召喚されたら前世を思い出した

朝山みどり

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06 夜会の前

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レオナルド王子目線

神殿から連絡があった。神託の石碑が濁ってきていると。濁るってどういうことだ?

なんでも石の表面の艶がなくなってなにやら、がさがさになってきたというのだ。

だからどうしたというのだ。神託にしたがって召喚の儀式をしてワタヌキが来たじゃないか。ちょっと、いや全然期待はずれだが・・・・

お披露目の夜会だってやるぞ。イズミも一緒だ。会場で会える、楽しみだ。


昼間のお茶会でイズミは異世界人好きに大人気。いや、他の招待客にも大人気だった。
けっこう態度がでかいし、王族に対して敬意が足りないが不思議と皆が話を聞きたがっていた。
比べるとワタヌキは金髪と黒髪の混ざり方が野暮ったいし礼服もしっくりしない。神子だと言わなくては誰も気づかないようだった。昼間、バルコニーから手を振ったし王城内では貴族に向けてきちんと紹介して貴族全員に礼をとらせたのに・・・・なんということだ。


イズミは、アレンがそばを離れずにいるにもかかわらず、熱っぽい目をした賓客に取り囲まれて、異世界の服装についておもしろく、語っていたと思えば箸と言う棒を紹介していた。あの棒でイズミが果物を食べる様子は美しく、クッキーを使って皆が夢中になって練習していた。

そしてポテトチップという料理についてちらっと言うと皆がそれを食べたがりワタヌキにも聞いてみると

「おぉポテトチップを箸で食う。それは俺もやっていたな・・・・箸で果物?やってみせようか」

そう言うと
いきなり箸を梨にぐさりと突き刺したのだ。

「「「「「「あ?」」」」」」」と箸の使い方を習った貴族が声にならない悲鳴をあげた。

無理もない、イズミがお行儀が悪いからやってはいけないと言った方法だったから・・・

神子に向かって誰もなにも言えなかった。幸いなのは真似をする者がでなかったことだ。


アレンのやつ今夜の夜会ではポテトチップを出すようだ。それと箸を多めに用意させていた。

厨房でどういうものか説明するイズミにピッタリついて試食をするときにイズミの箸で口にいれてもらったりしていた。

くそ・・・手柄を奪われてなるか・・・・



夜会が始まる前にイズミが正式に王族に紹介された。

異母兄のアレンは王族を離れ王位継承権を放棄しているが、王がそれを承認していないとも言われている。


王位につきたい者はアレンを陣営に入れたがるし、アレンを王にしたい者もいる。



アレンが王族から離れ、第一王子になった俺を母の実家の侯爵一派が支持しているが、もう少し力が欲しい。神子としてワタヌキを得たが、期待はずれだ。神子としての力も疑わしい。だがイズミを取り込めば大きな影響力を持つだろう。


第二王子の母親は隣国の出身だが侮れない勢力を持っている。


第三王子はやはり母親の実家の派閥が支えているが、第二王子を支持するだろう。

王子を紹介されて鷹揚に挨拶するイズミは、外国の王族と言われてもおかしくない品位を持っていた。

王女達はなぜか頬を染めて礼を受けている。あいつを呼んだのは俺だぞ。ずうずうしい。

ただ、アレンが欲しい女どもは、イズミを嫌な目で見ている。気をつけておこう。頭の悪いやつらは予想外のことをやるからな。



王族の紹介が終わるとイズミはアレンに付き添われて時間まで控え室にと下がろうとした。

そこに諸国の王族・貴族が、ずうずうしく押しかけてきて、神子を紹介しろと言ってきた。

アレンがイズミの腰を軽く押してさがろうとすると

「神子様、異世界からの賓客にご挨拶をご希望する方々です」と先触れがやって来て大声を出した。

かまわずアレンが下がろうとしたので

「アレン、イズミ、待て。下がってはならん」と呼び止めてやったが、

「神子様はそちらでは」とアレンがわたしの横のワタヌキを見て言った。



残った外国の王族・貴族を前に第二王子のフェリクスが話しだした。

「皆様、お披露目は夜ですよ。約束を守って頂かないと困ります。控え室に案内します」
そういうと歩き出した。後についていったのは母親の実家である隣国の貴族達だ。
見事な阿吽の呼吸だ。ちくしょー

第三王子も派閥の人間を連れて出て行った。

遅れてしまったが俺も
「神子様お疲れでしょう、控え室で休みましょう」と神子のワタヌキと共に部屋をでた。
一瞬、顔をみあわせていたが、支持者が後から着いて来た。
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