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43 第二王子の名をレイシャルと言う
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第二王子の名前はレイシャルと言う。
「むふー!ルーチェ様は可愛いなー羊のもこもこも可愛かったし、牛柄も可愛かったし!」
姿絵は信仰に繋がるからダメ!と許可が出なかったけれど、頭の中で思い出すくらいは良いだろう!と気持ち悪くニマニマしているのだ。
「可愛いなー可愛いなー!やっぱりウチで飼いたい……」
レイシャルはペットを愛でる感覚だと自分に言い聞かせている。それならセーフのはずだ。信仰でもないし、汚い欲望にまみれた愛でもない!純粋に可愛い!それだけなんだ!
「レイシャル様、王太子殿下がお呼びです」
「分かったすぐ行く」
ニマニマしていられない時もある。大きなため息を一つ、そしてぐっと腹に力を入れる。
「ですから!何度もお伝えしたように、神殿の邪神はあのまま封印しておいてくださいますよう!」
「国内に不穏分子を抱え続けるのか?!お前達聖騎士、竜騎士もおるのだ!力づくで追い出せるだろう?」
「出来るわけがございません!我々の力はあの子を守る為の力だ!」
「戯言を」
何度も何度もこの兄とやり合ってきた。その度にルーチェ様の有用性と安全性を訴えたのに、兄である王太子は聞く耳を持ってはくれなかった。
「この国がこんなに平和なのはあの邪神がおるからです!」
「嘘をつくなッ!」
言葉を尽くしても、王太子は信じてはくれず頑なだ。
「私が居なくなったら兄はルーチェ様を排除しようと動くだろうな……」
「ほぼ、間違いなく」
私と聖騎士、そして竜騎士達は深くため息をつくしかない。宮廷魔術師も騎士達も皆「邪神はあのままにすべき」と訴えるのに兄は聞く耳を持たない。
「古くからの貴族が後押しをしている……」
しかし第二王子、兄のスペアでしかない私では、覆す事など出来ない。聖騎士と言う輝かしい称号だけが頼りとは非常に心許ない……どうしたら良いのだろうか。
「私に賛同してくれる者が居れば良いのだが……難しい事だな」
騎士達も俯くしかない。何せ邪神擁護など、人としての在り方すら疑われかねない。
「あの方と触れ合えば、考えも変わろうが……それもまた難しい事だ」
重いため息をつくしかなかった。
今年の冬はルーチェ様のご采配のお陰で病気も少なく、疫病も我が国を避けると言う物凄い効果をもたらして下さった。秋に穀倉地帯を荒らすネズミも半減したとかで良い事づくめだった。
「我が国は神の寵愛を賜りし国ですから」
兄は鼻高々に言うが、違う、我が国ではないのだ、我が国にいらっしゃるルーチェ様が神々から愛されまくっているのだ。
見た目と良い、やる事と良い。何の咎もなく押し付けられた邪神の力を懸命に押さえつけ、人や、動物、神々までもを愛しあげく待っているのが「自分を封印出来る人」などと!お人好しなんて生温い物じゃない!そしてとても可愛いのに!
「第二王子は……なんて言うか残念な人だよね~」
苦笑いで更に私の名前すらまだ覚えてくれてもいないが……。ちょっぴりビターな所もまた魅了的?
「レイシャル様?」
「あ、ああ。失礼しました、ついルーチェ様の素晴らしさに感涙しそうになり……」
「ふふ、そんなに可愛い邪神様なら私もお会いしてみたいですわ」
私は驚いて目の前の女性を見た。我が国のパーティーに招いた隣国の姫君。第一王女であらせられるとか。そんな女性を前に惚けてしまった自分を殴りたい。
「ほ、本気で言っていらっしゃる?ルーチェ様は邪神ですよ?」
「ええ、存じております。でもレイシャル様のお話ではとても心の優しい少年だと。お芋の話はとても羨ましかったですわ」
ルベルト国第一王女ミレニア様は全く嘘がない澄んだ緑の瞳で、興味深く私を見上げていた。
「むふー!ルーチェ様は可愛いなー羊のもこもこも可愛かったし、牛柄も可愛かったし!」
姿絵は信仰に繋がるからダメ!と許可が出なかったけれど、頭の中で思い出すくらいは良いだろう!と気持ち悪くニマニマしているのだ。
「可愛いなー可愛いなー!やっぱりウチで飼いたい……」
レイシャルはペットを愛でる感覚だと自分に言い聞かせている。それならセーフのはずだ。信仰でもないし、汚い欲望にまみれた愛でもない!純粋に可愛い!それだけなんだ!
