黒竜はご飯が食べたい

ゆみ

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一章

4・登場。大体コイツが原因

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「あれ、早かったね?」

転生の準備が終わり黒竜を待っていた女神が疑問を口にする。
ちなみに天使は森の整備中だ。

「最初に妹の所にいったら、後は私が皆に伝えておきますって」

「あぁ~、ナルホドネ」

女神は黒竜の妹、白竜を思い浮かべた。
白銀の鱗に青い眼をした、黒竜とは正反対な見た目をした竜。
一応女神は白竜とも幼なじみなのだが…。

「俺はどうすればいい?」

女神は黒竜の問いかけに白竜の事を頭の隅に追いやった。

「そこで寝るだけで大丈夫。後は魂を抜いてそのまま転生させるから」

「よし!俺の全力見せてやるぜっ!」

「寝ろよ」



「ふぅ…」

黒竜を転生させた女神は宮殿で一息ついていた。今頃は誰かのお腹の中だろう。

「黒竜君の意識が戻ったら連絡しないと」

女神が呟いたその時、背後で何かが崩れる音がした。まあ宮殿が崩れた音以外あり得ないのだが。
女神が振り向くと瓦礫の上に一匹の竜…白竜がいた。

「妹ちゃん、私の家壊さないでよ…」

女神は半分涙眼になりながら白竜に訴えた。不法侵入に器物破損である。

「転生は終わった様ですね。お兄様の御体はこちらで引き取ります」

「あ、うん 。どうぞ」

長年の経験で自分の訴えは通じないと悟った女神。

「さて、お兄様は人間の女に転生ですか。お姉様になるなんて流石お兄様!」

「誉める所おかしいからね」

「煩いです、死んで下さい。まったく…誰ですか。こんな瓦礫だらけな場所で雌豚を放し飼いにしているのは」

「私達って幼なじみだよね!?ツッコミ所多すぎだよ!あと雌豚は止めて!」

「お土産です、駄女神」

女神を無視しながら話を進める白竜。
白竜は女神のことを『雌豚』か『駄女神』としか呼ばない。女神の悩みの一つだった。

女神が悶々としているなか、白竜はお土産を出した。
お土産を見た女神は顔をしかめる。お土産とは目と口を塞がれ腕と下半身が無くなった天使だったからだ。

「この天使、色々足りないけど?」

「家出しました」

「そっか、家出か。なら仕方ないね……。で、本当は?」

「煩いですね、死んで下さい」

「うがーっ!話が進まないーっ!」

ついに女神は限界を迎えた。白竜は女神曰く『ブラコンヤンデレサイコパスドラゴン』。もはや白竜の暴走を止められる者はこの場にはいない。
このままでは会話が成立しない為、女神は奥の手を使うことにした。

「黒竜君の為に教えて下さいお願いします」

女神の必殺技『他力本願』。今までもこの技で多くの強敵を葬ってきた。主に黒竜が。

「魔族にそそのかされた様です」

それだけ言い白竜は飛び立っていった。宮殿を更に破壊しながら。



森の整備から戻ったら天使は唖然とした。宮殿が半壊していれば誰だってそうなる。
他の天使が忙しそうに動いているなか、女神の元へ向かった天使は手足の無い同僚を見て、ついに考える事を止めた。
聞いた方が早い!と。

「女神様、この惨劇は一体?」

「妹ちゃんが堕天使を持ってきたYO!」

天使は色々と察した。白竜なら仕方ない。
この時、天使の第六感が告げてきた。「早くこの場から立ち去れ」と。
しかし無情にも女神が何かを言う方が早かった。

「宮殿の修復は任せた!」

女神はとても良い笑顔をしていた。後に天使はそう語ったそうな。


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