30 / 127
30 どうしてもお願いしたい事
しおりを挟む
季節が巡って秋になってきた。
「お願い!お願い!どうしても!」
「仕方がないですね~」
俺は拝み倒して、セラフィスさんにOKを貰ったやった!
「トム!トム!頼んでおいた例のアレは!?」
「ばっちりですよ!ルーチェ様!!」
トムはいい仕事をしていてくれた……ぐふふ……たまらん!
「では行くよ……皆には内緒だぞ……フフフ」
「そ、そんなに凄いモノなのですか……?」
トムが半信半疑で聞いてくるが、ふふ、馬鹿な男よ。コレを知ったらもう戻れないんだぞ。
「良いか……?聖女様達には絶対に内緒だぞ……殺されるからな」
ごくり、トムが息を呑むのが聞こえた!さあ、今がその時!
「ルーチェ様?トム?なにしてんの??」
「やば!あわわわ……!」
「ひっ!ミント!?何でここに!」
慌てて後ろに隠すも、このかぐわしい香りは誤魔化せない……
「あーーーっ!二人で焼き芋食べてるー!!ずるいずるい!!」
「ばれたーーーーーー!」
朝掃除係がトムの日を狙って、落ち葉を集めておいてもらったんだ。それにお芋をいっぱい入れて、ほっくほくに焼きあがった。
「あちち、美味しい!」
「コレ、美味いっすねー!ただ落ち葉で焼いただけなのに、どうしてこんなに美味いんすかー!?」
「分かんないけど、落ち葉で焼き芋ってやってみたかったんだよね~!」
で、隠れて食べてたからトムの幼馴染のミントに見つかっちゃった。
「み、ミントにも上げるから、皆には内緒にして!」
「3個で手をうつわ」
食べ過ぎだよ、ミント……?でもこうやって三人でがさごそお芋を食べているとどんどん見つかってしまうもので……。
「ルーチェ様?お芋は上手に焼けましたか?」
「うん!セラフィスさん。美味しいよ~一緒に食べよう!」
神殿の庭で焚火をしていいか許可を貰ったんだ。
「ほう。風流で良いですね~。うん、この黄金色に焼けた芋のホクホク感。今年の出来は良さそうですね、芋は貯蔵にも向いていますし、今年の冬は飢えるものが少ないと嬉しいですね」
ぱこっと二つに割ってセラフィスさんはにこにこ笑っている。うん、セラフィスさんはこの神殿の偉い人だから、皆の事を色々考えていて凄い。ただの雄っぱい係じゃないんだもんね。
「ルーチェ様、ほっぺたについてますよ」
「あれ?ほんとだー」
口の周りがぺたぺたする。このお芋は本当に美味しくて、とろりと蜜が垂れている。んーっ美味しい!ハンカチで拭いてくれるセラフィスさんはほんと、俺のお母さん枠。こんな美人なお母さんなんてすごい!男の人だけど。でもお父さんっぽくないんだよな~!
「あれー?みんなで何をしているのですか?」
「お芋の匂いがしますね!」
アドニスとレオニスもやってきて、わあわあと焼き芋会が始まってしまった。こうなると隠れている事なんて出来なくて、手の空いた神官さんはやってくるし、お参りに来た人も集まってくるしで俺はお芋を持って避難するしかなくなってしまった。
「せっかくお楽しみでしたのに」
セラフィスさんが残念そうに少し悲しい顔をしたけれど、大丈夫だよ。
「でもね、5個も貰って来ちゃった!ふふふ、おやつに食べようね」
食堂に持って行ってスイートポテトにしてもらうのもいいかも。お芋ならいっぱい食べても平気だし、美味しそうだよ~。
その日から「神殿では秋の間に焼き芋を配ってるぞ」なんて噂が流れちゃって、たくさんの人が参拝にくるようになっちゃった。あれ?俺のせい??
「お願い!お願い!どうしても!」
「仕方がないですね~」
俺は拝み倒して、セラフィスさんにOKを貰ったやった!
「トム!トム!頼んでおいた例のアレは!?」
「ばっちりですよ!ルーチェ様!!」
トムはいい仕事をしていてくれた……ぐふふ……たまらん!
「では行くよ……皆には内緒だぞ……フフフ」
「そ、そんなに凄いモノなのですか……?」
トムが半信半疑で聞いてくるが、ふふ、馬鹿な男よ。コレを知ったらもう戻れないんだぞ。
「良いか……?聖女様達には絶対に内緒だぞ……殺されるからな」
ごくり、トムが息を呑むのが聞こえた!さあ、今がその時!
「ルーチェ様?トム?なにしてんの??」
「やば!あわわわ……!」
「ひっ!ミント!?何でここに!」
慌てて後ろに隠すも、このかぐわしい香りは誤魔化せない……
「あーーーっ!二人で焼き芋食べてるー!!ずるいずるい!!」
「ばれたーーーーーー!」
朝掃除係がトムの日を狙って、落ち葉を集めておいてもらったんだ。それにお芋をいっぱい入れて、ほっくほくに焼きあがった。
「あちち、美味しい!」
「コレ、美味いっすねー!ただ落ち葉で焼いただけなのに、どうしてこんなに美味いんすかー!?」
「分かんないけど、落ち葉で焼き芋ってやってみたかったんだよね~!」
で、隠れて食べてたからトムの幼馴染のミントに見つかっちゃった。
「み、ミントにも上げるから、皆には内緒にして!」
「3個で手をうつわ」
食べ過ぎだよ、ミント……?でもこうやって三人でがさごそお芋を食べているとどんどん見つかってしまうもので……。
「ルーチェ様?お芋は上手に焼けましたか?」
「うん!セラフィスさん。美味しいよ~一緒に食べよう!」
神殿の庭で焚火をしていいか許可を貰ったんだ。
「ほう。風流で良いですね~。うん、この黄金色に焼けた芋のホクホク感。今年の出来は良さそうですね、芋は貯蔵にも向いていますし、今年の冬は飢えるものが少ないと嬉しいですね」
ぱこっと二つに割ってセラフィスさんはにこにこ笑っている。うん、セラフィスさんはこの神殿の偉い人だから、皆の事を色々考えていて凄い。ただの雄っぱい係じゃないんだもんね。
「ルーチェ様、ほっぺたについてますよ」
「あれ?ほんとだー」
口の周りがぺたぺたする。このお芋は本当に美味しくて、とろりと蜜が垂れている。んーっ美味しい!ハンカチで拭いてくれるセラフィスさんはほんと、俺のお母さん枠。こんな美人なお母さんなんてすごい!男の人だけど。でもお父さんっぽくないんだよな~!
「あれー?みんなで何をしているのですか?」
「お芋の匂いがしますね!」
アドニスとレオニスもやってきて、わあわあと焼き芋会が始まってしまった。こうなると隠れている事なんて出来なくて、手の空いた神官さんはやってくるし、お参りに来た人も集まってくるしで俺はお芋を持って避難するしかなくなってしまった。
「せっかくお楽しみでしたのに」
セラフィスさんが残念そうに少し悲しい顔をしたけれど、大丈夫だよ。
「でもね、5個も貰って来ちゃった!ふふふ、おやつに食べようね」
食堂に持って行ってスイートポテトにしてもらうのもいいかも。お芋ならいっぱい食べても平気だし、美味しそうだよ~。
その日から「神殿では秋の間に焼き芋を配ってるぞ」なんて噂が流れちゃって、たくさんの人が参拝にくるようになっちゃった。あれ?俺のせい??
129
あなたにおすすめの小説
私の息子を“愛人の子の下”にすると言った夫へ──その瞬間、正妻の役目は終わりました
放浪人
恋愛
政略結婚で伯爵家に嫁いだ侯爵令嬢リディアは、愛のない夫婦関係を「正妻の務め」と割り切り、赤字だらけの領地を立て直してきた。帳簿を整え、税の徴収を正し、交易路を広げ、収穫が不安定な年には備蓄を回す――伯爵家の体裁を保ってきたのは、いつも彼女の実務だった。
だがある日、夫オスヴァルドが屋敷に連れ帰ったのは“幼馴染”の女とその息子。
「彼女は可哀想なんだ」
「この子を跡取りにする」
そして人前で、平然と言い放つ。
――「君の息子は、愛人の子の“下”で学べばいい」
その瞬間、リディアの中で何かが静かに終わった。怒鳴らない。泣かない。微笑みすら崩さない。
「承知しました。では――正妻の役目は終わりましたね」
悪役令嬢の兄、閨の講義をする。
猫宮乾
BL
ある日前世の記憶がよみがえり、自分が悪役令嬢の兄だと気づいた僕(フェルナ)。断罪してくる王太子にはなるべく近づかないで過ごすと決め、万が一に備えて語学の勉強に励んでいたら、ある日閨の講義を頼まれる。
性悪なお嬢様に命令されて泣く泣く恋敵を殺りにいったらヤられました
まりも13
BL
フワフワとした酩酊状態が薄れ、僕は気がつくとパンパンパン、ズチュッと卑猥な音をたてて激しく誰かと交わっていた。
性悪なお嬢様の命令で恋敵を泣く泣く殺りに行ったら逆にヤラれちゃった、ちょっとアホな子の話です。
(ムーンライトノベルにも掲載しています)
「役立たず」と追放された神官を拾ったのは、不眠に悩む最強の騎士団長。彼の唯一の癒やし手になった俺は、その重すぎる独占欲に溺愛される
水凪しおん
BL
聖なる力を持たず、「穢れを祓う」ことしかできない神官ルカ。治癒の奇跡も起こせない彼は、聖域から「役立たず」の烙印を押され、無一文で追放されてしまう。
絶望の淵で倒れていた彼を拾ったのは、「氷の鬼神」と恐れられる最強の竜騎士団長、エヴァン・ライオネルだった。
長年の不眠と悪夢に苦しむエヴァンは、ルカの側にいるだけで不思議な安らぎを得られることに気づく。
「お前は今日から俺専用の癒やし手だ。異論は認めん」
有無を言わさず騎士団に連れ去られたルカの、無能と蔑まれた力。それは、戦場で瘴気に蝕まれる騎士たちにとって、そして孤独な鬼神の心を救う唯一の光となる奇跡だった。
追放された役立たず神官が、最強騎士団長の独占欲と溺愛に包まれ、かけがえのない居場所を見つける異世界BLファンタジー!
俺は北国の王子の失脚を狙う悪の側近に転生したらしいが、寒いのは苦手なのでトンズラします
椿谷あずる
BL
ここはとある北の国。綺麗な金髪碧眼のイケメン王子様の側近に転生した俺は、どうやら彼を失脚させようと陰謀を張り巡らせていたらしい……。いやいや一切興味がないし!寒いところ嫌いだし!よし、やめよう!
こうして俺は逃亡することに決めた。
すべてを奪われた英雄は、
さいはて旅行社
BL
アスア王国の英雄ザット・ノーレンは仲間たちにすべてを奪われた。
隣国の神聖国グルシアの魔物大量発生でダンジョンに潜りラスボスの魔物も討伐できたが、そこで仲間に裏切られ黒い短剣で刺されてしまう。
それでも生き延びてダンジョンから生還したザット・ノーレンは神聖国グルシアで、王子と呼ばれる少年とその世話役のヴィンセントに出会う。
すべてを奪われた英雄が、自分や仲間だった者、これから出会う人々に向き合っていく物語。
寄るな。触るな。近付くな。
きっせつ
BL
ある日、ハースト伯爵家の次男、であるシュネーは前世の記憶を取り戻した。
頭を打って?
病気で生死を彷徨って?
いいえ、でもそれはある意味衝撃な出来事。人の情事を目撃して、衝撃のあまり思い出したのだ。しかも、男と男の情事で…。
見たくもないものを見せられて。その上、シュネーだった筈の今世の自身は情事を見た衝撃で何処かへ行ってしまったのだ。
シュネーは何処かに行ってしまった今世の自身の代わりにシュネーを変態から守りつつ、貴族や騎士がいるフェルメルン王国で生きていく。
しかし問題は山積みで、情事を目撃した事でエリアスという侯爵家嫡男にも目を付けられてしまう。シュネーは今世の自身が帰ってくるまで自身を守りきれるのか。
ーーーーーーーーーーー
初めての投稿です。
結構ノリに任せて書いているのでかなり読み辛いし、分かり辛いかもしれませんがよろしくお願いします。主人公がボーイズでラブするのはかなり先になる予定です。
※ストックが切れ次第緩やかに投稿していきます。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる