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14 私はとても幸せです。
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「ノイシュ!おめでとう!」
「お兄様、本当にお綺麗だわ……」
「え、あ、ありがとう」
結局、あまり大きくない神殿で式を挙げ、少しの人達を招いて披露宴をして、私はセリウス様と結婚した。リハルト家から、家族全員が来てくれた。
「ほら、アリーチェも喜んでますよー?」
「うぶー!」
「本当だ。ご機嫌だね、アリー」
「あばー!」
あの時の赤ちゃんは産まれ、アリーチェと名前をつけた。セリウス様そっくりの黒髪と私そっくりの紫の目をしたとても可愛い女の子だ。
「絶対に美人になる。早めに虫避けをしなくては!」
セリウス様が張り切っていらっしゃった。
「でもノイシュの方が可愛らしく美しいがな?」
「……セリウス様……」
セリウス様のご要望で着たウェディングドレスの上からお腹を優しく撫でられた。
妊娠、出産で有耶無耶になっていた結婚も急いで執り行った。何せ二人目がすぐ出来たから。
「もう一刻の猶予もないし、我慢できん!!」
気がつくと全ての用意は完了していて、式場から、ドレスから、招待客まで手配済みになっていた。
「はいしか許さん」
「……はい、セリウス様の……妻にしていただけますか?」
「当然だ。ノイシュ以外お断りだ」
私は小説通りに沢山の子供を産む事になるが、それは全員セリウス様の子供で、たくさんの貴族の間を歩かされることはなく、生涯ただ一人を愛し通すことが出来た。
姉ちゃんの小説のようにならなくて、本当に良かった。セリウス様には感謝してもしきれないし、凄く愛している。
「でも、あの……流石にこれ以上は……」
「まあ……妊娠中は思いっきりやれないからな……」
えっ?!そこなの?!と思わず声を上げそうになったが、子供が十人を超えたあたりから、少しだけ考えてくれるようになった。それでも
「あん!あん!ま、また、またイくっ!イイっ!あーーーーっ!」
「イイぞ、ノーシュ!ほら、お前の好きな種付けだ!良く味わって!」
「イイっーーあーーーーっ!」
大体毎日致しているし、私はやっぱり中に出されるのが気持ち良くて堪らない。何年経ってもセリウス様は素敵だった。
ずっと可愛がって貰えるようにしなくては……。暖かい体に手を回し、ぎゅっと抱きついた。
「ん?おねだりが上手になったな?今夜も眠れなくても文句は言うなよ?」
「はい……旦那様、お願いします」
気がつくと昼近くになっていて、セリウス様は騎士団にご出勤の後でお見送りにもいけないなんて恥ずかしすぎる毎日だ。
「お父様とお母様が仲良すぎるのがいけないのですわ。愛し合い過ぎるのも考えものですわね」
「ご、ごめんなさい、アリー」
「でも大丈夫ですわ!わたくしがお母様の代わりにいってらっしゃいのちゅーをして差し上げましたから!」
長女のアリーチェはもう10歳にもなる。親バカかもしれないけれど、頭も良くて器量も良い。
しかも婚約者はこの国の王太子様だ。ほぼ一歳刻みでいる子供達は皆それぞれに素晴らしい婚約者を持ち、どの子も本当に可愛らしい。
「あーーー!セリウス坊っちゃまのお子様がこんなに!こんなにもー!爺は、爺はいつ死んでも悔いはありませんぞー!」
執事の仕事を息子に譲りつつも屋敷で働いてくれているセドリックさんはまだまだ元気だから、あと10年くらいは子供達の行儀をみたりしてくれると思う。本当に心強い。
エドワード様とランシア様は結局結婚して、お子様が四人いらっしゃる。エドワード様は貴族籍も王族籍も戻されて、王弟として忙しく仕事をなさっているが、完全にランシア様の尻に引かれていた。仕方がない事だと思う。
エラは雇われたランツ家でしっかり働いていたが、ランツ家に客としてやって来た隣国の伯爵に見染められ、第二夫人として嫁いで行ったらしい。
その後何も聞かないので、堅実に生きていると良いなと思っている。
「ノイシュ、考え事か?」
「ん……ごめんなさい、少し」
セリウス様を深く咥え込んで、心地良い暖かさに微睡んでしまっていた。何年経ってもセリウス様が気持ち良いのがいけないんだ。
「何を考えていた?他の男の事なら許さんぞ?」
絶対にそんな事ないのに、奥を意地悪く突かれ
「あんっ……!」
気持ち良くて高い声が漏れてしまう。
「あ、あの……あの時、セリウス様に見つけて貰えなかったら……私の今の幸せはなかったな……って」
きゅっと広い背中に抱きついた。小説の中にざまぁ後のリハルト家についての表記は少なかったけれど、ノイシュに関してはちゃんと書いてあったから。
たくさんの貴族達の慰み者。幸せである訳がない。
「ノイシュ、ノーシュ。お前は今、幸せか?」
セリウス様の青い瞳と視線が合った。幸せにしている自信はある、だが……ほんの少しだけ不安が揺れる瞳。
ちょっと強引だけど、こんな時は少しだけ自信がないのですか?一番自信を持っていい所ですよ?
