7 / 14
07 髪がふんわり気持ちもふんわり
しおりを挟む
さて、今日はいつものひっつめたきっちり結い上げた髪型ではなく、ふんわりと流した髪型で学院へ行くつもりだ。
婚約解消は、もう正式なものとなっているが、言いふらさない。
だけど、髪型で自由を主張するつもりだ。
予定通り馬車を降りて歩いた。今日、二人はいない。よかった。あっさりした爽やかな朝だ。
わたしは教室に入ると自分から
「おはようございます。みなさん」と大きな声で挨拶した。笑顔だよ。いつもの控えめなやつじゃない。パーーと開いた笑顔。
「「「おはようございます・・・スチュワート様」」」おずおずと返事が返って来た。
「ミランダと呼んでください」と言うと
「「「「「え?」」」」」と言いながら、みなさんは顔を見合わせている。
「覚えて下さい。ミランダ」と言うと笑顔満開のまま席についた。
お昼になったので、わたしも食堂に向かった。こちらから誘う勇気はないので、一人で向かう。
みんなのまねをして列に並ぶ。お魚を選んで空いた席に座って食べようとした時、
「「一緒によろしいですか?」」と声がしたので
「どうぞ。こちらこそよろしくね」と答えた。
「えっとわたしは同じクラスのエミリー・パーカー」
「ナタリー・アイス」
「エミリーにナタリーね」
「ミランダと呼んでいいのよね」とエミリーがそっと言うので
「えぇ、ミランダよ」と答えた。二人の目が話せと言っている。目がものを言うって本当だ。
「とりあえず、食べましょう」と言う事で美味しいとか言いながら食べた。
二人の圧がぁぁぁ!
食べ終わってから、
「一言しか言えないのよ。王子殿下と婚約を解消したとだけ。勿体ぶってごめんなさい」
「いえ、いえ・・・予想が当たって感動です。王室の発表とかあるのかしら?」とエミリーが言うと
「わからない。なにも言われてないから」と答えると
「そうよね・・・そしたらこれからは、お茶に誘ったりしてもよろしいの?」とナタリーが言うのを
「ぜひぜひ」と大きくうなづいて答えた。
「今までの生活で出来なかったことをたくさんしたいと思っているの」と言うと
「そうよね。わかると言えないかな? でも想像出来る」とエミリーが言うと
「そうね」とナタリーも言った。食堂から連れ立って教室に戻ったが、それも新鮮で楽しかった。
思い立ったら我慢出来なくて、放課後、三人でお茶を飲みに行って話をした。
憧れがまたひとつ、実現した。
「あのーーーすっきりしてますか?」とエミリーが恐る恐る聞いて来た。
「してる」とあっさり答えた。
わたしの答えを聞いた二人は顔を見合わせたが、次にわたしのほうを向いた時は・・・期待に満ちた顔になっていた。
そこで
「ずっとお慕いしてたのは本当よ。王室に入る。ふさわしくありたいと努力した。歩く一歩にも気を配った」
二人はうんうんとうなづいている。
「だけど、今一緒にいる人を見て、あーーあの程度でいいんだ。えっと人間性とかじゃなくて、礼儀ね・・・所作とか話し方。笑い方とか、そんなのね・・・そしたら・・・もういいやって・・・」
二人はうなづいて聞いている。
「想像の範囲だけどわかる。遊びたいのを我慢したりとか、眠いのも我慢した?」と言うのにうなづくと
「やってられないって事でいい?」と言われて
「そうなのよ。悲しいを通り越してバカバカしくなって」と言うと
「無駄にした時間を取り戻しましょう。遊びましょう」とナタリーが言うと
「ミランダ、あなたいいクラスに入ったわ。全員、いい子よ。それなりに頑張るし・・・やっぱり学ぶのはいいことでしょ。遊ぶのも上手よ」とエミリーも言った。
そこを出て、二人のお気に入りの小物屋さんに行った。
店内にあるのは、どれも可愛くて、いっぱい迷ってわたしは、髪飾りを買った。
はっきり言ってわたしが家に持っているのに比べたら、安物だ。
だけど可愛くて好きだ。
その日の夕食は少しだけお代わりをした。驚いてわたしを見る家族に
「たくさん、お喋りしたし、王子妃教育の課題をやらなくていいので、おなかいっぱい食べるというのをやってみました」と言うと
お母様はちょっと涙ぐんだ。だけどわたしもお父様もお兄様も気づかないふりで笑った。
食後にお母様のお部屋にちょっとお邪魔して、始めて出来たお友達の事を話した。
「お友達をお招きするのって楽しいわよ」と教えてくれた。
あぁ婚約解消っていい事だらけねぇ・・・
お部屋に戻って明日の準備をして、窓の外を見ながら今日の事を思い出していると眠くなって来た。
ベッドに入ったと思ったら朝だった。驚いた。
婚約解消は、もう正式なものとなっているが、言いふらさない。
だけど、髪型で自由を主張するつもりだ。
予定通り馬車を降りて歩いた。今日、二人はいない。よかった。あっさりした爽やかな朝だ。
わたしは教室に入ると自分から
「おはようございます。みなさん」と大きな声で挨拶した。笑顔だよ。いつもの控えめなやつじゃない。パーーと開いた笑顔。
「「「おはようございます・・・スチュワート様」」」おずおずと返事が返って来た。
「ミランダと呼んでください」と言うと
「「「「「え?」」」」」と言いながら、みなさんは顔を見合わせている。
「覚えて下さい。ミランダ」と言うと笑顔満開のまま席についた。
お昼になったので、わたしも食堂に向かった。こちらから誘う勇気はないので、一人で向かう。
みんなのまねをして列に並ぶ。お魚を選んで空いた席に座って食べようとした時、
「「一緒によろしいですか?」」と声がしたので
「どうぞ。こちらこそよろしくね」と答えた。
「えっとわたしは同じクラスのエミリー・パーカー」
「ナタリー・アイス」
「エミリーにナタリーね」
「ミランダと呼んでいいのよね」とエミリーがそっと言うので
「えぇ、ミランダよ」と答えた。二人の目が話せと言っている。目がものを言うって本当だ。
「とりあえず、食べましょう」と言う事で美味しいとか言いながら食べた。
二人の圧がぁぁぁ!
食べ終わってから、
「一言しか言えないのよ。王子殿下と婚約を解消したとだけ。勿体ぶってごめんなさい」
「いえ、いえ・・・予想が当たって感動です。王室の発表とかあるのかしら?」とエミリーが言うと
「わからない。なにも言われてないから」と答えると
「そうよね・・・そしたらこれからは、お茶に誘ったりしてもよろしいの?」とナタリーが言うのを
「ぜひぜひ」と大きくうなづいて答えた。
「今までの生活で出来なかったことをたくさんしたいと思っているの」と言うと
「そうよね。わかると言えないかな? でも想像出来る」とエミリーが言うと
「そうね」とナタリーも言った。食堂から連れ立って教室に戻ったが、それも新鮮で楽しかった。
思い立ったら我慢出来なくて、放課後、三人でお茶を飲みに行って話をした。
憧れがまたひとつ、実現した。
「あのーーーすっきりしてますか?」とエミリーが恐る恐る聞いて来た。
「してる」とあっさり答えた。
わたしの答えを聞いた二人は顔を見合わせたが、次にわたしのほうを向いた時は・・・期待に満ちた顔になっていた。
そこで
「ずっとお慕いしてたのは本当よ。王室に入る。ふさわしくありたいと努力した。歩く一歩にも気を配った」
二人はうんうんとうなづいている。
「だけど、今一緒にいる人を見て、あーーあの程度でいいんだ。えっと人間性とかじゃなくて、礼儀ね・・・所作とか話し方。笑い方とか、そんなのね・・・そしたら・・・もういいやって・・・」
二人はうなづいて聞いている。
「想像の範囲だけどわかる。遊びたいのを我慢したりとか、眠いのも我慢した?」と言うのにうなづくと
「やってられないって事でいい?」と言われて
「そうなのよ。悲しいを通り越してバカバカしくなって」と言うと
「無駄にした時間を取り戻しましょう。遊びましょう」とナタリーが言うと
「ミランダ、あなたいいクラスに入ったわ。全員、いい子よ。それなりに頑張るし・・・やっぱり学ぶのはいいことでしょ。遊ぶのも上手よ」とエミリーも言った。
そこを出て、二人のお気に入りの小物屋さんに行った。
店内にあるのは、どれも可愛くて、いっぱい迷ってわたしは、髪飾りを買った。
はっきり言ってわたしが家に持っているのに比べたら、安物だ。
だけど可愛くて好きだ。
その日の夕食は少しだけお代わりをした。驚いてわたしを見る家族に
「たくさん、お喋りしたし、王子妃教育の課題をやらなくていいので、おなかいっぱい食べるというのをやってみました」と言うと
お母様はちょっと涙ぐんだ。だけどわたしもお父様もお兄様も気づかないふりで笑った。
食後にお母様のお部屋にちょっとお邪魔して、始めて出来たお友達の事を話した。
「お友達をお招きするのって楽しいわよ」と教えてくれた。
あぁ婚約解消っていい事だらけねぇ・・・
お部屋に戻って明日の準備をして、窓の外を見ながら今日の事を思い出していると眠くなって来た。
ベッドに入ったと思ったら朝だった。驚いた。
応援ありがとうございます!
3,192
お気に入りに追加
4,669
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる