3 / 30
第3話 召喚とか・・・ふざけてる 聖女目線
しおりを挟む
躑躅林マリカ。これは芸名みたいな本名だ。つつじばやし・まりかと読む。
わたしは客観的に言うと恵まれた環境に生まれた。お金持ちいや、大富豪の両親のもとに生まれた。二人はわたしが十八の時、旅行先で事故に合い死んだ。
母は美人で父は母を溺愛していた。母は自分に似ずに地味なわたしを寄せ付けなかった。むしろ母の妹の娘の琴子のほうを可愛がっていた。
莫大な財産のおかげで両親は二人で旅行ばかりしていたが、母は琴子におみやげをたくさん買って来た。それを渡すからと琴子を家に呼んでお茶したが、その席で母はため息をつきながら
「はぁどうしてうちの子は地味で面白みがないのかしら・・・琴子さんとマリカを神様が取り違えちゃったのね」と言うのが常だった。
琴子は
「いやだぁ、伯母様ったらマリカちゃんの良さってわかる人にはわかるんですよ。わたしなんて顔だけ・・・ちやほやされるだけ・・・つまんないわ」とちらちらわたしを見ながら答えていた。
年に二回ある一族の会合でも母はわたしをけなし、琴子を褒めた。
「そうでも、ほんと琴子さんに全部譲りたいわ。琴子さんなら地位にふさわしい振る舞いができるでしょ。それに比べてうちの子は・・・・あれ?どこにいるの?」とわざとキョロキョロして
「影が薄いよね」と言ってまわりが笑うとそばにいるわたしを見て
「やだ。そばにいたのね。全然気付かなかった」と言った。
わたしにはなにをしてもいいと思う親戚、知人をそれはたくさん作ってくれた。
意外にもわたしを慰めてくれたのは琴子だった。
「マリカちゃん、いつか必ずマリカちゃんの良さをわかる人が増えるから、わたしはその第一号よ」
会う度に琴子ちゃんはそう言っていた。
そして先程も言った通り、旅先で両親は事故に合い、あっけなく死んだ。わたしが十八の時だ。
二人が持っていた全ての物がわたしの物になった。
わたしは、子供の頃から計画していたことがあった。両親が死んだということは早く実行できるということだ。
二人が死んでもわたしの生活はほとんど変わらなかった。引きこもりの陰気な女だもの。
財産の管理は両親が頼んでいた弁護士さんにこれまでと同じにすべて任せて、わたしは使うだけで良かった。お金を上手に使う。両親がわたしに唯一きちんとしつけたことだ。従姉の琴子がこう言った。
「マリカ、お金持ちに生まれておおらかなのはいいけど、まかせっきりなのは良くないよ」
誤解してる人が多い。親しい琴子でも誤解している。
「まかせっきりじゃないよ。毎年福祉に寄付してるし、いくら寄付するかはわたしが決めてるよ」と反論すると
「はぁ寄付とか・・・どれくらいお嬢様なの。まぁいいわ。来週うちで友達が集まるから、おいでよ。少しは世間を知りなさい」と威張って言われてしまった。
そしてその集まりでわたしは、涼介と出会ったのだ。涼介はわたしが躑躅林と知ってびっくりしていたが、それだけだった。
そしてわたしが、ほとんど引きこもりだと知って驚いた。
「だって、そんだけお金があればキラキラした生活できるでしょ。やらないの?」と不思議そうに言った。
「キラキラは親を見てておなかいっぱいだからね。あんまり興味がなくて、母の服とかバッグとかキラキラしてるし・・・着心地がいいのは部屋着にしてる。イタリアのものはすごくいいよ。ただのジャージがシルクだったり、コードュロイがカシミアだったり、そういうのって意外と丈夫で洗濯機でも洗えたりするしね。いや、逆かな、洗濯機が優秀なのかな?失敗しても家にあるものはタダだから惜しくないし」と言うとはーとため息をついて
「ほんとのお嬢さんってすごい。怖い。ってその靴クロコ?」
「うん。クロコが一番軽いしね。これで作らせると職人も喜ぶし、技術が上がるんだって。そうすると次はもっといいのが出来てくるしね。履きやすいのが一番だから」と言うと
「はーーーどうしよう。デートに誘いたいと思ったけど、世界が違う」
そこに琴子がやって来て
「なに話していたの?楽しそうだったよ」と言った。
「楽しくないよ。僕の自信が粉々にうちくだかれたの。これでも資産家の息子なんだけど」と涼介はふらふらと立ち上がった。
「もう、帰る」と言うと去って行った。
「なにがあったの?」と琴子が言うので
「わからない」と答えた。
それから車を呼んで貰って家に戻った。
翌日、わたしは前から考えていたことを弁護士さんに相談した。
「法律的には問題ないですよ。ですが、ご両親から頼まれております立場上反対です」
「そうだと思うけど、わたし個人でこんなにお金はいらないし・・・社会のために使いたいの」と言うと
「弁護士として依頼されたことはやりますが」としぶしぶ返事を貰った。
そんなある日琴子が遊びに来た。
「マリカ、聞いて、涼介くんが悩んでいてね」
「悩むって?」
「マリカと付き合いたいけど自信がなくなったって。いいやつなんだよ」
琴子の言葉が本当だった。
琴子が彼を連れて来る形で彼とデートをして、親しくなった。わたしは彼を信頼して愛した。
わたしの計画を打ち明けると、彼は賛成した。
「よかった。これで財産目当てじゃないって言える」そう言った涼介に抱きついた。そしてわたしからキスをした。
「結婚しよう」の言葉にわたしは即座にうなずいた。
結婚する涼介の為にともだちがホテルでパーティをすると言うのでその部屋で結婚届に署名した。証人の一人は涼介のお父様。もう一人はもちろん琴子。
そして、財産を寄付する書類に署名した。涼介はその書類にキスをして、満面の笑みでわたしを見た。
明日、二人で提出しに行く。今夜はこのままこのホテルの部屋で、涼介はパーティをするのでわたしは自宅に戻る。
タクシーが走り出して、バスルームにメイク道具のポーチを置いたままだったのに気づいた。独身男性が集まる部屋にその種の私物を置いたままなんてありえない。わたしは引き返した。
まだ、時間はある部屋に戻ってなかに入ると違和感があった。この香り!これ?琴子?
心臓の音が聞こえないように静かに呼吸をした。絨毯が音を吸収するけど、靴を脱いだ。そっとリビングを見た。
誰もいない・・・最初からそこを行くつもりだったように寝室に向かった。
ベッドに横になった二つのふくらみが話していた。
「悪い人ね」
「同じだよ」
「それにしてもあの財産を投げ捨てるとか・・・」
「捨てるんじゃないわよ。寄付よ」と琴子が言うと
「確かに・・・だけど。俺ならもっと楽しく使える。有効に使える」
「書類は大丈夫なのよね」と琴子が言うと
「もちろん、あの弁護士も仲間だよ」と涼介が言った。
「あの女、大嫌い」と琴子が吐き捨てると
「困ったな、おれの奥さんだよ」
「奥さんにしないといけないのよね」
「結婚して財産を共有する必要があるからね」
見つめ合ったふくらみは、キスをした。何度も。それからお互いの服を脱がせるとことを始めた。
わたしはそれを録画した。ちゃんと画面を見ながら、顔を重点的に写した。意味深な足の交差映像なんかどうでもいい。大事なのは個人が特定できることだ。
わたしの仕業とばれる? ふん平気よ。お金が守ってくれるから・・・
寄付するのは公の部分。会社関係よ。いけすかない親族が働いているところよ・・・
部屋を出るとすぐにSNSに上げた。
普通なら親にちくって叱って貰うんだろうが、あいにくとわたしは孤児だ。だから社会に訴えた。
結婚届をとりだすと二つに裂いた。その半分をそのままくずかごに捨てた。署名欄はばっちり読める。誰かの気晴らしになるといいけど・・・
それから役所に行くと寄付の書類を提出した。
ついでに結婚届の半分をシュレッダーにかけて貰った。
騙されるなんてわたしも馬鹿だけど、ばれるなんて間抜けだ。だけど悲しい・・・好きだったのに・・・利用された・・・世界なんて嫌いだ・・・崩れろ・・・
そこで白い光が出て・・・新しい世界もきっとわたしを利用するんだ・・・崩れろ・・・
わたしは客観的に言うと恵まれた環境に生まれた。お金持ちいや、大富豪の両親のもとに生まれた。二人はわたしが十八の時、旅行先で事故に合い死んだ。
母は美人で父は母を溺愛していた。母は自分に似ずに地味なわたしを寄せ付けなかった。むしろ母の妹の娘の琴子のほうを可愛がっていた。
莫大な財産のおかげで両親は二人で旅行ばかりしていたが、母は琴子におみやげをたくさん買って来た。それを渡すからと琴子を家に呼んでお茶したが、その席で母はため息をつきながら
「はぁどうしてうちの子は地味で面白みがないのかしら・・・琴子さんとマリカを神様が取り違えちゃったのね」と言うのが常だった。
琴子は
「いやだぁ、伯母様ったらマリカちゃんの良さってわかる人にはわかるんですよ。わたしなんて顔だけ・・・ちやほやされるだけ・・・つまんないわ」とちらちらわたしを見ながら答えていた。
年に二回ある一族の会合でも母はわたしをけなし、琴子を褒めた。
「そうでも、ほんと琴子さんに全部譲りたいわ。琴子さんなら地位にふさわしい振る舞いができるでしょ。それに比べてうちの子は・・・・あれ?どこにいるの?」とわざとキョロキョロして
「影が薄いよね」と言ってまわりが笑うとそばにいるわたしを見て
「やだ。そばにいたのね。全然気付かなかった」と言った。
わたしにはなにをしてもいいと思う親戚、知人をそれはたくさん作ってくれた。
意外にもわたしを慰めてくれたのは琴子だった。
「マリカちゃん、いつか必ずマリカちゃんの良さをわかる人が増えるから、わたしはその第一号よ」
会う度に琴子ちゃんはそう言っていた。
そして先程も言った通り、旅先で両親は事故に合い、あっけなく死んだ。わたしが十八の時だ。
二人が持っていた全ての物がわたしの物になった。
わたしは、子供の頃から計画していたことがあった。両親が死んだということは早く実行できるということだ。
二人が死んでもわたしの生活はほとんど変わらなかった。引きこもりの陰気な女だもの。
財産の管理は両親が頼んでいた弁護士さんにこれまでと同じにすべて任せて、わたしは使うだけで良かった。お金を上手に使う。両親がわたしに唯一きちんとしつけたことだ。従姉の琴子がこう言った。
「マリカ、お金持ちに生まれておおらかなのはいいけど、まかせっきりなのは良くないよ」
誤解してる人が多い。親しい琴子でも誤解している。
「まかせっきりじゃないよ。毎年福祉に寄付してるし、いくら寄付するかはわたしが決めてるよ」と反論すると
「はぁ寄付とか・・・どれくらいお嬢様なの。まぁいいわ。来週うちで友達が集まるから、おいでよ。少しは世間を知りなさい」と威張って言われてしまった。
そしてその集まりでわたしは、涼介と出会ったのだ。涼介はわたしが躑躅林と知ってびっくりしていたが、それだけだった。
そしてわたしが、ほとんど引きこもりだと知って驚いた。
「だって、そんだけお金があればキラキラした生活できるでしょ。やらないの?」と不思議そうに言った。
「キラキラは親を見てておなかいっぱいだからね。あんまり興味がなくて、母の服とかバッグとかキラキラしてるし・・・着心地がいいのは部屋着にしてる。イタリアのものはすごくいいよ。ただのジャージがシルクだったり、コードュロイがカシミアだったり、そういうのって意外と丈夫で洗濯機でも洗えたりするしね。いや、逆かな、洗濯機が優秀なのかな?失敗しても家にあるものはタダだから惜しくないし」と言うとはーとため息をついて
「ほんとのお嬢さんってすごい。怖い。ってその靴クロコ?」
「うん。クロコが一番軽いしね。これで作らせると職人も喜ぶし、技術が上がるんだって。そうすると次はもっといいのが出来てくるしね。履きやすいのが一番だから」と言うと
「はーーーどうしよう。デートに誘いたいと思ったけど、世界が違う」
そこに琴子がやって来て
「なに話していたの?楽しそうだったよ」と言った。
「楽しくないよ。僕の自信が粉々にうちくだかれたの。これでも資産家の息子なんだけど」と涼介はふらふらと立ち上がった。
「もう、帰る」と言うと去って行った。
「なにがあったの?」と琴子が言うので
「わからない」と答えた。
それから車を呼んで貰って家に戻った。
翌日、わたしは前から考えていたことを弁護士さんに相談した。
「法律的には問題ないですよ。ですが、ご両親から頼まれております立場上反対です」
「そうだと思うけど、わたし個人でこんなにお金はいらないし・・・社会のために使いたいの」と言うと
「弁護士として依頼されたことはやりますが」としぶしぶ返事を貰った。
そんなある日琴子が遊びに来た。
「マリカ、聞いて、涼介くんが悩んでいてね」
「悩むって?」
「マリカと付き合いたいけど自信がなくなったって。いいやつなんだよ」
琴子の言葉が本当だった。
琴子が彼を連れて来る形で彼とデートをして、親しくなった。わたしは彼を信頼して愛した。
わたしの計画を打ち明けると、彼は賛成した。
「よかった。これで財産目当てじゃないって言える」そう言った涼介に抱きついた。そしてわたしからキスをした。
「結婚しよう」の言葉にわたしは即座にうなずいた。
結婚する涼介の為にともだちがホテルでパーティをすると言うのでその部屋で結婚届に署名した。証人の一人は涼介のお父様。もう一人はもちろん琴子。
そして、財産を寄付する書類に署名した。涼介はその書類にキスをして、満面の笑みでわたしを見た。
明日、二人で提出しに行く。今夜はこのままこのホテルの部屋で、涼介はパーティをするのでわたしは自宅に戻る。
タクシーが走り出して、バスルームにメイク道具のポーチを置いたままだったのに気づいた。独身男性が集まる部屋にその種の私物を置いたままなんてありえない。わたしは引き返した。
まだ、時間はある部屋に戻ってなかに入ると違和感があった。この香り!これ?琴子?
心臓の音が聞こえないように静かに呼吸をした。絨毯が音を吸収するけど、靴を脱いだ。そっとリビングを見た。
誰もいない・・・最初からそこを行くつもりだったように寝室に向かった。
ベッドに横になった二つのふくらみが話していた。
「悪い人ね」
「同じだよ」
「それにしてもあの財産を投げ捨てるとか・・・」
「捨てるんじゃないわよ。寄付よ」と琴子が言うと
「確かに・・・だけど。俺ならもっと楽しく使える。有効に使える」
「書類は大丈夫なのよね」と琴子が言うと
「もちろん、あの弁護士も仲間だよ」と涼介が言った。
「あの女、大嫌い」と琴子が吐き捨てると
「困ったな、おれの奥さんだよ」
「奥さんにしないといけないのよね」
「結婚して財産を共有する必要があるからね」
見つめ合ったふくらみは、キスをした。何度も。それからお互いの服を脱がせるとことを始めた。
わたしはそれを録画した。ちゃんと画面を見ながら、顔を重点的に写した。意味深な足の交差映像なんかどうでもいい。大事なのは個人が特定できることだ。
わたしの仕業とばれる? ふん平気よ。お金が守ってくれるから・・・
寄付するのは公の部分。会社関係よ。いけすかない親族が働いているところよ・・・
部屋を出るとすぐにSNSに上げた。
普通なら親にちくって叱って貰うんだろうが、あいにくとわたしは孤児だ。だから社会に訴えた。
結婚届をとりだすと二つに裂いた。その半分をそのままくずかごに捨てた。署名欄はばっちり読める。誰かの気晴らしになるといいけど・・・
それから役所に行くと寄付の書類を提出した。
ついでに結婚届の半分をシュレッダーにかけて貰った。
騙されるなんてわたしも馬鹿だけど、ばれるなんて間抜けだ。だけど悲しい・・・好きだったのに・・・利用された・・・世界なんて嫌いだ・・・崩れろ・・・
そこで白い光が出て・・・新しい世界もきっとわたしを利用するんだ・・・崩れろ・・・
194
あなたにおすすめの小説
敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています
藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。
結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。
聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。
侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。
※全11話 2万字程度の話です。
聖女の任期終了後、婚活を始めてみたら六歳の可愛い男児が立候補してきた!
澤谷弥(さわたに わたる)
恋愛
23歳のメルリラは、聖女の任期を終えたばかり。結婚適齢期を少し過ぎた彼女は、幸せな結婚を夢見て婚活に励むが、なかなか相手が見つからない。原因は「元聖女」という肩書にあった。聖女を務めた女性は慣例として専属聖騎士と結婚することが多く、メルリラもまた、かつての専属聖騎士フェイビアンと結ばれるものと世間から思われているのだ。しかし、メルリラとフェイビアンは口げんかが絶えない関係で、恋愛感情など皆無。彼を結婚相手として考えたことなどなかった。それでも世間の誤解は解けず、婚活は難航する。そんなある日、聖女を辞めて半年が経った頃、メルリラの婚活を知った公爵子息ハリソン(6歳)がやって来て――。
聖女解任ですか?畏まりました(はい、喜んでっ!)
ゆきりん(安室 雪)
恋愛
私はマリア、職業は大聖女。ダグラス王国の聖女のトップだ。そんな私にある日災難(婚約者)が災難(難癖を付け)を呼び、聖女を解任された。やった〜っ!悩み事が全て無くなったから、2度と聖女の職には戻らないわよっ!?
元聖女がやっと手に入れた自由を満喫するお話しです。
傷物の大聖女は盲目の皇子に見染められ祖国を捨てる~失ったことで滅びに瀕する祖国。今更求められても遅すぎです~
たらふくごん
恋愛
聖女の力に目覚めたフィアリーナ。
彼女には人に言えない過去があった。
淑女としてのデビューを祝うデビュタントの日、そこはまさに断罪の場へと様相を変えてしまう。
実父がいきなり暴露するフィアリーナの過去。
彼女いきなり不幸のどん底へと落とされる。
やがて絶望し命を自ら断つ彼女。
しかし運命の出会いにより彼女は命を取り留めた。
そして出会う盲目の皇子アレリッド。
心を通わせ二人は恋に落ちていく。
王家を追放された落ちこぼれ聖女は、小さな村で鍛冶屋の妻候補になります
cotonoha garden
恋愛
「聖女失格です。王家にも国にも、あなたはもう必要ありません」——そう告げられた日、リーネは王女でいることさえ許されなくなりました。
聖女としても王女としても半人前。婚約者の王太子には冷たく切り捨てられ、居場所を失った彼女がたどり着いたのは、森と鉄の匂いが混ざる辺境の小さな村。
そこで出会ったのは、無骨で無口なくせに、さりげなく怪我の手当てをしてくれる鍛冶屋ユリウス。
村の事情から「書類上の仮妻」として迎えられたリーネは、鍛冶場の雑用や村人の看病をこなしながら、少しずつ「誰かに必要とされる感覚」を取り戻していきます。
かつては「落ちこぼれ聖女」とさげすまれた力が、今度は村の子どもたちの笑顔を守るために使われる。
そんな新しい日々の中で、ぶっきらぼうな鍛冶屋の優しさや、村人たちのさりげない気遣いが、冷え切っていたリーネの心をゆっくりと溶かしていきます。
やがて、国難を前に王都から使者が訪れ、「再び聖女として戻ってこい」と告げられたとき——
リーネが選ぶのは、きらびやかな王宮か、それとも鉄音の響く小さな家か。
理不尽な追放と婚約破棄から始まる物語は、
「大切にされなかった記憶」を持つ読者に寄り添いながら、
自分で選び取った居場所と、静かであたたかな愛へとたどり着く物語です。
聖女の力を姉に譲渡し国を出て行った元聖女は実は賢者でした~隣国の後宮で自重せずに生きていこうと思います~
高井繭来
恋愛
サイヒ・レイラン・フワーラはカカン王国の公爵令嬢であり国の安寧を護る【聖女】であった。
婚約者はカカン国の王太子ローズ。
だがローズが愛しているのはサイヒの双子の姉のマーガレットであった。
そしてマーガレットもまたローズに恋心を抱いていた。
シスコンのサイヒは自らの【聖女】の能力をマーガレットに授け、自らはローズとの婚約を白紙に戻し、マーガレットとローズとの婚約を結ばせる。
慈愛溢れるマーガレットと妹の様に大切にしてくれたローズが自分の存在のせいで苦しまないよう、サイヒは自ら国を出る事を決意する。
そしてサイヒが第2の人生を送ろうと決めた場所は隣国の皇太子の後宮であった。
【聖女】の力を渡したと言ってもサイヒの法力は0.5%程減っただけ。
法力だけでなく魔力も宿す【賢者】としての能力をこれからは隠すことなく気のままに生きる事を決めたサイヒ。
自国じゃないならはっちゃけても良いですよね?
