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6 価値はないけどやればできる子だった
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「ファイア!」
ボン! あ、火が出た! マチェット君は魔法が使えるようになったぞ! でもまだ威力は弱い。何故なら全身を回る魔力回路が弱っちいからだ。血管みたいに魔力を流す道筋が体にはあって、それに魔力をぐるぐる巡らせて練り上げて魔法にするって感じなんだけど、今までマチェット君の魔力回路はシナシナだった。
それにたまっていた魔力がちょっとずつ流れるようになったから魔力回路レベル1ってとこ。だから威力は弱い、でもね。
「お、俺……魔法が使えるようになった……絶対無理だと思っていたのに……俺、俺……!」
マチェット君嬉し泣きしてる。そうなんだ……魔法、使いたくても使えなかったんだな。良かったな、マチェット君。これから本を読んで色んな魔法を使って魔力回路を鍛えよう。18年間使ってなかったからすぐは強くなれないけど、いっぱい使えば強くなるよ。
「うん……うん、ありがとう、おれがんば……? んん?」
ん?俺とマチェット君はお話は出来ないはずなんだけど、俺が考えていることはふんわり伝わるようだ。マチェット君もなんでそんな事言ってんだろ? って不思議な顔してるけど、俺も不思議。まあ頭ン中にお邪魔中だしな。いいじゃん、次の魔法覚えようぜ、気にすんな。
「よし、いきなり中級は無理だろうから次は水魔法だな……」
いいぞーマチェット、ファイト-。後、魔法って体力使うから、体力増強しろよ、お前血管もやべーからな。
「……朝、走るか」
走れ走れ! 俺はゆっくり寝てるけどね。
マチェット君は魔力回路が動き出してから、評判が良くなった。まず、魔法が使えるのはごく一部の人間なんだ。それがまず、マチェット君の自信になっている。
「はっ!はっ!」
なぁんとあれから2年間、毎日領内を走っている。いいぞーがんばれ~俺は寝てるけど。マチェット君ってやれば出来るし、頑張れる子だったんだよ!
「坊ちゃま、今日もお早いですね」
「お前が遅いんだ」
でも憎まれ口をたたく。それでも領民はニコニコしている。
「坊ちゃま……あのぉ」
「フン、私に頼むとはいい度胸だ」
かまどに火がつかないおばあちゃんちのかまどに種火をつけてやる。
「フン」
「す、すみません。マチェット様!」
道に張り出し過ぎていた枝を風の刃で切って邪魔にならない位置に置く。
「うー、水運び重いよ~」
「うるさい黙れ!」
「ありがと~」
子供の家の水がめを水でいっぱいにしてやる。マチェット君はツンツンデレデレしながらランニングをしている。フン、男のツンデレに何の価値があるんだ! バーローめ。
俺には不評だが、俺以外の人からの評価は鰻登りなんだよなぁ。
「マチェット様ってさ……意外と素敵よね」
「あ! 分かる。前までのボヨンでニキビでボコボコだったときはウゲェって思ってたけど」
「そうなの! ニキビがなくなったらつるつるだし、ちょっと口が悪いけど優しいところあるし、魔法使えるし!」
「最近スリムになってきて、変な匂いもしないし!」
町の女の子にもモテてきた! う、裏切ったなあああマチェットおおおお!
「……ファイアアロー!うん、良い調子だ」
中級魔法やらなんやらいろいろ覚えてきたし、結構前にお前頭悪いからなー勉強とかできねえだろ? って煽ったら本とか読み始めて、最初開いた時ちんぷんかんぷんだったあの本が分かるようになってきてた。ついでに俺も分かるようになったのはありがたいけど、マチェット、本当にやればできる子だった。
マジでマチェットの中、居づらくなった。
ボン! あ、火が出た! マチェット君は魔法が使えるようになったぞ! でもまだ威力は弱い。何故なら全身を回る魔力回路が弱っちいからだ。血管みたいに魔力を流す道筋が体にはあって、それに魔力をぐるぐる巡らせて練り上げて魔法にするって感じなんだけど、今までマチェット君の魔力回路はシナシナだった。
それにたまっていた魔力がちょっとずつ流れるようになったから魔力回路レベル1ってとこ。だから威力は弱い、でもね。
「お、俺……魔法が使えるようになった……絶対無理だと思っていたのに……俺、俺……!」
マチェット君嬉し泣きしてる。そうなんだ……魔法、使いたくても使えなかったんだな。良かったな、マチェット君。これから本を読んで色んな魔法を使って魔力回路を鍛えよう。18年間使ってなかったからすぐは強くなれないけど、いっぱい使えば強くなるよ。
「うん……うん、ありがとう、おれがんば……? んん?」
ん?俺とマチェット君はお話は出来ないはずなんだけど、俺が考えていることはふんわり伝わるようだ。マチェット君もなんでそんな事言ってんだろ? って不思議な顔してるけど、俺も不思議。まあ頭ン中にお邪魔中だしな。いいじゃん、次の魔法覚えようぜ、気にすんな。
「よし、いきなり中級は無理だろうから次は水魔法だな……」
いいぞーマチェット、ファイト-。後、魔法って体力使うから、体力増強しろよ、お前血管もやべーからな。
「……朝、走るか」
走れ走れ! 俺はゆっくり寝てるけどね。
マチェット君は魔力回路が動き出してから、評判が良くなった。まず、魔法が使えるのはごく一部の人間なんだ。それがまず、マチェット君の自信になっている。
「はっ!はっ!」
なぁんとあれから2年間、毎日領内を走っている。いいぞーがんばれ~俺は寝てるけど。マチェット君ってやれば出来るし、頑張れる子だったんだよ!
「坊ちゃま、今日もお早いですね」
「お前が遅いんだ」
でも憎まれ口をたたく。それでも領民はニコニコしている。
「坊ちゃま……あのぉ」
「フン、私に頼むとはいい度胸だ」
かまどに火がつかないおばあちゃんちのかまどに種火をつけてやる。
「フン」
「す、すみません。マチェット様!」
道に張り出し過ぎていた枝を風の刃で切って邪魔にならない位置に置く。
「うー、水運び重いよ~」
「うるさい黙れ!」
「ありがと~」
子供の家の水がめを水でいっぱいにしてやる。マチェット君はツンツンデレデレしながらランニングをしている。フン、男のツンデレに何の価値があるんだ! バーローめ。
俺には不評だが、俺以外の人からの評価は鰻登りなんだよなぁ。
「マチェット様ってさ……意外と素敵よね」
「あ! 分かる。前までのボヨンでニキビでボコボコだったときはウゲェって思ってたけど」
「そうなの! ニキビがなくなったらつるつるだし、ちょっと口が悪いけど優しいところあるし、魔法使えるし!」
「最近スリムになってきて、変な匂いもしないし!」
町の女の子にもモテてきた! う、裏切ったなあああマチェットおおおお!
「……ファイアアロー!うん、良い調子だ」
中級魔法やらなんやらいろいろ覚えてきたし、結構前にお前頭悪いからなー勉強とかできねえだろ? って煽ったら本とか読み始めて、最初開いた時ちんぷんかんぷんだったあの本が分かるようになってきてた。ついでに俺も分かるようになったのはありがたいけど、マチェット、本当にやればできる子だった。
マジでマチェットの中、居づらくなった。
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