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48 小坊主で兄ィ
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「所でいつまでトマポが収穫出来るんじゃろ?」
「余ったら神殿にでも寄付したらええさね。あそこはいっぱい動物飼っとるでみんな食うじゃろ」
「んだなぁ~あそこは可愛い姉ちゃんもいっぱいだし、怪我とか治してくれるしのう」
「あそこの小坊主が野菜好きだで、何でも食うんだとよ」
「ほー」
王城の側に立つ少しづつ大きくなる神殿はルベルト国民に認知されつつあった。そして俺は小坊主扱い……邪神なのに!
「いやぁ!大きくなりましたねぇ!」
「そうなの?」
「ええ、皆さんが来る前は小屋見たいな神殿でしたから!」
元々この国にあった神殿は小さかったらしい。コニー大神官はルベルトにいた人だ。俺達が押しかけてもにこにこと両手を広げて受け入れてくれた懐の広い人。
「寂しかったんです!私しかいなかったから!」
コニーさんももうお爺ちゃんの域に近い人で
「いやぁ~お掃除もやって貰っちゃって、こうして日向でお茶を飲みながら神に感謝をする日が来ようとは……嬉しいですなぁ」
「ほっほっほっ。皆んな働き者じゃからのう」
ゼンド爺ちゃんと仲良くほっこりしている。
「それにしてももう冬だと言うのに、雪が来ませんなぁ……今年の雪かきも大変だと思っておりましたが、いやはやありがたい事で」
「雪雲がどこかに飛んで行ったかのう?ま、雪遊びをしたい連中もおるし、そのうち降るじゃろ」
「そうですなぁ」
爺ちゃん達ものんびり。神官達ものんびり。
「ルーチェ様!私達、ちょっと虹色羊の養殖に行ってまいります!」
「え?!あ、はい……??」
数名の聖女達が鼻息も荒く、牧場へ出かけて行った。
「すぐにお召し物を編んで差し上げますからね!!」
「え?」
俺の服を作りに行ったの??
「何というかこの国はのんびりしていて争いも無く。皆、思い思いの事を楽しんでいますね」
「セラフィスさん」
俺の横にいつの間にかセラフィスさんが立っていた。
「私も初めて野菜を収穫してみました。楽しかったですよ……来て良かった、そう心から言えます」
そっと、俺の肩を抱き寄せる手。優しい、いつも隣にいてくれる暖かさ。
「……うん」
いつもいてくれてありがとう、大好きだよ。
「あれぇ?兄ぃ、なんでここにいるんすか?」
「……」
人がしんみりしていると、空気を読まない真っ赤な目のでかいネズミが足元から俺を見上げていた。あのわざとらしいチュウはどうした、めんどくさくなったのか?ん?
「あの国どうしたっすか?」
「追い出されたよ」
「へえ!」
ネズミはネズミなのににんまり笑った。邪悪な笑顔ってこういう感じなんだろうか……こんな顔はしないようにしよう!
「こんな人の少なくて悪意の少ない美味しくない国より、向こうの暗くてドロドロした国の方が美味い……」
「ネズミ?」
ネズミはぶるり、と体を震わせてから
「兄ィはあの国にまた戻るっすか?あの国になんか大事なモノ、あるっすか??」
「ないけど……」
「戻らない……戻れないと思いますよ」
少し悲しげにセラフィスさんが眉を寄せる。そう、戻れないんだ。王様から追い出されたら戻る事なんてできやしない。
「うぇい!そんなら心置きなく!「戻れ!尻尾!」」
無かったはずの尻尾がするりと生える。そしてネズミは生えたばかりの尻尾をぷちんと切った。
「上納っす!お納め下さい!兄ィ!蚊のやつも蝿の奴もすぐ来ます!」
そう言った直後、何もない空間が縦にちょっとだけ割けて、そこから小っちゃい蝿と蚊がブーン!と飛び出してきた。こいつら色々凄い癖に力の隠し方が凄く上手い。こう見ていると本当にただの虫とネズミにしか見えない。ちょっと見習いたいかも。
「兄ィ!お久しぶりス!」「ご無沙汰してます!兄ィ!」
でも、兄ィはちょっとどうなのかなぁ……?
「俺らは兄ィの舎弟……じゃなくて、兄ィの気持ちにそわねぇ事はしたくねぇっすから!」
「じゃ!俺らが一緒にいると、何かと人間は困るっすから!あとこの国、あんまり美味くねえっす!」
「来たばっかでなんスけど、御前失礼させていただきやす!俺らも兄ィの前にいるとブルってビビって消えちまいそうッス。なるべく兄ィの近くには寄りたくねえッス」
チュウチュウ、ブーン、ブブブ!とそれぞれの音を立ててぱっと消えてしまった。
俺の手の中にはまたネズミの尻尾と蚊と蝿の足が残った。
「また第二王子にあげなくちゃ」
「レイシャル様でしょう?名前で呼んであげなきゃそろそろ可哀想ですよ」
「余ったら神殿にでも寄付したらええさね。あそこはいっぱい動物飼っとるでみんな食うじゃろ」
「んだなぁ~あそこは可愛い姉ちゃんもいっぱいだし、怪我とか治してくれるしのう」
「あそこの小坊主が野菜好きだで、何でも食うんだとよ」
「ほー」
王城の側に立つ少しづつ大きくなる神殿はルベルト国民に認知されつつあった。そして俺は小坊主扱い……邪神なのに!