サイヒは【賢者】としての能力を思う存分奮ってこれからの生活をエンジョイすると意気込むのであった。
※世界観は大陸の西が中世ヨーロッパ風・東がアジア風です。
舞台となる帝国は大陸のど真ん中なのでどっちの要素も良い感じに混じっています。
題名が変わりました(*- -)(*_ _)ペコリ
6/18 HOTランキング1位。
ランキング3位。
読んでくださった皆様のおかげです。
感謝感謝です(人''▽`)ありがとう☆
7/25
【聖女として召喚されたのは双子の兄妹でしたー聖女である妹のオマケである兄は国王の小姓となって王都復興を目指しますー】が始まりました。
このお話の1000年前のカカン国の話です。
良かったらそちらも覗いてみて下さいね(*- -)(*_ _)ペコリ
7/29
聖女が今日もウザいですー男として育てられた公爵家の令嬢は聖女の侍女として第2の人生を歩み始めましたーが始まりました。
こちらの物語とリンクております。
その内アチラのキャラがこちらに出演する予定です。
サイヒの友人がわりとサイヒの事を呟いていたりします。
4/17
新連載【顔を焼かれ妹に荒野に捨てられた公爵令嬢、力を得て皇太子の護衛として王国へと帰還する】と話がリンクしています。
良ければそちらも覗いてやって下さい(*- -)(*_ _)ペコリ
5/15
本編完結といたしました。
姉の名前を”マーガレット”に変更しております。
本編は完結しましたがお話はまだ続いております。
2022/10/19
2章始まりました。
良ければまたお付き合いください。
乙女ゲームのヒロインが純潔を重んじる聖女とか終わってません?
ララ
恋愛
私は侯爵令嬢のフレイヤ。
前世の記憶を持っている。
その記憶によるとどうやら私の生きるこの世界は乙女ゲームの世界らしい。
乙女ゲームのヒロインは聖女でさまざまな困難を乗り越えながら攻略対象と絆を深め愛し合っていくらしい。
最後には大勢から祝福を受けて結婚するハッピーエンドが待っている。
子宝にも恵まれて平民出身のヒロインが王子と身分差の恋に落ち、その恋がみのるシンデレラストーリーだ。
そして私はそんな2人を邪魔する悪役令嬢。
途中でヒロインに嫉妬に狂い危害を加えようとした罪により断罪される。
今日は断罪の日。
けれど私はヒロインに危害を加えようとしたことなんてない。
それなのに断罪は始まった。
まあそれは別にいいとして‥‥。
現実を見ましょう?
聖女たる資格は純潔無垢。
つまり恋愛はもちろん結婚なんてできないのよ?
むしろそんなことしたら資格は失われる。
ただの容姿のいい平民になるのよ?
誰も気づいていないみたいだけど‥‥。
うん、よく考えたらこの乙女ゲームの設定終わってません??
妹に裏切られた聖女は娼館で競りにかけられてハーレムに迎えられる~あれ? ハーレムの主人って妹が執心してた相手じゃね?~
サイコちゃん
恋愛
妹に裏切られたアナベルは聖女として娼館で競りにかけられていた。聖女に恨みがある男達は殺気立った様子で競り続ける。そんな中、謎の美青年が驚くべき値段でアナベルを身請けした。彼はアナベルをハーレムへ迎えると言い、船に乗せて隣国へと運んだ。そこで出会ったのは妹が執心してた隣国の王子――彼がこのハーレムの主人だったのだ。外交と称して、隣国の王子を落とそうとやってきた妹は彼の寵姫となった姉を見て、気も狂わんばかりに怒り散らす……それを見詰める王子の目に軽蔑の色が浮かんでいることに気付かぬまま――
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる