今更、いやですわ   【本編 完結しました】

朝山みどり

文字の大きさ
8 / 48

06 結婚式の準備 1

しおりを挟む
二回目です


ロザモンドの結婚の準備は侯爵夫人も城へ来てもらって二人で準備してもらった。エリザベートは一度目で懲りたのだ。疲れ果てたあげくの・・・・・もうごめんだ。


ロザモンドは城に来る時に侍女を二人連れて来ているし、王宮からの侍女もいる、侯爵夫人も二人連れて来ているし、人手は足りているのだ。

式もパレードもその後の夜会も国の行事なので、文官が取り仕切る。ロザモンドは結婚衣装を整える程度でいいはずなのだが、教会に飾る花の色の希望を出し、次に種類の希望を出し、それを変えてと言うのを繰り返す。侍女に伝言させるが混乱している文官が気の毒だ。

結婚衣装もレースをどれにするか毎日悩んでいる。一度つけたのをつけかえるのを既に二度やっている。

侯爵夫人は侍女を寄越して手伝うように言って来るが、忙しさを理由に断っている。



そんなある日、とうとう侯爵夫人はエリザベートの執務室にやって来た。

「エリザベートなにを考えているの妹の結婚式より大切なものはないわ。メンドーサ王家の一員としても」

都合のいい事に王妃殿下の侍女がそこにいた。王妃殿下はエリザベートに仕事を押し付けようとしていたのだ。文官もいた。こちらも彼女に仕事を押し付けようとしているのだ。


「姉として妹を大事にできないなんて、そんなの後にしてすぐにいらっしゃい」侯爵夫人はそういうと出て行った。

一緒に来た侍女はいつもの侮蔑の笑いをうかべてエリザベートを見ると夫人の後を追った。

「みなさまがいて良かったですわ。普段だとぶたれてますもの」と言うと先ず文官の書類をパラパラ見て、

「これは宰相の分・・・・これはあなたがたの分ですね」と突き返した。

その中の一枚は結婚式のパレードで沿道に向かって投げる花の予算案だ。前回は費用が予算の十倍に膨れ上がり、各方面からエリザベートが非難されたのだ。ロザモンドも、

「お姉様が良いと言ったから」とか言い出してエリザベートの立場は完全になくなったのだ。まったくごめんだ。

『宰相さん通したいならご自分で』とエリザベートは帰って行く文官の背に言った。


王妃付きの侍女は文官とエリザベートの会話を聞いて、書類を渡せずに帰って行った。


それからエリザベートは、キャリーをロザモンドの所に行かせた。

侍女のケイトを迎えに行かせたのだ。ケイトに着替えさせて貰わないとロザモンドの部屋にこの格好で行けない。

いや、行けるけど、行かない。


ロザモンドの部屋には、結婚式の衣装の刺繍の図案の四回目の打ち合わせで縫製責任者のディング子爵夫人が来ていた。

それと、もう一人沿道に花を植えたプランターを置くのは、無理だと説明する為に文官が来ていた。彼の顔の隈はくっきりと黒かった。

侯爵夫人とロザモンドは髪型を決める為に何度も髪を結ってはほどき、結ってはほどきしている所だった。

そこにキャリーが来た。

「なんですってお姉さまから・・・もうほんとに・・・早く言いなさい」とロザモンドが喚いた。

「はい、侍女のケイトさん、着替えをするから戻って来てと言うことです」

「どうしてケイトが戻るの?」とロザモンドが言うと

「エリザベート様の侍女だからだと思います」とキャリーが答えた。

それを聞いた侯爵夫人は思い出した。エリザベートが自分に侍女がいないと言ったことを・・・・

ケイトはずっとここにいた。主人であるエリザベートに仕えていない。知っていながら放置していた。自分の落ち度に夫人は気がついた。

あの縫製責任者も怪訝な顔をしている。

侍女をつけずに嫁がせた恥ずかしい家と思われてしまう。

ケイトは昔から、実家の侯爵家にいる頃から、ずっとエリザベートの侍女なのだ。

「すぐ戻りなさい」と侯爵夫人が言うと

「ロザモンド様の髪はわたくしが一番上手に結えます」とケイトが言った。



「エリザベート様には実家からの侍女がいないようですね。よろしければ助手をお貸しします。着付けくらいできますわ」とディング子爵夫人が言うと侯爵夫人が返事をする前に

「お願いします。わたしは着付けがまだ出来なくて」とキャリーが返事をした。

