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17 無意識に垂れ流される知識
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私とアスガン宰相は内政から着手し、私腹を肥やす貴族共を断罪していった。
「んふ」
「……」
私達が執務室で重要書類を決裁している間、アリアンは想像と違って室内で大人しく……機嫌よく過ごしている、私の顔を見ながら。
勿論、それについて指摘などしない。間違いなくリンカの深層心理に引っ張られ、私の顔を見て喜んでいるのだ……勿論私も「不気味だ」などという言葉は絶対に口にしない。アリアンの機嫌を損ねるの無意味だし、しないほうがいいことだ。
たまにアスガン宰相が、気づかわし気にこちらを見ているが、それには軽く頷き書類を書き続ける。書類を取りにくる文官が驚いて回れ右をして部屋から出ていくことも多いが、早く慣れて欲しいものである。
「ルシ、昼飯の時間~」
「ああ、休憩をいれましょう、アスガン宰相」
「そ、そうだな。適度な休憩は必要だったものな」
「ええ」
リンカには仕事の拘りがあるようで、それに倣ってアリアンは必ず休息を取るように勧めてくる。正直、時間の無駄だと思っていたが、それほど効率が悪いわけではないと最近気づき始めた。
「お前達も昼食へ行きなさい」
「あっ! はい、宰相様」
私とアスガン宰相の仕事は遅れるが、部下達がそれを補う効率を出すということが分かったのだ。我々がどんどん仕事を下の者に送ってもそこで滞っていては意味がない。
上司である我々がきちんと休む事で部下達もきちんと休息を取り、それが彼等の仕事の速度に還元されているという好循環。思ってもみなかったが、人とはそういうものらしい。結果、全体の仕事効率が上がった。
「今日の昼飯なんだろなー。デザートは二個貰えるかなー?」
「なんだろうな」
「俺、肉ばっかり食ってたけど、魚も悪くないよなー。あと草も美味い草があるんだなー」
「そうだな」
アリアンとの会話は実にくだらないし、大して意味もない。しかしアリアンの喋る内容の中にはリンカの思いが混じってくる。完全にアリアンの知識ではない何かがポロポロと含まれているのだ。アリアンとリンカは深いところで記憶も共有している……リンカの知識は役に立つ。
「いろんなものくわねぇとさ、病気になるしよ、ビタミンBがかけるとやべーだろ? 果物はそういうのにもいるだろーよ」
「そうだな」
ビタミンとはなんのことか分からないが、人間の体を維持するのにはたくさんの栄養素がなくてはならないらしい。多分アリアンにビタミンとはなんのことなのか、と聞いてもきっと分からない。逆に首を捻りながらこういうだろう。
「びたみん? なんだそれ。初めて聞いたが魔物かなんかか?」
お前がしゃべっただろう、と聞き返しても俺はそんなこといわねぇとムッとするだけ。無意識にリンカの知識を口にしている自覚がない。
「私の聞き間違いのようだ」
「そっかー」
アリアンの無意識に垂れ流す知識を活かせるかどうかは私の手腕にかかっているらしい。
「んふ」
「……」
私達が執務室で重要書類を決裁している間、アリアンは想像と違って室内で大人しく……機嫌よく過ごしている、私の顔を見ながら。
勿論、それについて指摘などしない。間違いなくリンカの深層心理に引っ張られ、私の顔を見て喜んでいるのだ……勿論私も「不気味だ」などという言葉は絶対に口にしない。アリアンの機嫌を損ねるの無意味だし、しないほうがいいことだ。
たまにアスガン宰相が、気づかわし気にこちらを見ているが、それには軽く頷き書類を書き続ける。書類を取りにくる文官が驚いて回れ右をして部屋から出ていくことも多いが、早く慣れて欲しいものである。
「ルシ、昼飯の時間~」
「ああ、休憩をいれましょう、アスガン宰相」
「そ、そうだな。適度な休憩は必要だったものな」
「ええ」
リンカには仕事の拘りがあるようで、それに倣ってアリアンは必ず休息を取るように勧めてくる。正直、時間の無駄だと思っていたが、それほど効率が悪いわけではないと最近気づき始めた。
「お前達も昼食へ行きなさい」
「あっ! はい、宰相様」
私とアスガン宰相の仕事は遅れるが、部下達がそれを補う効率を出すということが分かったのだ。我々がどんどん仕事を下の者に送ってもそこで滞っていては意味がない。
上司である我々がきちんと休む事で部下達もきちんと休息を取り、それが彼等の仕事の速度に還元されているという好循環。思ってもみなかったが、人とはそういうものらしい。結果、全体の仕事効率が上がった。
「今日の昼飯なんだろなー。デザートは二個貰えるかなー?」
「なんだろうな」
「俺、肉ばっかり食ってたけど、魚も悪くないよなー。あと草も美味い草があるんだなー」
「そうだな」
アリアンとの会話は実にくだらないし、大して意味もない。しかしアリアンの喋る内容の中にはリンカの思いが混じってくる。完全にアリアンの知識ではない何かがポロポロと含まれているのだ。アリアンとリンカは深いところで記憶も共有している……リンカの知識は役に立つ。
「いろんなものくわねぇとさ、病気になるしよ、ビタミンBがかけるとやべーだろ? 果物はそういうのにもいるだろーよ」
「そうだな」
ビタミンとはなんのことか分からないが、人間の体を維持するのにはたくさんの栄養素がなくてはならないらしい。多分アリアンにビタミンとはなんのことなのか、と聞いてもきっと分からない。逆に首を捻りながらこういうだろう。
「びたみん? なんだそれ。初めて聞いたが魔物かなんかか?」
お前がしゃべっただろう、と聞き返しても俺はそんなこといわねぇとムッとするだけ。無意識にリンカの知識を口にしている自覚がない。
「私の聞き間違いのようだ」
「そっかー」
アリアンの無意識に垂れ流す知識を活かせるかどうかは私の手腕にかかっているらしい。
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