「勿論です、私の愛しい旦那様。ずーっとずーっと可愛がってくださいませね?」
「ああ、当然だ。嫌がっても離してやらんぞ?」
ああ、今夜も素敵な夜になりそうだ。ただ、明日の朝のお見送りは子供達にまた任せる事になりそうだ。それでも
「ああっ!あんっ!イイっイイです!セリウスさまぁーーっ」
「ナカに出すぞ!」
「おねがい、おねがいしますぅ!」
私はとても幸せだ。
「お兄様、本当にお綺麗だわ……」
「え、あ、ありがとう」
結局、あまり大きくない神殿で式を挙げ、少しの人達を招いて披露宴をして、私はセリウス様と結婚した。リハルト家から、家族全員が来てくれた。
「ほら、アリーチェも喜んでますよー?」
「うぶー!」
「本当だ。ご機嫌だね、アリー」
「あばー!」
あの時の赤ちゃんは産まれ、アリーチェと名前をつけた。セリウス様そっくりの黒髪と私そっくりの紫の目をしたとても可愛い女の子だ。
「絶対に美人になる。早めに虫避けをしなくては!」
セリウス様が張り切っていらっしゃった。
「でもノイシュの方が可愛らしく美しいがな?」
「……セリウス様……」
セリウス様のご要望で着たウェディングドレスの上からお腹を優しく撫でられた。
妊娠、出産で有耶無耶になっていた結婚も急いで執り行った。何せ二人目がすぐ出来たから。
「もう一刻の猶予もないし、我慢できん!!」
気がつくと全ての用意は完了していて、式場から、ドレスから、招待客まで手配済みになっていた。
「はいしか許さん」
「……はい、セリウス様の……妻にしていただけますか?」
「当然だ。ノイシュ以外お断りだ」
私は小説通りに沢山の子供を産む事になるが、それは全員セリウス様の子供で、たくさんの貴族の間を歩かされることはなく、生涯ただ一人を愛し通すことが出来た。
姉ちゃんの小説のようにならなくて、本当に良かった。セリウス様には感謝してもしきれないし、凄く愛している。
「でも、あの……流石にこれ以上は……」
「まあ……妊娠中は思いっきりやれないからな……」
えっ?!そこなの?!と思わず声を上げそうになったが、子供が十人を超えたあたりから、少しだけ考えてくれるようになった。それでも
「あん!あん!ま、また、またイくっ!イイっ!あーーーーっ!」
「イイぞ、ノーシュ!ほら、お前の好きな種付けだ!良く味わって!」
「イイっーーあーーーーっ!」
大体毎日致しているし、私はやっぱり中に出されるのが気持ち良くて堪らない。何年経ってもセリウス様は素敵だった。
ずっと可愛がって貰えるようにしなくては……。暖かい体に手を回し、ぎゅっと抱きついた。
「ん?おねだりが上手になったな?今夜も眠れなくても文句は言うなよ?」
「はい……旦那様、お願いします」
気がつくと昼近くになっていて、セリウス様は騎士団にご出勤の後でお見送りにもいけないなんて恥ずかしすぎる毎日だ。
「お父様とお母様が仲良すぎるのがいけないのですわ。愛し合い過ぎるのも考えものですわね」
「ご、ごめんなさい、アリー」
「でも大丈夫ですわ!わたくしがお母様の代わりにいってらっしゃいのちゅーをして差し上げましたから!」
長女のアリーチェはもう10歳にもなる。親バカかもしれないけれど、頭も良くて器量も良い。
しかも婚約者はこの国の王太子様だ。ほぼ一歳刻みでいる子供達は皆それぞれに素晴らしい婚約者を持ち、どの子も本当に可愛らしい。
「あーーー!セリウス坊っちゃまのお子様がこんなに!こんなにもー!爺は、爺はいつ死んでも悔いはありませんぞー!」
執事の仕事を息子に譲りつつも屋敷で働いてくれているセドリックさんはまだまだ元気だから、あと10年くらいは子供達の行儀をみたりしてくれると思う。本当に心強い。
エドワード様とランシア様は結局結婚して、お子様が四人いらっしゃる。エドワード様は貴族籍も王族籍も戻されて、王弟として忙しく仕事をなさっているが、完全にランシア様の尻に引かれていた。仕方がない事だと思う。
エラは雇われたランツ家でしっかり働いていたが、ランツ家に客としてやって来た隣国の伯爵に見染められ、第二夫人として嫁いで行ったらしい。
その後何も聞かないので、堅実に生きていると良いなと思っている。
「ノイシュ、考え事か?」
「ん……ごめんなさい、少し」
セリウス様を深く咥え込んで、心地良い暖かさに微睡んでしまっていた。何年経ってもセリウス様が気持ち良いのがいけないんだ。
「何を考えていた?他の男の事なら許さんぞ?」
絶対にそんな事ないのに、奥を意地悪く突かれ
「あんっ……!」
気持ち良くて高い声が漏れてしまう。
「あ、あの……あの時、セリウス様に見つけて貰えなかったら……私の今の幸せはなかったな……って」
きゅっと広い背中に抱きついた。小説の中にざまぁ後のリハルト家についての表記は少なかったけれど、ノイシュに関してはちゃんと書いてあったから。
たくさんの貴族達の慰み者。幸せである訳がない。
「ノイシュ、ノーシュ。お前は今、幸せか?」
セリウス様の青い瞳と視線が合った。幸せにしている自信はある、だが……ほんの少しだけ不安が揺れる瞳。
ちょっと強引だけど、こんな時は少しだけ自信がないのですか?一番自信を持っていい所ですよ?
「勿論です、私の愛しい旦那様。ずーっとずーっと可愛がってくださいませね?」
「ああ、当然だ。嫌がっても離してやらんぞ?」
ああ、今夜も素敵な夜になりそうだ。ただ、明日の朝のお見送りは子供達にまた任せる事になりそうだ。それでも
「ああっ!あんっ!イイっイイです!セリウスさまぁーーっ」
「ナカに出すぞ!」
「おねがい、おねがいしますぅ!」
私はとても幸せだ。
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