「エミリー、エリザベート妃殿下のお手伝いへ行って」エミリーはうなづくとキャリーについて部屋を出た。



着替え終わったエリザベートがロザモンドの部屋に到着する前に、新手のうわさが広がり始めた。

セントクレア侯爵家では、長女のエリザベートには形ばかりケイトをいう侍女をつけていたが、ケイトは侯爵夫人の意向を汲んで次女のロザモンドについていた。

結婚後も第二妃の世話は一切せず、ロザモンドのそばで働いている。もちろん、侯爵夫人はそれを知っていると言うものだ。



しおりを挟む
感想 178

あなたにおすすめの小説

公爵令嬢を虐げた自称ヒロインの末路

八代奏多
恋愛
 公爵令嬢のレシアはヒロインを自称する伯爵令嬢のセラフィから毎日のように嫌がらせを受けていた。  王子殿下の婚約者はレシアではなく私が相応しいとセラフィは言うが……  ……そんなこと、絶対にさせませんわよ?

婚約破棄が国を亡ぼす~愚かな王太子たちはそれに気づかなかったようで~

みやび
恋愛
冤罪で婚約破棄などする国の先などたかが知れている。 全くの無実で婚約を破棄された公爵令嬢。 それをあざ笑う人々。 そんな国が亡びるまでほとんど時間は要らなかった。

悪役断罪?そもそも何かしましたか?

SHIN
恋愛
明日から王城に最終王妃教育のために登城する、懇談会パーティーに参加中の私の目の前では多人数の男性に囲まれてちやほやされている少女がいた。 男性はたしか婚約者がいたり妻がいたりするのだけど、良いのかしら。 あら、あそこに居ますのは第二王子では、ないですか。 えっ、婚約破棄?別に構いませんが、怒られますよ。 勘違い王子と企み少女に巻き込まれたある少女の話し。

勝手にしなさいよ

恋愛
どうせ将来、婚約破棄されると分かりきってる相手と婚約するなんて真っ平ごめんです!でも、相手は王族なので公爵家から破棄は出来ないのです。なら、徹底的に避けるのみ。と思っていた悪役令嬢予定のヴァイオレットだが……

愚か者が自滅するのを、近くで見ていただけですから

越智屋ノマ
恋愛
宮中舞踏会の最中、侯爵令嬢ルクレツィアは王太子グレゴリオから一方的に婚約破棄を宣告される。新たな婚約者は、平民出身で才女と名高い女官ピア・スミス。 新たな時代の象徴を気取る王太子夫妻の華やかな振る舞いは、やがて国中の不満を集め、王家は静かに綻び始めていく。 一方、表舞台から退いたはずのルクレツィアは、親友である王女アリアンヌと再会する。――崩れゆく王家を前に、それぞれの役割を選び取った『親友』たちの結末は?

悪役令嬢が残した破滅の種

八代奏多
恋愛
 妹を虐げていると噂されていた公爵令嬢のクラウディア。  そんな彼女が婚約破棄され国外追放になった。  その事実に彼女を疎ましく思っていた周囲の人々は喜んだ。  しかし、その日を境に色々なことが上手く回らなくなる。  断罪した者は次々にこう口にした。 「どうか戻ってきてください」  しかし、クラウディアは既に隣国に心地よい居場所を得ていて、戻る気は全く無かった。  何も知らずに私欲のまま断罪した者達が、破滅へと向かうお話し。 ※小説家になろう様でも連載中です。  9/27 HOTランキング1位、日間小説ランキング3位に掲載されました。ありがとうございます。

アルバートの屈辱

プラネットプラント
恋愛
妻の姉に恋をして妻を蔑ろにするアルバートとそんな夫を愛するのを諦めてしまった妻の話。 『詰んでる不憫系悪役令嬢はチャラ男騎士として生活しています』の10年ほど前の話ですが、ほぼ無関係なので単体で読めます。

幼馴染みの婚約者が「学生時代は愛する恋人と過ごさせてくれ」と言ってきたので、秒で婚約解消を宣言した令嬢の前世が、社畜のおっさんだった件。

灯乃
ファンタジー
子爵家の総領娘である令嬢の前に、巨乳美少女と腕を組んだ婚約者がやってきた。 曰く、「学生時代くらいは、心から愛する恋人と自由に過ごしたい。それくらい、黙って許容しろ」と。 婚約者を甘やかし過ぎていたことに気付いた彼女は、その場で婚約解消を宣言する。 前半はたぶん普通の令嬢もの、後半はおっさんコメディーです。

処理中です...