサクラが小声で言うと自然と司祭が近づいて来た。
そっとページをめくった。
「これは?」と司祭も小声になった。
「どうぞ、見てください。あっそっと慎重に」と言うサクラの声に従って司祭はそれをそっと取り上げた。
そして息を飲んだ。
「これは?」と言う司祭に
「そうです」とサクラは答えた。その声に勇気付けられた司祭は
「見つかったのですか?」
「気になる記録がありましたので、最初から調べたら最初のものに・・・神のご意志ですね。ただ、ご意志は複雑で全部は直接でないとわからないでしょう。先ず見つかったことを祝いましょう」
「輪廻は物事の根源だ。神であるわたしでさえそれにふれることはかなわない」
「それの名前をつけたのはレベッカだ。レベッカはサクラと名付けた。
サクラはレベッカに長く仕えた。ずっとご一緒だと願った。
輪廻を超えて追いかけた。
ずっと探した。必ず出会える。サクラは知っている」
謎だったページが見つかったことは、教会からひっそりと発表された。
とりあえず、原典だけが発表された。これを読めるものは少ないが、各地の教会で写しが展示された。
正式な翻訳は後日の発表になる。
レベッカの通う学院でも翻訳文を募った。この国の教会で見つかったのだ。翻訳文も採用されれば名誉となる。
レベッカは原典をみて、驚いた。サクラと言う名前にこころあたりがあるからだ。
レベッカは、最近読み始めた書籍から、記憶がどんどんよみがえっている。
王室や貴族社会の足の引っ張り合い。その知識から行くとレベッカが個人で翻訳文を出しても、学院が握りつぶす可能性があると思った。
それで自習時間にクラスで翻訳をすることにした。
大まかな訳はレベッカが作り、言葉をみなで選ぶのだ。
全員が、原典。レベッカの直訳文を持っている。
やり始めると面白くなったらしく、「緑の書」の原典を買い込んだものまで現れた。
広く普及している翻訳版と原典を読み比べる。疑問点を質問すればレベッカが丁寧に説明してくれる。
はまったものには最高の学びとなった。そして全員がはまったのだ。
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