「いやぁ!大きくなりましたねぇ!」
「そうなの?」
「ええ、皆さんが来る前は小屋見たいな神殿でしたから!」
元々この国にあった神殿は小さかったらしい。コニー大神官はルベルトにいた人だ。俺達が押しかけてもにこにこと両手を広げて受け入れてくれた懐の広い人。
「寂しかったんです!私しかいなかったから!」
コニーさんももうお爺ちゃんの域に近い人で
「いやぁ~お掃除もやって貰っちゃって、こうして日向でお茶を飲みながら神に感謝をする日が来ようとは……嬉しいですなぁ」
「ほっほっほっ。皆んな働き者じゃからのう」
ゼンド爺ちゃんと仲良くほっこりしている。
「それにしてももう冬だと言うのに、雪が来ませんなぁ……今年の雪かきも大変だと思っておりましたが、いやはやありがたい事で」
「雪雲がどこかに飛んで行ったかのう?ま、雪遊びをしたい連中もおるし、そのうち降るじゃろ」
「そうですなぁ」
爺ちゃん達ものんびり。神官達ものんびり。
「ルーチェ様!私達、ちょっと虹色羊の養殖に行ってまいります!」
「え?!あ、はい……??」
数名の聖女達が鼻息も荒く、牧場へ出かけて行った。
「すぐにお召し物を編んで差し上げますからね!!」
「え?」
俺の服を作りに行ったの??
「何というかこの国はのんびりしていて争いも無く。皆、思い思いの事を楽しんでいますね」
「セラフィスさん」
俺の横にいつの間にかセラフィスさんが立っていた。
「私も初めて野菜を収穫してみました。楽しかったですよ……来て良かった、そう心から言えます」
そっと、俺の肩を抱き寄せる手。優しい、いつも隣にいてくれる暖かさ。
「……うん」
いつもいてくれてありがとう、大好きだよ。
「あれぇ?兄ぃ、なんでここにいるんすか?」
「……」
人がしんみりしていると、空気を読まない真っ赤な目のでかいネズミが足元から俺を見上げていた。あのわざとらしいチュウはどうした、めんどくさくなったのか?ん?
「あの国どうしたっすか?」
「追い出されたよ」
「へえ!」
ネズミはネズミなのににんまり笑った。邪悪な笑顔ってこういう感じなんだろうか……こんな顔はしないようにしよう!
「こんな人の少なくて悪意の少ない美味しくない国より、向こうの暗くてドロドロした国の方が美味い……」
「ネズミ?」
ネズミはぶるり、と体を震わせてから
「兄ィはあの国にまた戻るっすか?あの国になんか大事なモノ、あるっすか??」
「ないけど……」
「戻らない……戻れないと思いますよ」
少し悲しげにセラフィスさんが眉を寄せる。そう、戻れないんだ。王様から追い出されたら戻る事なんてできやしない。
「うぇい!そんなら心置きなく!「戻れ!尻尾!」」
無かったはずの尻尾がするりと生える。そしてネズミは生えたばかりの尻尾をぷちんと切った。
「上納っす!お納め下さい!兄ィ!蚊のやつも蝿の奴もすぐ来ます!」
そう言った直後、何もない空間が縦にちょっとだけ割けて、そこから小っちゃい蝿と蚊がブーン!と飛び出してきた。こいつら色々凄い癖に力の隠し方が凄く上手い。こう見ていると本当にただの虫とネズミにしか見えない。ちょっと見習いたいかも。
「兄ィ!お久しぶりス!」「ご無沙汰してます!兄ィ!」
でも、兄ィはちょっとどうなのかなぁ……?
「俺らは兄ィの舎弟……じゃなくて、兄ィの気持ちにそわねぇ事はしたくねぇっすから!」
「じゃ!俺らが一緒にいると、何かと人間は困るっすから!あとこの国、あんまり美味くねえっす!」
「来たばっかでなんスけど、御前失礼させていただきやす!俺らも兄ィの前にいるとブルってビビって消えちまいそうッス。なるべく兄ィの近くには寄りたくねえッス」
チュウチュウ、ブーン、ブブブ!とそれぞれの音を立ててぱっと消えてしまった。
俺の手の中にはまたネズミの尻尾と蚊と蝿の足が残った。
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