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30 シェリリア男爵令嬢
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「こんにちわぁ~!シャトルリア様ァ……2年?3年ぶりかしらあ?」
「初めてお会いする、と思ったのだけれども?」
「あらやだ、つめたあぁい!学園で会ってたじゃないですかぁ?殿下がご卒業間際から、アタシィ殿下にお声がけもらってましたしぃ?」
「そうだったんだ、気が付かなかったよ」
俺はきったない城の最下層の牢でシェリリア男爵令嬢と対面していた。
「は……やっぱアタシ、アンタのこと大っ嫌い!」
憎々し気な目で睨まれても、俺も困ってしまう。はっきり言って俺はこいつのことを良く知らん。殿下にヤヴァイオクスリを渡していたことしかしらん。後、あんまり頭も良くないしマナーも悪いってことが2.3語言葉を交わして分かったって感じ。
「私に会わせろと申し伝えたそうだけど、何か用なんですか?」
牢番達が伝えてきたんだ。シャトルリアに会わせろってシェリリア男爵令嬢が騒いでるって。
「なんかさぁ、アンタ。調子に乗ってるんだって?聖女とか呼ばれてるらしいじゃない?男のくせに!殿下に捨てられた癖にぃ!」
「そうらしいね」
聖女のくだりはここに来てから宰相さんがぽろっともらしてびっくりしたよ。俺、男だっつーの。聖女ってなによ、笑うー!大笑いしたい所だったけれど、俺の頑張って創り上げた鉄壁の「淑女(淑女?)の仮面」はそんな事では傷一つつかないぜ。まあ殿下に捨てられたのは事実だ。別に否定する事でもないしみんな知ってるからいまさら言われてもなあ、って感じ。
「もっとさあ!泣き喚きなさいよ!平気な顔してホントやなやつ!!殿下に縋って泣きついて、そしてみじめに這いつくばればいいのに、やな奴、やな奴!!」
「貴様ーー!いい加減にッ!」
「シャトルリア様はホルランド様に捨てられてなんかーー」
「皆、静かに」
俺より心配してついてきてくれた侍女ちゃんやら騎士さんやら牢番さんやらがきれた。いまさらだろう?婚約破棄から1年?2年?経ってるんだよ。それに国民だって知ってるのに、変な子だ。
「私を罵倒したくて呼んだのか?私も忙しくてね。君の話を聞くだけでこの城の最下層の牢獄まで呼ばれるのはちょっと困るんだ。用がないなら行くよ、きっと二度と会わないと思うけど」
俺が傍にいないとホランがピィピィ泣くからな。早く戻ってやらないと。
「ハン!その余裕ぶった顔できんのも、今のうちよ!いいのぉ?アタシに、土下座した方が良いわよォ!知りたいんでしょう!あの薬の成分をさあ!」
「……」
そういえばそうだっけ。何が含まれてたか分からないから解毒薬を作ることが出来ずにいるって言ってたっけ。頭の瘤の方は落ち着いて来たし、確かに成分は知りたいな。
「教えてくれるのかい?」
「アンタが!みっともなくそこで土下座して、この汚い床に顔を擦り付けてぇ「シェリリア様すいません!お許しください!!」って言えば教えてやるよぉ!」
変な女だ。その成分の謎が知りたくて生かしておいて貰っているのに、喋ったら殺されちゃうだろうに。本当に喋るのかなあ?
