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42 失った物の大きさ
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その日、その王国の国民は心の底から震え上がるような恐怖の風に頬を撫でられた。
弱い者は倒れ数日寝込んだが奇跡的に命を落とす者はいなかった。何が起こったか大半の者は見当も付かなかったが、気がついた者はやはりいた。
「じゃ、邪神が起き上がった……?!」
そして皆足早に中央神殿に確認をしに行く。
「な……?!」
中央神殿は人っ子一人いなかった。この国の中央神殿と言えば類を見ないほどの奇跡に溢れた神殿であったのにだ。
地下に邪神を封印してはいるものの、常に神気に溢れている。神の眷属達が楽しげに歌い、仲良く遊んでいる夢のような光景が中庭に広がっていた。
暖かい力に満ち溢れ、近寄るだけで不調はなくなり、簡単な傷なら治ってしまうと言う神聖な場所だった。
その神聖な気がすっかり無くなっていたのだ。
「なんて事……」
がっくりと肩を下ろす国民達はそこに何もいなくなったことにすぐ気が付いた。確かにいない、邪神は消えた。だが、神の恵みも全て消え去っていた。
そして最も衝撃を受けたのが、「邪神排除」を強行した国王と王太子とその一派だった。
「は?!何故、中央神殿の神官全てが消えるのだ!」
「中央神殿の神官は……す、全て邪神について行ったと……」
「セラフィス教皇もか!」
「ええ、力は教皇レベルですがセラフィス大神官、アドニス、レオニス大神官、そして全ての聖女様も全て、ことごとくです!」
あれだけ大量の教皇、大神官、聖女を抱える国は珍しく、この国の自慢でもあったのに、全て消えてしまったのだ。
「こ、この国に今聖女は何名いるのだ……?」
「一人もおりませぬ……」
神殿は中央以外にもあるのだが、東西南北の神殿には大神官すらほとんどいない。中央神殿のレベルが桁違いだったのだ。
これだけでも相当な痛手なのに
「せ、聖騎士達が称号の全て失いました……」
「何故だ?!」
伝説の騎士達が全てその称号を失ったのだ。しかし、称号を失った騎士達は予想が出来ていたようにあきらめ顔でため息をつくだけだった。
「当然ですね。我々の聖騎士のクラスは邪神様の為に頂いたものでしたから」
「なっ?!」
邪神排除派は流石に慌てふためいた。
「ま、まさか竜騎士も……?」
「ええ、竜全て邪神様と共に行きましたから。竜のいない竜騎士は竜騎士ではありますまい」
竜騎士のクラスを賜っていた騎士達は、竜達と別れを惜しんだようだが、仕方がなく別れたようだ。
「竜騎士も邪神様を守る為に賜ったものですから……そして我々も騎士団を辞めさせていただきます。竜のいない竜騎士など不要でしょう?」
「ま、まて!貴様らは竜はなくとも騎士としての力も素晴らしいではないか!」
「その力も全て邪神様にいただいたものですから」
元竜騎士達は揃ってどこかの国へ向かったが、排除派はそこまで追っては行かなかった。
「我々も宮廷魔術師を退職させていただきます」
20数名の魔術師も王国を去ろうとしていた。彼らは素晴らしい守護獣を失って自暴自棄と言っても不思議ではない状態だ。
「な、何故だ!」
「より高みへの道はここに在らず。あの方の側なら……」
魔術師達もどこかへ向かおうとしている。
邪神排除派は邪神の排除に成功した。しかし、その為に失ったものの大きさに日を追うごとに後悔を増していくこととなる。
弱い者は倒れ数日寝込んだが奇跡的に命を落とす者はいなかった。何が起こったか大半の者は見当も付かなかったが、気がついた者はやはりいた。
「じゃ、邪神が起き上がった……?!」
そして皆足早に中央神殿に確認をしに行く。
「な……?!」
中央神殿は人っ子一人いなかった。この国の中央神殿と言えば類を見ないほどの奇跡に溢れた神殿であったのにだ。
地下に邪神を封印してはいるものの、常に神気に溢れている。神の眷属達が楽しげに歌い、仲良く遊んでいる夢のような光景が中庭に広がっていた。
暖かい力に満ち溢れ、近寄るだけで不調はなくなり、簡単な傷なら治ってしまうと言う神聖な場所だった。
その神聖な気がすっかり無くなっていたのだ。
「なんて事……」
がっくりと肩を下ろす国民達はそこに何もいなくなったことにすぐ気が付いた。確かにいない、邪神は消えた。だが、神の恵みも全て消え去っていた。
そして最も衝撃を受けたのが、「邪神排除」を強行した国王と王太子とその一派だった。
「は?!何故、中央神殿の神官全てが消えるのだ!」
「中央神殿の神官は……す、全て邪神について行ったと……」
「セラフィス教皇もか!」
「ええ、力は教皇レベルですがセラフィス大神官、アドニス、レオニス大神官、そして全ての聖女様も全て、ことごとくです!」
あれだけ大量の教皇、大神官、聖女を抱える国は珍しく、この国の自慢でもあったのに、全て消えてしまったのだ。
「こ、この国に今聖女は何名いるのだ……?」
「一人もおりませぬ……」
神殿は中央以外にもあるのだが、東西南北の神殿には大神官すらほとんどいない。中央神殿のレベルが桁違いだったのだ。
これだけでも相当な痛手なのに
「せ、聖騎士達が称号の全て失いました……」
「何故だ?!」
伝説の騎士達が全てその称号を失ったのだ。しかし、称号を失った騎士達は予想が出来ていたようにあきらめ顔でため息をつくだけだった。
「当然ですね。我々の聖騎士のクラスは邪神様の為に頂いたものでしたから」
「なっ?!」
邪神排除派は流石に慌てふためいた。
「ま、まさか竜騎士も……?」
「ええ、竜全て邪神様と共に行きましたから。竜のいない竜騎士は竜騎士ではありますまい」
竜騎士のクラスを賜っていた騎士達は、竜達と別れを惜しんだようだが、仕方がなく別れたようだ。
「竜騎士も邪神様を守る為に賜ったものですから……そして我々も騎士団を辞めさせていただきます。竜のいない竜騎士など不要でしょう?」
「ま、まて!貴様らは竜はなくとも騎士としての力も素晴らしいではないか!」
「その力も全て邪神様にいただいたものですから」
元竜騎士達は揃ってどこかの国へ向かったが、排除派はそこまで追っては行かなかった。
「我々も宮廷魔術師を退職させていただきます」
20数名の魔術師も王国を去ろうとしていた。彼らは素晴らしい守護獣を失って自暴自棄と言っても不思議ではない状態だ。
「な、何故だ!」
「より高みへの道はここに在らず。あの方の側なら……」
魔術師達もどこかへ向かおうとしている。
邪神排除派は邪神の排除に成功した。しかし、その為に失ったものの大きさに日を追うごとに後悔を増していくこととなる。
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ーーーーーーーーーーー
初めての投稿です。
結構ノリに任せて書いているのでかなり読み辛いし、分かり辛いかもしれませんがよろしくお願いします。主人公がボーイズでラブするのはかなり先になる予定です。
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