35 / 122
35 こんなの聞いてない!2(神子カズハ視点)
しおりを挟む
「う、嘘でしょ……」
リドリーは8階までするすると上がってきてしまった。本当に他の人は何もしていなかったのに!
「9階か……流石にまだきついです」
「そりゃほんの最近入ったんだし、当然だよな」
「くそっ!殿下に勝ちたいのにっ」
「流石にすぐに追いつかれちゃたまったものじゃないよ。でも本当にとりなしてくれよ?」
「殿下のお心掛け次第ですぅ~」
「あっ!こらっ!」
セブスト殿下とリドリーが気安い様子でお話している。待って、待ってどうなってるの!?僕との連携技は!?親密度はどうなっちゃうの!?やめてこれ以上上に行かないで!
「では私も参加しましょうか」
「くそうっ」
リドリーとトレヴァーが前に出た。待って、待ってったら!どこまで進む気なの!?僕が目を白黒させている間に攻略が難しいはずの9階まで凄い勢いで進んで行った。え、なに9階も道順覚えているの!?そしてあっさり9階のボスにたどり着く。
「こいつは私が貰う、良いな?」
「はい、どうぞ」
「予備でも狙ってるんですかね?」
「そりゃそうでしょ」
リドリーもトレヴァーもぐっと下がる。
「え?待って!ここってボスが出る所じゃん!?セ、セブスト一人で行かせてどうすんの?!やめさせて!」
このゲーム、死なないけど、あんな魔獣に齧られたら痛いよ!?でもゲームは死ななかったけど、今なら死んじゃうかもしれない!セブストが死んだら僕の悠々楽々貴族生活が駄目になるじゃん!!
「カズハ、邪魔だから下がれ」
「え?ジャスパー何言ってんの!セブストが!」
「それ以上前へ出るとお前が邪魔になる、引っ込んでろ。どうせ一瞬で終わる」
「え?」
だ、だって9階のボスだよ!しかも一人なんてあり得ない!怖い!いきなり9階に来るのもおかしいけど、ボス戦を一人でやるのもおかしい!
「ぼ、僕は死にたくないーーっ!」
後ろへ全速力で下がると同時に、獣の鳴き声が激しく響いた!で、出た!出たんだ!!!
「ふっ!」
僕には何にも分からなかったけれど、セブストは飛び上がったみたいだった。
ごろん
何かが転がっている。な、なに?あれ……く、首!?ここのボス、ケルベロスの三つある首がゴロゴロゴロっと転がってるよ!?た、倒したの!?うそ、どうやって?倒しちゃったの!?
「出たか?」
「出ないね、そうそう出るもんじゃないし」
「セブスト殿下の引きは悪すぎじゃないですか?たまには俺が切った方が出るんじゃないです?」
「今度は私が倒してみましょうか?」
転がった首をを見下ろしながら皆がつまらなさそうに呟いている。
「え?え??え?」
「おい、行くぞ。10階だ」
「秘薬も落ちませんでしたし、今日は周回なしですし、さっさと魔王倒しちゃいますよ」
え、う、嘘だろ?な、なんで9階のボスが一撃で首がごろんしちゃってるの?!え?なに、何なの?!セブストってあり得なくない?!
嘘でしょ!王子様なんだよ?!なのに何でそんなに強いの?!そして皆なんで普通にしてるの?!ボスだよ!しかも普通に魔王がいる10階に向かおうとしてる!
「う、嘘でしょ……なんで、なんで……」
「早く行くぞ」
本当に何事もなかったかように慣れた足取りで進んでいく。ほんとにどうなってるの?!
リドリーは8階までするすると上がってきてしまった。本当に他の人は何もしていなかったのに!
「9階か……流石にまだきついです」
「そりゃほんの最近入ったんだし、当然だよな」
「くそっ!殿下に勝ちたいのにっ」
「流石にすぐに追いつかれちゃたまったものじゃないよ。でも本当にとりなしてくれよ?」
「殿下のお心掛け次第ですぅ~」
「あっ!こらっ!」
セブスト殿下とリドリーが気安い様子でお話している。待って、待ってどうなってるの!?僕との連携技は!?親密度はどうなっちゃうの!?やめてこれ以上上に行かないで!
「では私も参加しましょうか」
「くそうっ」
リドリーとトレヴァーが前に出た。待って、待ってったら!どこまで進む気なの!?僕が目を白黒させている間に攻略が難しいはずの9階まで凄い勢いで進んで行った。え、なに9階も道順覚えているの!?そしてあっさり9階のボスにたどり着く。
「こいつは私が貰う、良いな?」
「はい、どうぞ」
「予備でも狙ってるんですかね?」
「そりゃそうでしょ」
リドリーもトレヴァーもぐっと下がる。
「え?待って!ここってボスが出る所じゃん!?セ、セブスト一人で行かせてどうすんの?!やめさせて!」
このゲーム、死なないけど、あんな魔獣に齧られたら痛いよ!?でもゲームは死ななかったけど、今なら死んじゃうかもしれない!セブストが死んだら僕の悠々楽々貴族生活が駄目になるじゃん!!
「カズハ、邪魔だから下がれ」
「え?ジャスパー何言ってんの!セブストが!」
「それ以上前へ出るとお前が邪魔になる、引っ込んでろ。どうせ一瞬で終わる」
「え?」
だ、だって9階のボスだよ!しかも一人なんてあり得ない!怖い!いきなり9階に来るのもおかしいけど、ボス戦を一人でやるのもおかしい!
「ぼ、僕は死にたくないーーっ!」
後ろへ全速力で下がると同時に、獣の鳴き声が激しく響いた!で、出た!出たんだ!!!
「ふっ!」
僕には何にも分からなかったけれど、セブストは飛び上がったみたいだった。
ごろん
何かが転がっている。な、なに?あれ……く、首!?ここのボス、ケルベロスの三つある首がゴロゴロゴロっと転がってるよ!?た、倒したの!?うそ、どうやって?倒しちゃったの!?
「出たか?」
「出ないね、そうそう出るもんじゃないし」
「セブスト殿下の引きは悪すぎじゃないですか?たまには俺が切った方が出るんじゃないです?」
「今度は私が倒してみましょうか?」
転がった首をを見下ろしながら皆がつまらなさそうに呟いている。
「え?え??え?」
「おい、行くぞ。10階だ」
「秘薬も落ちませんでしたし、今日は周回なしですし、さっさと魔王倒しちゃいますよ」
え、う、嘘だろ?な、なんで9階のボスが一撃で首がごろんしちゃってるの?!え?なに、何なの?!セブストってあり得なくない?!
嘘でしょ!王子様なんだよ?!なのに何でそんなに強いの?!そして皆なんで普通にしてるの?!ボスだよ!しかも普通に魔王がいる10階に向かおうとしてる!
「う、嘘でしょ……なんで、なんで……」
「早く行くぞ」
本当に何事もなかったかように慣れた足取りで進んでいく。ほんとにどうなってるの?!
応援ありがとうございます!
21
お気に入りに追加
2,599
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる