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7話 婚姻式の日の朝
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夜が明けた。いよいよ今日は婚姻式だ。
1度目の時は王都の教会だった。あの時は元義母がドレスやらなんやらをみんなあちらで用意していた。
母は自分がやりたかったのにできなかったのでへそを曲げていたが、今度は思い通りのドレスを作れたので満足しているようだ。
いつもの習慣で早く目が覚めた。朝食まではまだ時間があるので、ちょっと走るか。
動きやすい服に着替えて裏庭に出た。裏庭には騎士団の鍛錬場があると昨日聞いた。かなりの広さだ。ここで魔法の練習もできると言っていたな。
まだ時間が早いからか、誰もいない。軽く柔軟体操をしてから走り出した。
辺境の地は王都とは違い、空気が綺麗だ。風も気持ちいい。アイゼンシュタット家の騎士団の騎士達なら、こんなところで毎日鍛錬できる騎士団のみんなを羨ましがるだろう。時々こちらにこさせて、訓練を一緒にしたり、実戦を積んでもらうのもいいな。後で父に言ってみよう。
気持ちよく走り終わり汗を拭いていると、昨日紹介してもらったコンラート様が現れた。
「おはようございます、奥様。どうされたのですか?」
ズボン姿で汗を拭っている私を見て驚いているようだ。
「おはようございます、コンラート様。奥様はなんだか柄ではないのでディーとお呼び下さい。軽く走っておりましたの。ここは王都とは違い、空気が綺麗で風も気持ち良いので走りやすかったですわ」
ニコッと笑ってみた。
「私のことはラートとお呼び下さい。昨日鍛錬と言っていたので、まさかと思っていましたが、本当だったのですね。あれからアイゼンシュタット家について調べさせてもらいました。書物には建国以来の王家の盾、武門の一族と書いてありました。アイゼンシュタット家は女性でも男性と同じように訓練するのですか?」
コンラート様は興味津々で私を見ている。
「はい。母のように外からお嫁入りしてきた者はさすがにしませんが、娘達は小さい頃から鍛錬に参加します。ただ適正もあるので、向いていない者は外れます。武門の家といっても、向き不向きがあります。男女問わず、運動能力が高くない者や事務能力の高い者は軽い鍛錬になります」
「ほ~、適材適所ですね」
感心したように頷いている。
「明日からは鍛錬に参加しますね。よろしくお願いします」
私がペコリと頭を下げるとコンラート様は顔の前で手を振った。
「無理ですよ。婚姻式から1週間は蜜月休みです。朝から鍛錬なんて無理ですよ」
なんでだろ? 休みでも鍛錬はできるはずなのに。
私が怪訝な顔をしていると、コンラート様は赤い顔になった。
「明日の朝になればわかります。とにかく10日後からにしましょう。今日は婚姻式でしょう? 後ほどまたお目にかかります」
そう言うと言ってしまった。10日後か……。
私はコンラート様の言葉の意味が理解できなかった。
部屋に戻り、身支度をしているとメアリーが入ってきた。
「ディー様、起きていますか? 朝食を召し上がったらお式の準備を始めますよ」
「起きてるわよ。もう朝から中庭を走ってきたわ」
メアリーは眉をひそめた。
「もう、花嫁が何をしているんですか! とにかく朝食を食べてきて下さい」
「はいはい」
相変わらずメアリーは怖い。まぁ、メアリーは怖いくらいでちょうどいい。
部屋から出ようとしているとアルトゥール様が開いたドアの隙間から顔を覗かせた。
「ディー、食事に行こうか?」
「はい。子供達は?」
私の言葉にアルトゥール様はちょっと困ったような顔をした。
「リーンはまだ小さいから一緒には食べていないんだ。リーゼはリーンと食べるからいいと言って、食堂には来ない」
はぁ~? 何それ?
「だめです。家族は一緒に食べないと。リーンハルト様もアンネリーゼ様も一緒に食べましょう。私、呼んできます」
お節介だろうか? お節介だな。でも家族なんだし、食事くらいは一緒がいい。とにかく誘ってみよう。
私は隣の子供部屋の扉をノックした。
「アンネリーゼ様、おはようございます。起きてますか?」
「……」
返事がないので「開けますよ」と告げ扉を開けると、アンネリーゼは自分の椅子に座り本を読んでいた。
私はアンネリーゼに近づき声をかけた。
「アンネリーゼ様、食堂で朝ごはんを一緒に食べない?」
アンネリーゼは本を置いて、私の顔を見た。
「食事はいつもここでリーンと一緒に食べています。私のことは気にせず、お父様と食べて下さい」
そう言うとまた本を手に取る。やっぱりアルトゥール様とアンネリーゼには距離があるようだ。父と娘は難しいのかな? うちは全然難しくなかったから、どう、距離を詰めていけばいいかわからない。
とにかく私が一緒に食べたいのだから、今日はそれていこう。
「私がアンネリーゼ様と一緒に食べたいの。ねぇ、お願い。一緒に食堂で食べましょう。今日はお祖父様やお祖母様もいらっしゃるし、リーンハルト様も食堂で一緒に食べましょう。まだ一人で食べられないから、エマにもきてもらいましょう」
アンネリーゼは無表情だ。私は顔を覗き込んだ。
「無理よ。リーンが食堂を汚すわ。お母様は私が小さい頃、食事でテーブルや洋服を汚すと嫌がったの。あなたも嫌でしょ?」
何それ? 子供は汚すものでしょ?
「何で? 小さい子供は上手く食べられないから汚すのは当たり前だわ。汚れたら拭いたり洗ったりすればいいだけでしょう。私は全然平気だし、アルトゥール様だってそんなこと気にしないはずよ」
アンネリーゼは目を丸くしている。私の言葉、おかしかったかしら?
「いいの? 怒らない? 叩かない?」
叩く? まさか、食べこぼしして叩かれたのか?
「怒らないし、ましてや叩くなんてあり得ないわ。大丈夫だから一緒に食べましょう」
アンネリーゼは考えているようだ。じっとして動かない。
「わかったわ。エマも一緒よ。それから私のことはリーゼでいいわ。様もいらない。この子の事はリーンでいいから」
そう言うとアンネリーゼは立ち上がった。
私がリーンハルトを抱っこしようと手を伸ばすと「重いわよ」とぼそっと呟き部屋の外に出た。
扉の前にいたアルトゥール様に「おはようございます」と小声で挨拶をし、ずんずんと食堂に向かって歩き出した。
アルトゥール様が私の腕からリーンハルトを取り上げ、軽々と抱き上げた。アルトゥール様に抱かれているリーンハルトはとても小さく見える。
「早く!」
前を歩いていたアンネリーゼが振り返り私達に言った。
「はーい」
私はアルトゥール様の背中を押し、歩き出した。
1度目の時は王都の教会だった。あの時は元義母がドレスやらなんやらをみんなあちらで用意していた。
母は自分がやりたかったのにできなかったのでへそを曲げていたが、今度は思い通りのドレスを作れたので満足しているようだ。
いつもの習慣で早く目が覚めた。朝食まではまだ時間があるので、ちょっと走るか。
動きやすい服に着替えて裏庭に出た。裏庭には騎士団の鍛錬場があると昨日聞いた。かなりの広さだ。ここで魔法の練習もできると言っていたな。
まだ時間が早いからか、誰もいない。軽く柔軟体操をしてから走り出した。
辺境の地は王都とは違い、空気が綺麗だ。風も気持ちいい。アイゼンシュタット家の騎士団の騎士達なら、こんなところで毎日鍛錬できる騎士団のみんなを羨ましがるだろう。時々こちらにこさせて、訓練を一緒にしたり、実戦を積んでもらうのもいいな。後で父に言ってみよう。
気持ちよく走り終わり汗を拭いていると、昨日紹介してもらったコンラート様が現れた。
「おはようございます、奥様。どうされたのですか?」
ズボン姿で汗を拭っている私を見て驚いているようだ。
「おはようございます、コンラート様。奥様はなんだか柄ではないのでディーとお呼び下さい。軽く走っておりましたの。ここは王都とは違い、空気が綺麗で風も気持ち良いので走りやすかったですわ」
ニコッと笑ってみた。
「私のことはラートとお呼び下さい。昨日鍛錬と言っていたので、まさかと思っていましたが、本当だったのですね。あれからアイゼンシュタット家について調べさせてもらいました。書物には建国以来の王家の盾、武門の一族と書いてありました。アイゼンシュタット家は女性でも男性と同じように訓練するのですか?」
コンラート様は興味津々で私を見ている。
「はい。母のように外からお嫁入りしてきた者はさすがにしませんが、娘達は小さい頃から鍛錬に参加します。ただ適正もあるので、向いていない者は外れます。武門の家といっても、向き不向きがあります。男女問わず、運動能力が高くない者や事務能力の高い者は軽い鍛錬になります」
「ほ~、適材適所ですね」
感心したように頷いている。
「明日からは鍛錬に参加しますね。よろしくお願いします」
私がペコリと頭を下げるとコンラート様は顔の前で手を振った。
「無理ですよ。婚姻式から1週間は蜜月休みです。朝から鍛錬なんて無理ですよ」
なんでだろ? 休みでも鍛錬はできるはずなのに。
私が怪訝な顔をしていると、コンラート様は赤い顔になった。
「明日の朝になればわかります。とにかく10日後からにしましょう。今日は婚姻式でしょう? 後ほどまたお目にかかります」
そう言うと言ってしまった。10日後か……。
私はコンラート様の言葉の意味が理解できなかった。
部屋に戻り、身支度をしているとメアリーが入ってきた。
「ディー様、起きていますか? 朝食を召し上がったらお式の準備を始めますよ」
「起きてるわよ。もう朝から中庭を走ってきたわ」
メアリーは眉をひそめた。
「もう、花嫁が何をしているんですか! とにかく朝食を食べてきて下さい」
「はいはい」
相変わらずメアリーは怖い。まぁ、メアリーは怖いくらいでちょうどいい。
部屋から出ようとしているとアルトゥール様が開いたドアの隙間から顔を覗かせた。
「ディー、食事に行こうか?」
「はい。子供達は?」
私の言葉にアルトゥール様はちょっと困ったような顔をした。
「リーンはまだ小さいから一緒には食べていないんだ。リーゼはリーンと食べるからいいと言って、食堂には来ない」
はぁ~? 何それ?
「だめです。家族は一緒に食べないと。リーンハルト様もアンネリーゼ様も一緒に食べましょう。私、呼んできます」
お節介だろうか? お節介だな。でも家族なんだし、食事くらいは一緒がいい。とにかく誘ってみよう。
私は隣の子供部屋の扉をノックした。
「アンネリーゼ様、おはようございます。起きてますか?」
「……」
返事がないので「開けますよ」と告げ扉を開けると、アンネリーゼは自分の椅子に座り本を読んでいた。
私はアンネリーゼに近づき声をかけた。
「アンネリーゼ様、食堂で朝ごはんを一緒に食べない?」
アンネリーゼは本を置いて、私の顔を見た。
「食事はいつもここでリーンと一緒に食べています。私のことは気にせず、お父様と食べて下さい」
そう言うとまた本を手に取る。やっぱりアルトゥール様とアンネリーゼには距離があるようだ。父と娘は難しいのかな? うちは全然難しくなかったから、どう、距離を詰めていけばいいかわからない。
とにかく私が一緒に食べたいのだから、今日はそれていこう。
「私がアンネリーゼ様と一緒に食べたいの。ねぇ、お願い。一緒に食堂で食べましょう。今日はお祖父様やお祖母様もいらっしゃるし、リーンハルト様も食堂で一緒に食べましょう。まだ一人で食べられないから、エマにもきてもらいましょう」
アンネリーゼは無表情だ。私は顔を覗き込んだ。
「無理よ。リーンが食堂を汚すわ。お母様は私が小さい頃、食事でテーブルや洋服を汚すと嫌がったの。あなたも嫌でしょ?」
何それ? 子供は汚すものでしょ?
「何で? 小さい子供は上手く食べられないから汚すのは当たり前だわ。汚れたら拭いたり洗ったりすればいいだけでしょう。私は全然平気だし、アルトゥール様だってそんなこと気にしないはずよ」
アンネリーゼは目を丸くしている。私の言葉、おかしかったかしら?
「いいの? 怒らない? 叩かない?」
叩く? まさか、食べこぼしして叩かれたのか?
「怒らないし、ましてや叩くなんてあり得ないわ。大丈夫だから一緒に食べましょう」
アンネリーゼは考えているようだ。じっとして動かない。
「わかったわ。エマも一緒よ。それから私のことはリーゼでいいわ。様もいらない。この子の事はリーンでいいから」
そう言うとアンネリーゼは立ち上がった。
私がリーンハルトを抱っこしようと手を伸ばすと「重いわよ」とぼそっと呟き部屋の外に出た。
扉の前にいたアルトゥール様に「おはようございます」と小声で挨拶をし、ずんずんと食堂に向かって歩き出した。
アルトゥール様が私の腕からリーンハルトを取り上げ、軽々と抱き上げた。アルトゥール様に抱かれているリーンハルトはとても小さく見える。
「早く!」
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「はーい」
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