「そんなことをしても君が言わない可能性の方が高いだろう?」
「アタシはぁ、嘘はつかないのよおお!だっていい女ですものォ!」
はあ、めんどくさ。こういうのには付き合ってらんないよ。今、俺の着ている服は白い。何か知らないけれどこの国では俺に白い服を着せたがる。聖女っぽいイメージをつけたいんだろうか?白の手触りの良い高級な布地に金糸で縫い取りがしてある着心地のいい服。こんなのでこの汚物と泥に汚れた床に膝なんて付いたらあり得ないくらいドロドロに汚れちゃうだろ?どうすんだよ。
「シェリリア様すみません、どうぞお許しください」
俺は汚い床に額を擦り付け土下座をした。
「初めてお会いする、と思ったのだけれども?」
「あらやだ、つめたあぁい!学園で会ってたじゃないですかぁ?殿下がご卒業間際から、アタシィ殿下にお声がけもらってましたしぃ?」
「そうだったんだ、気が付かなかったよ」
俺はきったない城の最下層の牢でシェリリア男爵令嬢と対面していた。
「は……やっぱアタシ、アンタのこと大っ嫌い!」
憎々し気な目で睨まれても、俺も困ってしまう。はっきり言って俺はこいつのことを良く知らん。殿下にヤヴァイオクスリを渡していたことしかしらん。後、あんまり頭も良くないしマナーも悪いってことが2.3語言葉を交わして分かったって感じ。
「私に会わせろと申し伝えたそうだけど、何か用なんですか?」
牢番達が伝えてきたんだ。シャトルリアに会わせろってシェリリア男爵令嬢が騒いでるって。
「なんかさぁ、アンタ。調子に乗ってるんだって?聖女とか呼ばれてるらしいじゃない?男のくせに!殿下に捨てられた癖にぃ!」
「そうらしいね」
聖女のくだりはここに来てから宰相さんがぽろっともらしてびっくりしたよ。俺、男だっつーの。聖女ってなによ、笑うー!大笑いしたい所だったけれど、俺の頑張って創り上げた鉄壁の「淑女(淑女?)の仮面」はそんな事では傷一つつかないぜ。まあ殿下に捨てられたのは事実だ。別に否定する事でもないしみんな知ってるからいまさら言われてもなあ、って感じ。
「もっとさあ!泣き喚きなさいよ!平気な顔してホントやなやつ!!殿下に縋って泣きついて、そしてみじめに這いつくばればいいのに、やな奴、やな奴!!」
「貴様ーー!いい加減にッ!」
「シャトルリア様はホルランド様に捨てられてなんかーー」
「皆、静かに」
俺より心配してついてきてくれた侍女ちゃんやら騎士さんやら牢番さんやらがきれた。いまさらだろう?婚約破棄から1年?2年?経ってるんだよ。それに国民だって知ってるのに、変な子だ。
「私を罵倒したくて呼んだのか?私も忙しくてね。君の話を聞くだけでこの城の最下層の牢獄まで呼ばれるのはちょっと困るんだ。用がないなら行くよ、きっと二度と会わないと思うけど」
俺が傍にいないとホランがピィピィ泣くからな。早く戻ってやらないと。
「ハン!その余裕ぶった顔できんのも、今のうちよ!いいのぉ?アタシに、土下座した方が良いわよォ!知りたいんでしょう!あの薬の成分をさあ!」
「……」
そういえばそうだっけ。何が含まれてたか分からないから解毒薬を作ることが出来ずにいるって言ってたっけ。頭の瘤の方は落ち着いて来たし、確かに成分は知りたいな。
「教えてくれるのかい?」
「アンタが!みっともなくそこで土下座して、この汚い床に顔を擦り付けてぇ「シェリリア様すいません!お許しください!!」って言えば教えてやるよぉ!」
変な女だ。その成分の謎が知りたくて生かしておいて貰っているのに、喋ったら殺されちゃうだろうに。本当に喋るのかなあ?
「そんなことをしても君が言わない可能性の方が高いだろう?」
「アタシはぁ、嘘はつかないのよおお!だっていい女ですものォ!」
はあ、めんどくさ。こういうのには付き合ってらんないよ。今、俺の着ている服は白い。何か知らないけれどこの国では俺に白い服を着せたがる。聖女っぽいイメージをつけたいんだろうか?白の手触りの良い高級な布地に金糸で縫い取りがしてある着心地のいい服。こんなのでこの汚物と泥に汚れた床に膝なんて付いたらあり得ないくらいドロドロに汚れちゃうだろ?どうすんだよ。
「シェリリア様すみません、どうぞお許しください」
俺は汚い床に額を擦り付け土下座をした。
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