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残った者達は
2 まるるとその仲間
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「きゅ……きゅきゅ、きゅーきゅ、きゅう~……」
「え……そうなの、まるるちゃん……分かったわ……私は大丈夫よ、小まるるもちびまるるもこっこまるるも皆いてくれるもの」
「きゅん……」
ギルドのお姉さんにまるるはぺこりと頭を下げた。
「まるるちゃんとお仕事出来てとっても楽しかったわ……」
お姉さんはハンカチで涙を拭き、ギルドの建物から出て行くまるるを静かに見送った。まるるは今、別れを告げて森へ還る所だった。
元々マンドラはモンスターであり、最弱よりちょっと上の弱いモンスターだった。それが、突如現れた金髪の冒険者により「改心」することが発見され、「改心」したマンドラ達はとても人懐っこく、寂しがり屋で甘えん坊の甘味生成植物として大人気になっていた。
マンドラは独自の言語体系を持ち、中々解読はされなかったが、長くマンドラを飼育しているとなんとなく何を言っているのは分かる者達が現れる。ギルドのお姉さんは早くからこのまるると意思を疎通させていた。
そしてマンドラは寿命が来ると森へ還るのだ。森で土に潜り小さくなって人知れず枯れてゆく。マンドラが枯れた後は養分が森にしみわたり、森は活性化するという。そのまるるに寿命が来たのだった。
「おや?ギルドのまるるじゃないか……こんな所を一匹で歩いて……まさか」
とぼとぼと悲し気に森へ向かって歩いて行くまるるをたくさんの冒険者が見送った。
「そう……時が来たのね」「まるる、お仕事お疲れ様……」
森へ還るまるるを全員が少し悲しい目で見送った。
「まるる……ううっ!」
熊みたいに大柄な巨大な戦斧を使う男も涙を流してまるるの背中を見送ったし
「まるるちゃんの玉ねぎ美味しかったわ」
インテリ眼鏡の女性魔導士も少し葉の萎れたまるるを寂しく見ていた。
「……森へ還るのかい?お疲れ様だったね、マンドラ君」
「きゅう……」
門番も労いの言葉をかけてまるるを外へ出してくれる。町から森へ還るマンドラを見送るのも門番の仕事の一つになっていた。
そしてまるるは土へ潜り、森へ溶ける。
《会いたいな》 《良いだろう、聞き届けよう》
そしてまるるは龍の背中に乗る夢を見る。金の龍はスイスイと空を飛んでまんまるからまんまるへ移動する。
《そーれ》 《きゅっ!?》
空の高い所で、まるるはぽいっと放られた。きゅーーーーーっと悲鳴を上げながら落ちていく。どんどんどんどん落ちて行って金色の何かの上に着地した。
「いてっ!空から小石が落ちて来たっ」
ぶつかった衝撃でまるるは目を回して気を失ってしまっている。
「何故神殿の中で小石が落ちてくるんですか、ルー。これ、小石じゃないですよ……種でしょうか?」
「大きな種だねえ、俺の目くらいあるや……これ……。セラ、植木鉢、植木鉢頂戴!これなんだかアレの種な気がする!」
「私も実はアレではないかと思っていました。ふむ、素晴らしい」
急いで土の入った植木鉢を貰い、種をそっと植えて水を撒く。すると次の日にはなんと双葉が出ていた。
「せっかちな種だねえ!」
「多分、ルーと早く遊びたいのでは?」
「そうかも!俺も遊びたいな~」
本葉も伸び、たくさんの茎を生やしそして
「きゅーーーーー!」
「やっぱり!マンドラじゃないかー!ってお前、まるるか!」
「きゅー!きゅー!!」
「わー!まるる!まるる!久しぶりだねえ!!」
植木鉢からむくっと起き上がったマンドラはルーチェにぴょんと飛びついた。
「きゅっきゅ!きゅーん、きゅっ!」
「え?金の龍に連れて来てもらった?キイちゃんかな?違う?じゃあ……シェーロンさんかな?ふふ、まるるもこっちに来るなんてびっくりしたよ」
「きゅん!」
ご機嫌にルーチェにくっ付くまるるの頭を撫でる。そしてまた
「いてっ!また小石が……!」
「ルー。またマンドラの種ですよ。今度は誰でしょうか?」
「んー……あ!1号隊長たちだと思う!」
こうしてルーチェの部屋の良く日が当たる場所にマンドラ達の鉢植えが増え、彼らの分化したマンドラ達が増えてゆく。
「あーーーちび玉ねぎ美味ーい、マンドラ最高~!」
「きゅーーーー!」
彼らは今日もご機嫌で、チビ玉ねぎを配っている。
「え……そうなの、まるるちゃん……分かったわ……私は大丈夫よ、小まるるもちびまるるもこっこまるるも皆いてくれるもの」
「きゅん……」
ギルドのお姉さんにまるるはぺこりと頭を下げた。
「まるるちゃんとお仕事出来てとっても楽しかったわ……」
お姉さんはハンカチで涙を拭き、ギルドの建物から出て行くまるるを静かに見送った。まるるは今、別れを告げて森へ還る所だった。
元々マンドラはモンスターであり、最弱よりちょっと上の弱いモンスターだった。それが、突如現れた金髪の冒険者により「改心」することが発見され、「改心」したマンドラ達はとても人懐っこく、寂しがり屋で甘えん坊の甘味生成植物として大人気になっていた。
マンドラは独自の言語体系を持ち、中々解読はされなかったが、長くマンドラを飼育しているとなんとなく何を言っているのは分かる者達が現れる。ギルドのお姉さんは早くからこのまるると意思を疎通させていた。
そしてマンドラは寿命が来ると森へ還るのだ。森で土に潜り小さくなって人知れず枯れてゆく。マンドラが枯れた後は養分が森にしみわたり、森は活性化するという。そのまるるに寿命が来たのだった。
「おや?ギルドのまるるじゃないか……こんな所を一匹で歩いて……まさか」
とぼとぼと悲し気に森へ向かって歩いて行くまるるをたくさんの冒険者が見送った。
「そう……時が来たのね」「まるる、お仕事お疲れ様……」
森へ還るまるるを全員が少し悲しい目で見送った。
「まるる……ううっ!」
熊みたいに大柄な巨大な戦斧を使う男も涙を流してまるるの背中を見送ったし
「まるるちゃんの玉ねぎ美味しかったわ」
インテリ眼鏡の女性魔導士も少し葉の萎れたまるるを寂しく見ていた。
「……森へ還るのかい?お疲れ様だったね、マンドラ君」
「きゅう……」
門番も労いの言葉をかけてまるるを外へ出してくれる。町から森へ還るマンドラを見送るのも門番の仕事の一つになっていた。
そしてまるるは土へ潜り、森へ溶ける。
《会いたいな》 《良いだろう、聞き届けよう》
そしてまるるは龍の背中に乗る夢を見る。金の龍はスイスイと空を飛んでまんまるからまんまるへ移動する。
《そーれ》 《きゅっ!?》
空の高い所で、まるるはぽいっと放られた。きゅーーーーーっと悲鳴を上げながら落ちていく。どんどんどんどん落ちて行って金色の何かの上に着地した。
「いてっ!空から小石が落ちて来たっ」
ぶつかった衝撃でまるるは目を回して気を失ってしまっている。
「何故神殿の中で小石が落ちてくるんですか、ルー。これ、小石じゃないですよ……種でしょうか?」
「大きな種だねえ、俺の目くらいあるや……これ……。セラ、植木鉢、植木鉢頂戴!これなんだかアレの種な気がする!」
「私も実はアレではないかと思っていました。ふむ、素晴らしい」
急いで土の入った植木鉢を貰い、種をそっと植えて水を撒く。すると次の日にはなんと双葉が出ていた。
「せっかちな種だねえ!」
「多分、ルーと早く遊びたいのでは?」
「そうかも!俺も遊びたいな~」
本葉も伸び、たくさんの茎を生やしそして
「きゅーーーーー!」
「やっぱり!マンドラじゃないかー!ってお前、まるるか!」
「きゅー!きゅー!!」
「わー!まるる!まるる!久しぶりだねえ!!」
植木鉢からむくっと起き上がったマンドラはルーチェにぴょんと飛びついた。
「きゅっきゅ!きゅーん、きゅっ!」
「え?金の龍に連れて来てもらった?キイちゃんかな?違う?じゃあ……シェーロンさんかな?ふふ、まるるもこっちに来るなんてびっくりしたよ」
「きゅん!」
ご機嫌にルーチェにくっ付くまるるの頭を撫でる。そしてまた
「いてっ!また小石が……!」
「ルー。またマンドラの種ですよ。今度は誰でしょうか?」
「んー……あ!1号隊長たちだと思う!」
こうしてルーチェの部屋の良く日が当たる場所にマンドラ達の鉢植えが増え、彼らの分化したマンドラ達が増えてゆく。
「あーーーちび玉ねぎ美味ーい、マンドラ最高~!」
「きゅーーーー!」
彼らは今日もご機嫌で、チビ玉ねぎを配っている。
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