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第27話 四公爵
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王宮に着いて馬車から降りた。デイビス、アレク、ラズベリーと降りて最後にアレクのエスコートでアリスが降りる。
アリスが降りると待っていた王宮の侍従が頭を下げて
「先ず、休憩できるお部屋にご案内致します」と言った。
「頼む。静かであろうな」とデイビスが言うと
「はい」とだけ返事か返って来た。
「アリス様、御髪を少し直しましょう」とラズベリーが二人を見ながら言うと二人は隣の部屋へ退散した。
その部屋でそわそわ落ち着かないアレクを見てデイビスは
「大丈夫ですよ。気に入ってくれます」
「だけど・・・もっと大きい方が良かったかな」と言うと
「アリスにはあの大きさが一番ですよ」とデイビスが呆れた顔を隠さずに言った。
「お待たせしました。用意が出来ました」と言うラズベリーに伴われてアリスが戻って来た。
「アレク様、ありがとうございます。この服装によく合いますし、わたくしの目の色も入っていて・・・本当にありがとうございます」と言った。
アリスの耳には上から金の珠、アリスの目の色の緑の宝石、そしてアレクの目の色の紺色の宝石が連なったピアスが下がっていた。宝石は多面体にカットしてあり金の珠も同じにカットされていた。
首にはピアスと同じ紺色の宝石のネックレスが付けられている。
これには、アリスには内緒だが、合わせて使えるように豪華な金の鎖とそれに下げられる大きな紺色の宝石が既に準備されている。
「似合うな。それにして良かった」とアレクは言葉少なに答えた。
アリスがいらないと言った時の為に
「頑張ったご褒美だ」とか「報告書の出来が良かった」とか考えていたがアリスが素直に喜んでくれてアレクも嬉しくて言葉が出なかったのだ。
その間にアリスのそばに行ったデイビスが
「アリスは紺色が似合いますね。きりっとなりますね」と褒め
「ほんとうに肌を引き立てますね」と言うラズベリーの言葉にアレクはなにやら胸がドキドキして来た。
『どうした。子供みたいに・・・いつも冷静なアレク様。どうしたんだ・・・お前はもう、いい年だぞ』
アレクは自分に言い聞かせた。するとアレクは意図しなかったが、しわが眉間に出来た。
その顔のまま、一行は案内された部屋に入った。
部屋で待っていたのは、国王夫妻。王太子。メイナード侯爵夫妻。四公爵家。
テーブルの三面に座っていた彼らは一行が部屋に入ると立ち上がって頭を下げた。
皇弟の身分は明かしているが、両国は公式には対等。きちんと儀礼に則った礼で迎えられた。
軽く頭を下げたアレクに倣ってアリスとデイビスも頭を下げた。
アレクとアリスは席に着いたがデイビスが後ろに立った。
アレクの目を見た侯爵は『黒ではなく紺色だったのか』と思った。
「随分と人がいますね。アリスの無事を家族に見せて手続きをする為と連絡したはずですが、どこで行き違ったのでしょうか?」とデイビスが言うと
四公爵を代表する形でスペーダ公爵が
「アリス様におわびをしたくて無理を申しました」と言った。
「そう、それならどうぞ」とデイビスが言った。
「ハトン公爵家のマイルスと申します。当主は体調を崩しておりますので、嫡男のわたくしが参りました。公爵家の責任を果たさずに申し訳ありません」
「はい。伺いました。公爵閣下はピクニックではお元気そうでしたのに」とアリスはにこやかに言った。
マイルスは居心地悪そうに小さくなったが無言で下がった。
「クラーブ公爵です。お詫びに参りました。公爵家の責任を果たさずアリス様にご迷惑をおかけしました。申し訳ありません」
「はい。伺いました。国王陛下がやらなくていいとおっしゃったのでしたね」とアリスが返した。
緊張と沈黙は痛いほど鋭く、うっかりすると手を切りそうだった。
その中で
「ダイナ公爵家のギルバードです。公爵家の責任を蔑ろにしてしまい申し訳ありません。当主は体調を崩してしまいまして、わたくしが参りました」
「はい。伺いました。お祖父様をピクニックでお見かけしました。わたくしは取り込んでご挨拶ができませんでしたが。笑っておられましたのに」
最後にスペーダ公爵が真っ青な顔に汗を滲ませて
「スペーダです。今回は責任を果たさず申し訳ありません」と言った所をアリスが遮って
「随分、楽しまれたようでなによりです。夫人はわたくしを見てわーーと笑ってましたよ。いいお仲間に恵まれてなによりです。カーラ様を大切になさって下さいませ」と無表情に言った。
デイビスはアリスの方に身を屈め言葉を交わすと
「公爵の皆さんは退出して下さい」と言った。
アリスが降りると待っていた王宮の侍従が頭を下げて
「先ず、休憩できるお部屋にご案内致します」と言った。
「頼む。静かであろうな」とデイビスが言うと
「はい」とだけ返事か返って来た。
「アリス様、御髪を少し直しましょう」とラズベリーが二人を見ながら言うと二人は隣の部屋へ退散した。
その部屋でそわそわ落ち着かないアレクを見てデイビスは
「大丈夫ですよ。気に入ってくれます」
「だけど・・・もっと大きい方が良かったかな」と言うと
「アリスにはあの大きさが一番ですよ」とデイビスが呆れた顔を隠さずに言った。
「お待たせしました。用意が出来ました」と言うラズベリーに伴われてアリスが戻って来た。
「アレク様、ありがとうございます。この服装によく合いますし、わたくしの目の色も入っていて・・・本当にありがとうございます」と言った。
アリスの耳には上から金の珠、アリスの目の色の緑の宝石、そしてアレクの目の色の紺色の宝石が連なったピアスが下がっていた。宝石は多面体にカットしてあり金の珠も同じにカットされていた。
首にはピアスと同じ紺色の宝石のネックレスが付けられている。
これには、アリスには内緒だが、合わせて使えるように豪華な金の鎖とそれに下げられる大きな紺色の宝石が既に準備されている。
「似合うな。それにして良かった」とアレクは言葉少なに答えた。
アリスがいらないと言った時の為に
「頑張ったご褒美だ」とか「報告書の出来が良かった」とか考えていたがアリスが素直に喜んでくれてアレクも嬉しくて言葉が出なかったのだ。
その間にアリスのそばに行ったデイビスが
「アリスは紺色が似合いますね。きりっとなりますね」と褒め
「ほんとうに肌を引き立てますね」と言うラズベリーの言葉にアレクはなにやら胸がドキドキして来た。
『どうした。子供みたいに・・・いつも冷静なアレク様。どうしたんだ・・・お前はもう、いい年だぞ』
アレクは自分に言い聞かせた。するとアレクは意図しなかったが、しわが眉間に出来た。
その顔のまま、一行は案内された部屋に入った。
部屋で待っていたのは、国王夫妻。王太子。メイナード侯爵夫妻。四公爵家。
テーブルの三面に座っていた彼らは一行が部屋に入ると立ち上がって頭を下げた。
皇弟の身分は明かしているが、両国は公式には対等。きちんと儀礼に則った礼で迎えられた。
軽く頭を下げたアレクに倣ってアリスとデイビスも頭を下げた。
アレクとアリスは席に着いたがデイビスが後ろに立った。
アレクの目を見た侯爵は『黒ではなく紺色だったのか』と思った。
「随分と人がいますね。アリスの無事を家族に見せて手続きをする為と連絡したはずですが、どこで行き違ったのでしょうか?」とデイビスが言うと
四公爵を代表する形でスペーダ公爵が
「アリス様におわびをしたくて無理を申しました」と言った。
「そう、それならどうぞ」とデイビスが言った。
「ハトン公爵家のマイルスと申します。当主は体調を崩しておりますので、嫡男のわたくしが参りました。公爵家の責任を果たさずに申し訳ありません」
「はい。伺いました。公爵閣下はピクニックではお元気そうでしたのに」とアリスはにこやかに言った。
マイルスは居心地悪そうに小さくなったが無言で下がった。
「クラーブ公爵です。お詫びに参りました。公爵家の責任を果たさずアリス様にご迷惑をおかけしました。申し訳ありません」
「はい。伺いました。国王陛下がやらなくていいとおっしゃったのでしたね」とアリスが返した。
緊張と沈黙は痛いほど鋭く、うっかりすると手を切りそうだった。
その中で
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「はい。伺いました。お祖父様をピクニックでお見かけしました。わたくしは取り込んでご挨拶ができませんでしたが。笑っておられましたのに」
最後にスペーダ公爵が真っ青な顔に汗を滲ませて
「スペーダです。今回は責任を果たさず申し訳ありません」と言った所をアリスが遮って
「随分、楽しまれたようでなによりです。夫人はわたくしを見てわーーと笑ってましたよ。いいお仲間に恵まれてなによりです。カーラ様を大切になさって下さいませ」と無表情に言った。
デイビスはアリスの方に身を屈め言葉を交わすと
「公爵の皆さんは退出して下さい」と言った。
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