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05 王宮の生活
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イズミ視点
騎士の制服を着て王城内を歩く。制服のせいか周囲に溶け込んだ感じだ。
前世というか夢の中では?やっぱり前世か。黒髪は召喚された勇者だけだったがこの世界で黒髪は珍しくない。
ちらほらと黒い髪の男女が歩いている。そうやって平和に過ごしていたのに、全然知らないやつがわざとぶつかってきたり、食堂で椅子を蹴られたりどうしたんだろうと思っていたのだが、この前アレンから聞いて合点が行った。
ワタヌキの野郎がとんでもない事を言ってそれを聞いた馬鹿が僕にからんできていたんだ。
やられたことははっきり言ってたいした事じゃないけど、不愉快なことは確かだし、ますます王宮をでる気に拍車がかかった。
そして今日はあろう事か元凶のワタヌキと王子がやって来て、僕に絡んできた。
「お前、一緒に召喚されてきたやつだろ」とワタヌキが話しかけてきた。
怖がってるんじゃないのか?話しかけるな!
「無能だって聞いているが少しはものになったのか?」後ろの取り巻きが笑い声をあげる。
「俺は今から魔法の練習だ。最初の話のようにいてくれるだけでいいっていうのはないみたいでな。まぁたいしたことをじゃないから力を見せて安心させてやってるんだ。あとは剣もな、護衛がいても自分の身は守りたいしな・・・・俺って有能だから皆、助かってるってさ。な!レオ」
答えようもないから黙って下を向いておく。
「そのほう名乗りもせずに去っていったな。名はなんという?」とレオが言った。あの王子の名はレオって事か。
「わたくしはイズミです」
「イズミって言うのか。それは家名か?」
「いいえ、こちらでは家名は捨てました」
「なるほど、無能にしてはわかっているな?」
レオは続けて
「ちょうどいい、イズミお前も訓練場へ来い。無能でも異世界人だ、なにかできるかも知れない」
「それはできません、今わたくしたちは仕事先に向かっているところです」
「他の者にやらせろ」とレオが言うと取り巻きがジョーに向かって、一人で行けと言うと突き飛ばした。
それから僕は取り巻きと護衛に囲まれて一緒に歩くはめになってしまった。
訓練場ではいかにも魔法士ですってローブを着たのが、的に向かっていろいろやっている。
「神子様、王子殿下おはようございます」と勿体ぶったのが、やってきた。
「バドロン、今日は一緒にやって来た無能を連れてきた。隅にでも置いてやってくれ」とワタヌキが言っている。
僕は黙って頭を下げると今来た道から戻ろうと踵をかえしたら、レオ王子が
「一緒に来い」と言って歩き出した。知らんふりして逃げようと聞こえないふりをしたが護衛に囲まれて逃げられなかった。
「ここに座れ」と隣の席をたたかれて仕方なく座る。
「あの人たち、ローブ着ているのが魔法士ですね」
「あぁ色で強さがわかる」
「戦場でもですか?えっと戦場があるとして」
「戦うのは魔獣だ。十年ほど前隣国と戦ったことがある。ここにいるもので参加した者もいる」
「そうですか?戦場で色で強さがわかるなら狙いやすいですね」
「・・・・・そうだな」
なんだか、王子が僕の顔を見ているのがわかる。気持ち悪いので睨み返してやった。
ワタヌキはと言うと的に向かって水の玉を打っているが、ひょろひょろしている。
「召喚の場でなにもしなくていいと聞いたが、訓練が必要なのですか?」
「あれは神殿長が勝手に答えたのだ。神子様には瘴気を浄化してもらう。浄化の業を使えるのは神子様だけだ。神託があったので召喚した。浄化には魔力を使うから、あの訓練で魔力を増やしている」
「なるほど」
「それではこれで失礼します」
と僕は立ち上がった。
「座れ、そばにいろ」とレオ王子が手を掴んだ。おもわず振り払おうとしたとき
「わたしの部下は仕事が立て込んでまして」と声がした。近づいてきたアレンがレオに膝まづいた。
「王子殿下、部下を迎えに参りました」
「あぁそのようだな、今度ゆっくり話そう」
返事をしようとするとアレンに腰をぐいっと引っ張られて声が出せなかった。
アレンはともかくレオと話すと前世の考えというか価値観が出てくる。
王族に忠誠が当たり前で無条件で従いたくなるし、いやでたまらない。逃げたい・・・・
騎士の制服を着て王城内を歩く。制服のせいか周囲に溶け込んだ感じだ。
前世というか夢の中では?やっぱり前世か。黒髪は召喚された勇者だけだったがこの世界で黒髪は珍しくない。
ちらほらと黒い髪の男女が歩いている。そうやって平和に過ごしていたのに、全然知らないやつがわざとぶつかってきたり、食堂で椅子を蹴られたりどうしたんだろうと思っていたのだが、この前アレンから聞いて合点が行った。
ワタヌキの野郎がとんでもない事を言ってそれを聞いた馬鹿が僕にからんできていたんだ。
やられたことははっきり言ってたいした事じゃないけど、不愉快なことは確かだし、ますます王宮をでる気に拍車がかかった。
そして今日はあろう事か元凶のワタヌキと王子がやって来て、僕に絡んできた。
「お前、一緒に召喚されてきたやつだろ」とワタヌキが話しかけてきた。
怖がってるんじゃないのか?話しかけるな!
「無能だって聞いているが少しはものになったのか?」後ろの取り巻きが笑い声をあげる。
「俺は今から魔法の練習だ。最初の話のようにいてくれるだけでいいっていうのはないみたいでな。まぁたいしたことをじゃないから力を見せて安心させてやってるんだ。あとは剣もな、護衛がいても自分の身は守りたいしな・・・・俺って有能だから皆、助かってるってさ。な!レオ」
答えようもないから黙って下を向いておく。
「そのほう名乗りもせずに去っていったな。名はなんという?」とレオが言った。あの王子の名はレオって事か。
「わたくしはイズミです」
「イズミって言うのか。それは家名か?」
「いいえ、こちらでは家名は捨てました」
「なるほど、無能にしてはわかっているな?」
レオは続けて
「ちょうどいい、イズミお前も訓練場へ来い。無能でも異世界人だ、なにかできるかも知れない」
「それはできません、今わたくしたちは仕事先に向かっているところです」
「他の者にやらせろ」とレオが言うと取り巻きがジョーに向かって、一人で行けと言うと突き飛ばした。
それから僕は取り巻きと護衛に囲まれて一緒に歩くはめになってしまった。
訓練場ではいかにも魔法士ですってローブを着たのが、的に向かっていろいろやっている。
「神子様、王子殿下おはようございます」と勿体ぶったのが、やってきた。
「バドロン、今日は一緒にやって来た無能を連れてきた。隅にでも置いてやってくれ」とワタヌキが言っている。
僕は黙って頭を下げると今来た道から戻ろうと踵をかえしたら、レオ王子が
「一緒に来い」と言って歩き出した。知らんふりして逃げようと聞こえないふりをしたが護衛に囲まれて逃げられなかった。
「ここに座れ」と隣の席をたたかれて仕方なく座る。
「あの人たち、ローブ着ているのが魔法士ですね」
「あぁ色で強さがわかる」
「戦場でもですか?えっと戦場があるとして」
「戦うのは魔獣だ。十年ほど前隣国と戦ったことがある。ここにいるもので参加した者もいる」
「そうですか?戦場で色で強さがわかるなら狙いやすいですね」
「・・・・・そうだな」
なんだか、王子が僕の顔を見ているのがわかる。気持ち悪いので睨み返してやった。
ワタヌキはと言うと的に向かって水の玉を打っているが、ひょろひょろしている。
「召喚の場でなにもしなくていいと聞いたが、訓練が必要なのですか?」
「あれは神殿長が勝手に答えたのだ。神子様には瘴気を浄化してもらう。浄化の業を使えるのは神子様だけだ。神託があったので召喚した。浄化には魔力を使うから、あの訓練で魔力を増やしている」
「なるほど」
「それではこれで失礼します」
と僕は立ち上がった。
「座れ、そばにいろ」とレオ王子が手を掴んだ。おもわず振り払おうとしたとき
「わたしの部下は仕事が立て込んでまして」と声がした。近づいてきたアレンがレオに膝まづいた。
「王子殿下、部下を迎えに参りました」
「あぁそのようだな、今度ゆっくり話そう」
返事をしようとするとアレンに腰をぐいっと引っ張られて声が出せなかった。
アレンはともかくレオと話すと前世の考えというか価値観が出てくる。
王族に忠誠が当たり前で無条件で従いたくなるし、いやでたまらない。逃げたい・・・・
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