気がついたら無理!絶対にいや!

朝山みどり

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第63話 チャールズ アリス目線

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宿を訪ねると兄様は驚いていらしたが、すぐに落ち着かれてわたくしとアレクに、臣下の礼を取った。

お互いの挨拶がすんでわたくしが話し出すと兄様は

「え?」と声を出されたが、なにも言わなかった。それでわたくしは話しを続けた。


「南の統治をお願いしたいのです」

「ハトン様に任せればよろしいのでは?」

「はい、統治者が一人と言うのが理想でしょうが、如何な優れた統治者でも全てを見ることは出来ません。南も統治するのは負担が大きいです。そしてそのはっきり言えば特務部に当たる者たちの存在が必要でしょう。彼らの能力にも限界があります。それでお兄様にお願いしたいのです」とお兄様の反応を見ると、理解が曖昧そうだった。

「お兄様、たまに特務部にいらしていたでしょう?」

「あぁ、閣下のお顔を陰からでも見たいと思って」

「閣下などと、アリスと言う名前を持っていますわ。アリスです」

「あぁそうですね。アリス。アリスの顔を・・・・」とお兄様は声を詰まらせたが

「すまない、続けて下さい」と言った。

「特務部の者がお兄様を王に推薦しました」と言うと

「なんと・・・」とお兄様は言ったが後はなにも言わなかった。それでわたくしは

「領地を治める者。上に立つものの教育も受けて資質もおありですね。お願いします。国の規模としてはちょうど良いと思います。民が穏やかに、その国に生まれたことを幸福だと感じる国を作って下さい。皇国として協力をします。特務部を派遣します。乗っ取るつもりはありません。お兄様、そこを」

「理解しております。王室なんて誰でも民は関係ないですね。わたしも、学びました」とお兄様は言うと、姿勢を正して
「拝命致します」と言った。

「うむ、助かる」とアレクは言うと

「義兄上と呼ばせて貰っていいか?」と悪戯っぽく笑って言った。

「・・・はい。光栄でございます」とお兄様は答えた。するとアレクは

「義兄上はアリスを赤子の頃から知っておるのであろう?聞かせてくれないか」ととんでもないことを言い出した。

「アレク様、それは兄様も困って」と言いかけると

「困ってらっしゃる?義兄上」とわたくしの言いたいことを引き取ってアレクは兄様をかまう。はーーこれには兄様は太刀打ち出来ない。わたくしは遠い目をするしかなかった。



「・・・えぇそうなんですよ。わたしにとって初めての妹で」って兄様その言い方は「妹でその嬉しくて、嬉しくていつも見に行ってました。機嫌よくむにゃむにゃ言ってて、ににゃまって言うんですよ。にいさまってことですよ。
歩き出したアリスの手を引いて歩きました。それからバーバラが生まれてアリスと二人で可愛がりました。

アリスはほんとにバーバラを大事にして・・・」と兄様の声が途切れると兄様は泣いていました。

「アリス、これからは男二人で話したい」とアレク様がおっしゃると、兄様もうんうんと頷いて、わたくしは一人部屋を出ました。

わたくしのいない所で兄様が飛んでもない話をしそうで心配ですが、二人を睨みつけて部屋を出ました。
















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