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22 仕方がなくなんですよ

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「マークさん、聖騎士団長に助けてもらったんだって?」
「ええ、凄く助かりました……流石聖騎士団長様は……素敵ですね」

 まあこんな感じの態度を取っておけばオッケーだ。初級治癒術師マークは本当に顔が広いから、この噂は軽く素早く広がるだろう。その程度で良い。後は多分勝手に誤解とかしてくれたら丸儲けだ。

「あ、あの凛莉師匠。初級治癒術師のマークがフロウライト・アイアンメイデンに好意を抱いてるって噂なんですけど」
「上手く使えばいいだろう」
「あ、はいっ! ですよねーっ」

 恐る恐る聞いて来たサファイア君にそう返事をしておく。こういえばこの噂は否定する必要がないこと、俺が把握済みであり、なんなら流したのは俺自身であること。さらに噂を使って何かなそうとしていることがあることなんかを嗅ぎ取ってくれるはずだ。

「あのやけに迫力ある門番の牽制にフロウライト・アイアンメイデンはやり過ぎでは……いや待て、フロウライトを当てなくちゃならない程ってことか?? アレが必要なんて竜騎士・極くらい……ま、まさかあの門番、そうなのか! そうか、だから……」

 ぶつぶつと呟いているサファイア君は真相に辿り着いたようだ。

「俺、あん時よく生きてたなぁ」

 兵舎で邪魔した時のことを思い出してブルっと震えている。本当だね、サファイア君は運が良い。

「に、しても凛莉師匠はまたガードが固くなってるし、中の人も隙がなくなって来たし、最近あんまりエロい顔してないしぃ残念だよーっ」

 そう、凛莉師匠のガードが固かった訳が分かってしまった今はサファイア君に声をかけてやる理由もない。


 夜、マークの家の寝室。そこで気配を探る。サファイア君を始め、数人の闇暗殺者が俺を窺ってる……まあ部下というかストーカーどもだ。その全員に軽く殺気を当てる。

「ひっ!バレた」
「た、退散ー!これ以上いると師匠に嫌われるぞ」

 そうやって全員追い払ってから俺は慣れた手つきであの宝箱を開けちゃうんだ。

「なんていうか……エロい」

 本格的にマラカイト・凛莉として生きることになって、この体について色々分かって来た。

「凛莉師匠はエロい。ていうか性欲ぱない……」

 油断するとすぐムラムラしてる。ただ培った鉄面皮でまったく分からない、でも相当ムラムラしてる……そりゃおっぱいもお尻もぷりんぷりんするわ!
 そいつを解消とまで行かなくても減少させるのにはやっぱり宝箱の中身が活躍してしまう。何せ誰かと致すのはちょっと怖い。乱れて自分が分からなくなったら何を口走るか見当もつかない。
 そんななら、自分で処理したほうが安全ということだ。



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