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09 聖女二人 レイモンド目線
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助けて貰ったカミーユへの恩返しのつもりで、彼女の魔力を吸い上げていた魔法陣に手を加えた。
彼女が虐められずに過ごせればいいと思っていたが、いつのまにか彼女に惹かれている。
こうなると子供の姿が恨めしい。
この間、オリビアのオヤジの伯爵がいたので、体を調べて、いくつか仕掛けてやった。
無防備に体を触らせるなんてなぁ・・・
今すぐにでも出て行けるが、あいつらが吠え面かく所をみたい・・・
カミーユは魔力を隠すと言っているが、優しいから無理しそう。だから、少なくなるように調整した。
今日はロザリーの父親のカリフ伯爵が娘に会いに来た。なんでもあのルナ・ドール侯爵夫人が、お茶会でロザリーを褒めたらしい。曰く
「とってもいいお嬢さんだし、聖女としても優秀よ。王室にはいるんですもの。魔力よりも気立てだわ」とか・・・
それで、いつあの王子に会ってもいいように身仕舞いに気をつけろとか。
カミーユは平民の診療室にいるが、今日は魔力切れになる予定。そばにいて気をつけておこう。
「カミーユ、ちょっと来て」とオリビアの侍女の赤髪の女が呼んでいる。
「はい、なんでしょうか?」とカミーユが返事をして貴族用の診療室にはいると
「これを貰って来て頂戴」となにかを渡している。
「ここは・・・」
「ちょっと遠いけど、あなたなら大丈夫でしょ。さっさと行って」と顎でドアを指している。この女、その髪引っこ抜くぞ・・・
「それから、従者は置いて行って。こっちで使うから」と言うエメの声がした。
「あの、レイはわたくしのそば」とカミーユが言いかけると、
「こっちで使うと行ってるでしょ」とエメの声が大きくなった。
カミーユは俺にここで待っているようにと言うと出て行った。
いつでもカミーユのそばに行けるように注意を向けておく。
「ねぇレイ君って言うのよね」とエメが話しかけて来た。黙って相手を見ていると
「やだ。警戒しないで・・・魔力なしでいつ追い出されてもいいのに、オリビア様がカミーユをかばっているのよ。それでオリビア様はあなたをそばに置くことにしたの。どう嬉しいでしょ」と言った。
紅で赤い唇がねじれながら言葉を紡ぐのを見ながら、こいつのどこから引き裂いてやろうかと考えた。
「カミーユは当分戻って来ないから、ゆっくり遊んでいればいいわ」と言うと
「レイ君、あなたお父様も気に入ってるようなのよ。名誉なことよ」とオリビアが話に加わった。
「そうだ。ロザリーの事でおもしろい事を聞いたのよ。あのルナ・ドールがあいつを褒めたんですって、王室に入るから魔力より気立てが大事。あいつは王室にふさわしいって・・・やっとカミーユが婚約破棄したのよ。次はわたしに決まっているのに・・・ロザリーはわたしに対抗するつもりなのよ。笑えるわ」
そこに一人の青年が担ぎ込まれた。先行して護衛の騎士が
「落馬して腰を・・・」と告げていた為、貴族が来るとわかりロザリーもオリビアも自分がと待ち構えていた。
そして、運ばれてきた青年は打ち身の他にひどい怪我もしていた。
オリビアは、
「わたくし筆頭が治療を致します」と言うとそばに立ち、先ず出血を止めるために手をかざした。
白い光がふわーーと出て来たが濃くなったり、薄くなったりすると消えた。
出血はなんとか止まったが、オリビアの顔が真っ青になり、エメがあわててそばによると
「オリビア様、お疲れ様です。これほどの怪我ですのでご負担でしょう。少し座って下さい」と勞った。
オリビアが離れると止まっていた血がまたじわりと流れた。
「これは?」と騎士が助けを求めるようにまわりを見ながら言うと
「わたくしがやってみますわ」とロザリーが、ゆっくり青年に向かい手をかざした。
ぶわーーと青い光が青年を包んだ。痛々しい傷がゆっくりとふさがった。
青年はゆっくりと目を開けるとロザリーを見て目をみはり、騎士を見ると
「心配かけたな」と声をかけた。
「痛みはどうでしょうか?まだ全快にはなっていません。安静にして明日もう一度治療いたしましょう」とロザリーが、抑えた低い声で静かに言うと
「ありがとうございます。聖女様」と騎士が頭を下げ
青年も少し口を動かした。残念ながら声にならなかったが、お礼を言ったのだとわかった。
「あの、ここで泊まるならお部屋の支度がありますね。お使いに行きます」と言うとロザリーの侍女が
「はい、こちらにご用意します。レイ君はここにいて」と言うと二人連れて出て行った。
彼女が虐められずに過ごせればいいと思っていたが、いつのまにか彼女に惹かれている。
こうなると子供の姿が恨めしい。
この間、オリビアのオヤジの伯爵がいたので、体を調べて、いくつか仕掛けてやった。
無防備に体を触らせるなんてなぁ・・・
今すぐにでも出て行けるが、あいつらが吠え面かく所をみたい・・・
カミーユは魔力を隠すと言っているが、優しいから無理しそう。だから、少なくなるように調整した。
今日はロザリーの父親のカリフ伯爵が娘に会いに来た。なんでもあのルナ・ドール侯爵夫人が、お茶会でロザリーを褒めたらしい。曰く
「とってもいいお嬢さんだし、聖女としても優秀よ。王室にはいるんですもの。魔力よりも気立てだわ」とか・・・
それで、いつあの王子に会ってもいいように身仕舞いに気をつけろとか。
カミーユは平民の診療室にいるが、今日は魔力切れになる予定。そばにいて気をつけておこう。
「カミーユ、ちょっと来て」とオリビアの侍女の赤髪の女が呼んでいる。
「はい、なんでしょうか?」とカミーユが返事をして貴族用の診療室にはいると
「これを貰って来て頂戴」となにかを渡している。
「ここは・・・」
「ちょっと遠いけど、あなたなら大丈夫でしょ。さっさと行って」と顎でドアを指している。この女、その髪引っこ抜くぞ・・・
「それから、従者は置いて行って。こっちで使うから」と言うエメの声がした。
「あの、レイはわたくしのそば」とカミーユが言いかけると、
「こっちで使うと行ってるでしょ」とエメの声が大きくなった。
カミーユは俺にここで待っているようにと言うと出て行った。
いつでもカミーユのそばに行けるように注意を向けておく。
「ねぇレイ君って言うのよね」とエメが話しかけて来た。黙って相手を見ていると
「やだ。警戒しないで・・・魔力なしでいつ追い出されてもいいのに、オリビア様がカミーユをかばっているのよ。それでオリビア様はあなたをそばに置くことにしたの。どう嬉しいでしょ」と言った。
紅で赤い唇がねじれながら言葉を紡ぐのを見ながら、こいつのどこから引き裂いてやろうかと考えた。
「カミーユは当分戻って来ないから、ゆっくり遊んでいればいいわ」と言うと
「レイ君、あなたお父様も気に入ってるようなのよ。名誉なことよ」とオリビアが話に加わった。
「そうだ。ロザリーの事でおもしろい事を聞いたのよ。あのルナ・ドールがあいつを褒めたんですって、王室に入るから魔力より気立てが大事。あいつは王室にふさわしいって・・・やっとカミーユが婚約破棄したのよ。次はわたしに決まっているのに・・・ロザリーはわたしに対抗するつもりなのよ。笑えるわ」
そこに一人の青年が担ぎ込まれた。先行して護衛の騎士が
「落馬して腰を・・・」と告げていた為、貴族が来るとわかりロザリーもオリビアも自分がと待ち構えていた。
そして、運ばれてきた青年は打ち身の他にひどい怪我もしていた。
オリビアは、
「わたくし筆頭が治療を致します」と言うとそばに立ち、先ず出血を止めるために手をかざした。
白い光がふわーーと出て来たが濃くなったり、薄くなったりすると消えた。
出血はなんとか止まったが、オリビアの顔が真っ青になり、エメがあわててそばによると
「オリビア様、お疲れ様です。これほどの怪我ですのでご負担でしょう。少し座って下さい」と勞った。
オリビアが離れると止まっていた血がまたじわりと流れた。
「これは?」と騎士が助けを求めるようにまわりを見ながら言うと
「わたくしがやってみますわ」とロザリーが、ゆっくり青年に向かい手をかざした。
ぶわーーと青い光が青年を包んだ。痛々しい傷がゆっくりとふさがった。
青年はゆっくりと目を開けるとロザリーを見て目をみはり、騎士を見ると
「心配かけたな」と声をかけた。
「痛みはどうでしょうか?まだ全快にはなっていません。安静にして明日もう一度治療いたしましょう」とロザリーが、抑えた低い声で静かに言うと
「ありがとうございます。聖女様」と騎士が頭を下げ
青年も少し口を動かした。残念ながら声にならなかったが、お礼を言ったのだとわかった。
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