「レイシャル様、王太子殿下がお呼びです」
「分かったすぐ行く」
ニマニマしていられない時もある。大きなため息を一つ、そしてぐっと腹に力を入れる。
「ですから!何度もお伝えしたように、神殿の邪神はあのまま封印しておいてくださいますよう!」
「国内に不穏分子を抱え続けるのか?!お前達聖騎士、竜騎士もおるのだ!力づくで追い出せるだろう?」
「出来るわけがございません!我々の力はあの子を守る為の力だ!」
「戯言を」
何度も何度もこの兄とやり合ってきた。その度にルーチェ様の有用性と安全性を訴えたのに、兄である王太子は聞く耳を持ってはくれなかった。
「この国がこんなに平和なのはあの邪神がおるからです!」
「嘘をつくなッ!」
言葉を尽くしても、王太子は信じてはくれず頑なだ。
「私が居なくなったら兄はルーチェ様を排除しようと動くだろうな……」
「ほぼ、間違いなく」
私と聖騎士、そして竜騎士達は深くため息をつくしかない。宮廷魔術師も騎士達も皆「邪神はあのままにすべき」と訴えるのに兄は聞く耳を持たない。
「古くからの貴族が後押しをしている……」
しかし第二王子、兄のスペアでしかない私では、覆す事など出来ない。聖騎士と言う輝かしい称号だけが頼りとは非常に心許ない……どうしたら良いのだろうか。
「私に賛同してくれる者が居れば良いのだが……難しい事だな」
騎士達も俯くしかない。何せ邪神擁護など、人としての在り方すら疑われかねない。
「あの方と触れ合えば、考えも変わろうが……それもまた難しい事だ」
重いため息をつくしかなかった。
今年の冬はルーチェ様のご采配のお陰で病気も少なく、疫病も我が国を避けると言う物凄い効果をもたらして下さった。秋に穀倉地帯を荒らすネズミも半減したとかで良い事づくめだった。
「我が国は神の寵愛を賜りし国ですから」
兄は鼻高々に言うが、違う、我が国ではないのだ、我が国にいらっしゃるルーチェ様が神々から愛されまくっているのだ。
見た目と良い、やる事と良い。何の咎もなく押し付けられた邪神の力を懸命に押さえつけ、人や、動物、神々までもを愛しあげく待っているのが「自分を封印出来る人」などと!お人好しなんて生温い物じゃない!そしてとても可愛いのに!
「第二王子は……なんて言うか残念な人だよね~」
苦笑いで更に私の名前すらまだ覚えてくれてもいないが……。ちょっぴりビターな所もまた魅了的?
「レイシャル様?」
「あ、ああ。失礼しました、ついルーチェ様の素晴らしさに感涙しそうになり……」
「ふふ、そんなに可愛い邪神様なら私もお会いしてみたいですわ」
私は驚いて目の前の女性を見た。我が国のパーティーに招いた隣国の姫君。第一王女であらせられるとか。そんな女性を前に惚けてしまった自分を殴りたい。
「ほ、本気で言っていらっしゃる?ルーチェ様は邪神ですよ?」
「ええ、存じております。でもレイシャル様のお話ではとても心の優しい少年だと。お芋の話はとても羨ましかったですわ」
ルベルト国第一王女ミレニア様は全く嘘がない澄んだ緑の瞳で、興味深く私を見上げていた。
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