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31 何の御用がおありで*

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 飯は美味い。着ている物も上等な触り心地の良い生地だ。

「私の名前はセシリー・ディオ・ガラゼア。現在のガラゼア皇帝の唯一生き残った弟。兄の権力を笠に着てやりたい放題の問題児の暴れん坊だ」

「……その皇弟様が私に何の御用がおありで」

「決まってるだろう?抱いたら良かったから閨の相手だよ」

「……お断りしたいのですが」

 ニヤリと口の端が試すように歪む。

「本当に断る?」

「……断るとどうなるか教えていただきたいのですが」

「まず、この離宮で働いている女官は全部首を斬られる」

「何故?!」

「ここから出たい、帰りたいと言うんだ。何か粗相をしたんだろう。帝国ではよくある事だから、気にする事はない。そして君の祖国に宛てた抗議文が少し厚くなる。なぁに賠償金の桁が2.3増える位だ。首まではいらないよ」

「なっ?!」

 絶句するしかない。この男は何を言っているんだ?!

「あと、君のジェス領が少し荒れるかもしれんな。あそこは帝国領と隣り合っているだろう?」

「や、やめてくれ!」

「ではこちらへ。可愛い声を聞かせてくれないかな?」

 選択肢は一つも用意されていなかった。


「我が弟が執着していると言う小鳥を見にきたのだが、案外薹が立っているんだな」

「五月蝿いな。何しにきたんだ、アザリー」

「ひっ……」

 ノックもなしに入ってきた知らない人の声に飛び上がる。何せ体の上にセシリーがいて、腰を振っている最中なんだから。

「んんっ……フレイ、締めすぎだ」

「だ、ダメだ、ひとが、やっ!」

 お構いなしに責めててられ、限界が近い。何度も何度もセシリーに躾けられた体はもう私の意思に関係なくセシリーを悦ばせようと必死にまとわりつく。

「どうだ?セシリー。お前の小鳥……小、じゃないな?大鳥?かな?」

「最高に気持ちいいから早く出て行ってくれないか?まあ、恥じらってイくのを我慢している顔も良いけど」

「なっ!……ひっ」

 悪態をつきながらも奥を突きあげるのを一切やめない。すり減った羞恥心や自尊心がそろそろマイナスに振り切れる。やめて、これ以上はやめてくれと。せめて今はやめてくれと懇願してもできるのは背中に爪を立てるくらい。なんて情けなくて悔しいことだろうか。

「ふーん、まあ問題ばかり起こす弟が大人しくなってくれてるんだから、小鳥様様だけどね。まあ、手配しておいた術師が来たよ、それを伝えに来ただけだ」

「そうか、ありがとうよ、兄上」

「セシリーが感謝した!?何十年ぶり!?」

「黙れ」

 だめ、やめてくれ……もう、耐えきれない!

「ふっ!ぅんっ……っあっ!……っ!」

「へえ、意外といい声で啼くんだ。なるほどなるほどねぇ」

「消えろ、アザリー」

「おーこわっ」

 男はくるりと背を向けて手を振った。

「まあ、そんな感じでこれからも頼むよ。セシリーが落ち着いてくれれば私も何かと助かる」

 これから、これからってなんだ……これからもこれがずっと続くのか?

「う……う、ふ……ひん……っ」

「最中に狙ってきたな、あのクソ兄貴め!出すぞ」

「ああう……ひ……」

 イって敏感になっているナカを跳ねまわるのが気持ちいい。毎日毎日、朝だろうが夜だろうがセシリーの望む時に抱かれ続けて躾けられた体はもう元には戻らない気がした。多分私は一生このままセシリーのオモチャとして生きていかねばいけないのだろうか。




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