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第14話 花嫁衣装
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白ってこんなに種類があるんだ。そう思った。そして分厚い布。薄いひらひらした布。
これって一日で決められるの?そうか、結婚式ってこういう特別な時間を過ごした二人が行き着く場所なんだ。侍女も布を嬉しそうにみているし服飾の人も楽しそうだし、見せてくれるときも品物へ愛情があることがよくわかる。
そしてトニーも布を肩に当てたわたしを見て、違いがわかる顔をするのが面白い。
なんとか三つ選んだ。それからそれぞれの布地でデザインを描いて貰うことにして今日はお開き。
希望は腕を肘まで隠すってことだけ・・・三日後に来ますってことで帰って行った。
トニーが
「マリカ、装身具も宝石商に来て貰うけど」と言うので、
「こちらは誕生石とかあります?」と聞くと
「誕生石?いや、聞いたことがない」と言うので
「わかりました。結婚式は真珠って言うのがあちらの習慣ですが」と言うと
「わかった、持って来て貰おう」
「嬉しいわ」と笑いあったが、後ろで侍女長が引きつっていたらしい。
かなりあとで知ったが、こちらは真珠の養殖ってなに?だったので、真珠は非常にお高い物だそうで・・・
それはそれは知識不足で・・・申し訳ないこって・・・
その後侍女長を呼んで小間使いと言うか侍女を二人ほど欲しいと言った。すると
「侍女は少ないです。戦争もありましたし、女主人がいませんでしたので、わたくしも探してますが侍女は、全員貴族でして王妃様に仕えにくそうで、それに先日のガーベラの件で侍女の力不足が露呈しましたし・・・王妃様につりあう平民の侍女を探しております」とそれはそれは丁寧に答えてくれた。
「そうですか。侍女長として励んで下さい。成果に期待しております」と薄笑いをこれみよがしみ浮かべて、これって薄笑いと言わないかな?と労ってあげた。
退出する侍女長の膝を結んだ糸を短くしてやった。もうおまえはカーテシーが出来ない体だ。ぎこちない歩き方で部屋を出て行く侍女長に向かって中指を立てている自分を想像した。
侍女長の不機嫌をよそにわたしの結婚式は大成功だった。
神殿から出て馬車に乗り、手を振った。得意のアドレナリンを振りまきながら、王宮まで回り道で戻り、バルコニーで、手を振った。かねて練習していたパワポ魔法で小さな花を作り群衆に振りかけた。残念ながら実体がないのよ・・・次の機会に期待よ・・・
その後、主だった貴族と会食して一日が終わった。
夜、準備をすませて部屋で待っているとトニーがやって来た。
情けないことに、わたしは眠くて眠くてトニーを見ると安心してその胸に持たれた。
次に気が付くと朝だった。
目が覚めるとトニーが腕枕をしてわたしを見ていた。いきなりの大写しにびっくりしたわたしを
「ひどいなぁ・・・びっくりするなんて。約束通り君を守っていたのに」とトニーは言うと
「残念ながら起きよう。ちょっと小細工」と言って枕元の置いてあった短刀で指を切ってシーツに垂らした。
「ごめん、眠っちゃって」と言いながら指に回復をかけた。
「こちらこそ、ありがとう」とトニーはわたしを抱きしめた。
真ん中にある夫婦の寝室を出るとわたしは自分の部屋で着替えた。
それから真ん中の部屋で戻るとトニーも戻って来ていた。ベッドは綺麗に整えられていた。
わたしたちは、二人だけのリビングに行ってそこに用意された朝食を取った。
食事があちらとあまり変わらないってところは、ほんと、褒めてやりたい。そうじゃなかったら・・・
オムレツはわたしの好みより少し柔らかい。次はもっと火を入れて貰おう。
野菜サラダは美味しい。向こうで言うところの自家製野菜ってことになるかな?
食事がすむとお茶を飲みながら、トニーと話をした。
「侍女がいないと、王妃として整わないから二人程、そばに置いてくれ。午後一緒に面接をしよう」とトニーが決まり悪そうに言った。わたしはちょっとの間、黙ってトニーの顔を見た。
「わかりましたけど、侍女長は今、仕込んでいる最中だとか言ってましたが・・・」
「あの、侍女長も悪い女じゃ、ないんだ。任せるに足る女だ。その聖女に対して熱心のあまり・・・マリカに含むところがあるんじゃないんだ。それはわかって欲しい。侍女はある程度まで仕込んだそうだ。あとはマリカが好きに仕込めばいいだろう」
「なるほど、そういうことですね」とにっこり笑うとトニーは安心したように
「そうなんだよ。なんだマリカのほうが大人だね」と言うと
「それはそうと庭園が綺麗だそうだ。一緒に散歩しよう」と腕を差し出した。
散歩は楽しかった。二人きりでこんなに長く過ごしたのは久しぶりだった。
午後はトニーと一緒に侍女の面接をした。侍女長の息がかかってないってことはないだろうが、そこは目を瞑って二人選んだ。ラベンダーとミント。
夕食前の着替えから二人の世話になった。身の回りの世話をさせるには充分だった。
これって一日で決められるの?そうか、結婚式ってこういう特別な時間を過ごした二人が行き着く場所なんだ。侍女も布を嬉しそうにみているし服飾の人も楽しそうだし、見せてくれるときも品物へ愛情があることがよくわかる。
そしてトニーも布を肩に当てたわたしを見て、違いがわかる顔をするのが面白い。
なんとか三つ選んだ。それからそれぞれの布地でデザインを描いて貰うことにして今日はお開き。
希望は腕を肘まで隠すってことだけ・・・三日後に来ますってことで帰って行った。
トニーが
「マリカ、装身具も宝石商に来て貰うけど」と言うので、
「こちらは誕生石とかあります?」と聞くと
「誕生石?いや、聞いたことがない」と言うので
「わかりました。結婚式は真珠って言うのがあちらの習慣ですが」と言うと
「わかった、持って来て貰おう」
「嬉しいわ」と笑いあったが、後ろで侍女長が引きつっていたらしい。
かなりあとで知ったが、こちらは真珠の養殖ってなに?だったので、真珠は非常にお高い物だそうで・・・
それはそれは知識不足で・・・申し訳ないこって・・・
その後侍女長を呼んで小間使いと言うか侍女を二人ほど欲しいと言った。すると
「侍女は少ないです。戦争もありましたし、女主人がいませんでしたので、わたくしも探してますが侍女は、全員貴族でして王妃様に仕えにくそうで、それに先日のガーベラの件で侍女の力不足が露呈しましたし・・・王妃様につりあう平民の侍女を探しております」とそれはそれは丁寧に答えてくれた。
「そうですか。侍女長として励んで下さい。成果に期待しております」と薄笑いをこれみよがしみ浮かべて、これって薄笑いと言わないかな?と労ってあげた。
退出する侍女長の膝を結んだ糸を短くしてやった。もうおまえはカーテシーが出来ない体だ。ぎこちない歩き方で部屋を出て行く侍女長に向かって中指を立てている自分を想像した。
侍女長の不機嫌をよそにわたしの結婚式は大成功だった。
神殿から出て馬車に乗り、手を振った。得意のアドレナリンを振りまきながら、王宮まで回り道で戻り、バルコニーで、手を振った。かねて練習していたパワポ魔法で小さな花を作り群衆に振りかけた。残念ながら実体がないのよ・・・次の機会に期待よ・・・
その後、主だった貴族と会食して一日が終わった。
夜、準備をすませて部屋で待っているとトニーがやって来た。
情けないことに、わたしは眠くて眠くてトニーを見ると安心してその胸に持たれた。
次に気が付くと朝だった。
目が覚めるとトニーが腕枕をしてわたしを見ていた。いきなりの大写しにびっくりしたわたしを
「ひどいなぁ・・・びっくりするなんて。約束通り君を守っていたのに」とトニーは言うと
「残念ながら起きよう。ちょっと小細工」と言って枕元の置いてあった短刀で指を切ってシーツに垂らした。
「ごめん、眠っちゃって」と言いながら指に回復をかけた。
「こちらこそ、ありがとう」とトニーはわたしを抱きしめた。
真ん中にある夫婦の寝室を出るとわたしは自分の部屋で着替えた。
それから真ん中の部屋で戻るとトニーも戻って来ていた。ベッドは綺麗に整えられていた。
わたしたちは、二人だけのリビングに行ってそこに用意された朝食を取った。
食事があちらとあまり変わらないってところは、ほんと、褒めてやりたい。そうじゃなかったら・・・
オムレツはわたしの好みより少し柔らかい。次はもっと火を入れて貰おう。
野菜サラダは美味しい。向こうで言うところの自家製野菜ってことになるかな?
食事がすむとお茶を飲みながら、トニーと話をした。
「侍女がいないと、王妃として整わないから二人程、そばに置いてくれ。午後一緒に面接をしよう」とトニーが決まり悪そうに言った。わたしはちょっとの間、黙ってトニーの顔を見た。
「わかりましたけど、侍女長は今、仕込んでいる最中だとか言ってましたが・・・」
「あの、侍女長も悪い女じゃ、ないんだ。任せるに足る女だ。その聖女に対して熱心のあまり・・・マリカに含むところがあるんじゃないんだ。それはわかって欲しい。侍女はある程度まで仕込んだそうだ。あとはマリカが好きに仕込めばいいだろう」
「なるほど、そういうことですね」とにっこり笑うとトニーは安心したように
「そうなんだよ。なんだマリカのほうが大人だね」と言うと
「それはそうと庭園が綺麗だそうだ。一緒に散歩しよう」と腕を差し出した。
散歩は楽しかった。二人きりでこんなに長く過ごしたのは久しぶりだった。
午後はトニーと一緒に侍女の面接をした。侍女長の息がかかってないってことはないだろうが、そこは目を瞑って二人選んだ。ラベンダーとミント。
夕食前の着替えから二人の世話になった。身の回りの世話をさせるには充分だった。
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