テューリンゲンの庭師

牧ヤスキ

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特異の入廷者

2-15※(男女描写あり)

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*男女の性行為表現あります。












王の帰還パーティーから3日後、夕方の夕食が始まるまでの間をジェーンは自室で過ごしていた。
自室の可憐な色合いのソファに腰掛ける姿は、その煌びやかな部屋と対照的にどこか何かに怯えているようにも見えた。


パーティーがあった夜、結局ジェーンは王の寝室へ行くことはなかった。

ジェーンは自分の身を行かない事で守ったが、この3日間生きた心地がしていないのも事実であった。
この国の頂点に立つ者の命令を無視してしまった。その事実は大人も子供も隔てなく思い罪となる可能性が高い。
その罰はいつどんな形で言い渡されるのか気が気ではない。

14歳の少女は言い知れぬ恐怖を見て見ぬ振りをし続けながら数日間を過ごしていた。


しかしジェーンも自分の中で期限を設け、この3日間で役人が罰を言い渡しに来なければ、それ以降は普段と変わりなく過ごそうと決めていた。

いつまでも怯えていたら身が持たない。
国王への言いつけを破った程度なんてことないのだと自分の中で立証したいという願望も無意識に含まれていた。


「、ふん……何にもないじゃない…」


所詮王の戯れ。
ジェーンはそのような気まぐれに右往左往と怯えていたことが何だかおかしくなってきた。



(結局…カスパルも追うことが出来なかった。)
いつか会うときがあれば、忘れてなければ香水のことも伝えてやろう。

もうすぐ夕食の時間が訪れる。窓からの景色も夕日が終わりかけて今日が終わる色をしていた。
次第にジェーンは心が落ち着いてきていた。
そういえばお腹が空いている、と腹をさする程度に余裕も出てきた。





その時、奥の方から部屋の扉が開かれる音が聞こえた。

ノックもせずに部屋に入る人物は限られており、いつものように侍女の先輩達が仕事を押し付けに来たのだろうとうんざりする。

前に何度も何度も、エリザベスの離れている一人の時を狙って意地悪をしてくるのだから、相手も相当時間を持て余しているに違いない。

ジェーンは扉の方を見ずに一つはぁ、と重い溜息を零した。

しかし入ってきた人物は侍女ではなかった。


「私が来いと言って来なかった奴はお前が初めてだぞ?小娘よ」

「っ?!」

扉を豪快に開けた人物、それはこの数日ジェーンが最も恐れていた人物であった。

ジェーンは種を返したように勢い良く振り返る。
とても愉快そうな笑みを貼り付けた残忍な男がこちらに近づいてきていた。


「ジェーン。どこまで私を愚弄するのだ?テューリンゲン…と言ったか?カビ臭い地方出の小娘の分際で」


ジェーンは足の膝が震えるのを必死で我慢しながら後ずさる。自分の身長より遥かに大きな国王を憎らしく睨んだ。

国王の言葉はジェーンを弾圧こそすれどその雰囲気から怒りは全く感じとれず、どちらかといえばこれから玩具をどう使って遊ぼうかと狡猾で残忍な表情そのものだった。


「なぜ…このような場所に…わざわざっ………」


ジェーンは震える声を必死に低くし冷静を装って言い放つ。
その間にもみるみるジェーンと王との距離は埋まり、逃げ道は残されていない。

「教育の足らないお前みたいな奴は、従者を向かわせて来るように命じても来なかったのだろう。
だから私から来たのだ。」

国王は言い終えると同時にとても強い力でジェーンの腕を掴み上げた。
ジェーンは急に伸びてきた大きな腕がまさか唐突に自分に触れてくることなど予期しておらず激しく動揺する。
掴まれた腕はその強い握力に痛みが走っていた。


「っ何を?!」

「ジェーンよ、確かお前は齢14だったな…。
…月経は来ているのか?」


王は顔を近づけながら獰猛な視線を隠しもせずジェーンへと向ける。
ジェーンは初めて向けられる剥き出しの性欲の眼差しに言葉を失い怯えた。

この男は、あの晩出来なかったことを今ここでする気だ、と瞬時に察する。


(気持ち悪い気持ち悪い気持ち悪い)

ジェーンは今まで動揺で石のように動かなかった身体全身を捻じるようにして国王の手から逃れようとする。

しかし国王にとってその反撃も予想内かのように、軽く抱き込むように体を押し付けたまま、小さな身体ごとまるで叩きつけるように壁に強く押し付けた。

「ぐっ!…」

大きな体の王に潰されるように壁に押し付けられたジェーンは呼吸を詰まらせ顔を歪ませた。
自分の腰上辺りに当たった硬く熱いものに強い拒絶反応を感じ全身が粟立つ。しかしそこから逃れることが出来ず、圧迫されて呼吸もままならない。

「子供の性器は狭いからな、精々私を楽しませろ?」

王が耳元でそう言った後、乱暴にジェーンの履いていた上等なドレスを乱暴に捲し立て、性急に下着布を破り捨てた。


(触らないで気持ち悪い気持ち悪い気持ち悪い気持ち悪い)


ジェーンは叫びたいのに喉を圧迫され逃げることも許されず、これから起こる事への恐怖に大粒の涙が溢れた。
心がまるでガラガラと音を立てて崩れるようにぎりぎりの精神状態だった。


まだ毛も生えきっていないジェーンの割れ目が無骨な指で乱暴に弄られ、その指は何かを探すようにぐりぐりと這い回りある地点で位置を定める。
ジェーンはあまりの気持ち悪さに意識が飛びそうだった。


国王は唆り立った性器を全く濡れていない未完成な小さな割れ目に、残虐にも無遠慮に押し込んだ。

ジェーンは激痛に涙を溢れさせ、痙攣するように身体を暴れさせた。

「ぃああああああああっ…んんぅぅー!!!」

どんなに喉を圧迫されたとしても激痛から出る叫びは部屋を満たす。国王は苦しむジェーンを恍惚な表情で眺めながら口を掴み上げる様に封じ、叫ぶことさえも禁じる。

「っ…は…最高だ」


王はうっとりと少女の身体を堪能するように無遠慮に腰を動かす。
ジェーンのももに伝う鮮血はぽたぽたと豪華な部屋の絨毯を汚し、強引すぎる挿入にジェーンの内部が傷付けられていることが伺えた。

ジェーン自身は激しく揺さぶられながら激痛で自分で立つ力もなくなり失神に近い状況で、手足がさあっと冷えて行くのを感じた。


(気持ち悪い、気持ち悪い、気持ち悪い、気持ち悪い)


このような男に、このような望まない形で精を放たれるのかと思うだけでまともな精神状態ではいられない。
自分の中に憎い奴の破片が残る気持ち悪さ、不気味さ、14歳の少女には到底受け入れられる事実ではない。


(死にたい、お願い、お願い殺して。)


残酷な神に死を請いた瞬間に、ジェーンは首を強く押さえ込まれ、国王は熱い精を子宮へと流し込んだ。そしてまた次だと言わんばかりに硬さを取り戻し、再びジェーンに腰を打ち付け出したのだった。















「全く…シムのお願いじゃなければ絶対に断っていたところだよ。」
「本当に、感謝してるよ。
ありがとう」

夜になりかけた薄暗い宮廷の廊下を、シムと小風は並んで歩いていた。


「宮廷の図書館に入りたいなんて急に言うからびっくりしたよ」


小風は肩を竦めて涼しい顔でシムを見やる。
シムは少し申し訳なさそうに笑い、頭をかいた。

シムは神父とのことの後、小風が待つ宿直室へと飛んで帰ってきてすぐさま小風に言い寄ったのだった。
どうしても調べたいことがある、本がたくさん置いてある所はないか?と。

小風は瞬時にこの宮廷の地下にある図書館を思い浮かべたが、このような平民の庭師に入館の許可が降りるとは思えない。
しかも総司令部の方に相応の理由を用意して申請して判断されるものであるため、実年齢以下に口下手なシムに、突破出来るはずのない難解な手続きだとも悟った。

しかし、小風に勢い良く言い寄ったシムはここ最近で一番輝いており、教会の庭の件がきっと良い方向に向かってきているのかも知れないと考えると、無理だと一辺倒に否定するのも可哀想で気が引けた。


「僕が代弁してあげるけど、正直許可は降りないんじゃないかと思う。
薬草を調べたいんだっけ?」

小風が歩きながらそう問い掛ければ、シムは微笑みながら小風の目を見た。

「はい!
今まで、俺薬草は育てた、ことがなかった、から、その性質を詳しく、知りたくて。」

無邪気な笑みに小風も目を細める。
シムもシムで、協力的な姿勢を取ってくれる小風にすっかり信頼を寄せていた。

「薬草は不思議な、匂いのするものが多いって、前に聞いたんだ。
でもそれって虫に対しても、そうなのかな?て…それから…」


シムは楽しそうに話を続ける。
こんなにシムがよく話すということは、よっぽど気分が浮き足立っている証拠だろう。

しばらく小風はシムの好きなように喋らせ黙って聞いていたが、こちらとすれ違うように反対方向から足音が聞こえてきたため、片手でシムの話を瞬時に遮った。


この宮廷内の廊下で誰かとすれ違うとすれば、貴族の可能性がとても高い。
貴族ではなかったとしても護衛軍や他国の使者なのでシムや小風よりも遥かに格上だ。
シムの肩を掴みながら廊下の端に寄り、相手がすれ違うまで軽く頭を垂れた状態で待った。

そして自分たちを通り越してきた人物を盗み見るように確認すると小風は目を見開いた。


そこにはどこか晴れ晴れとした楽しそうな国王が側近も付けず、たった一人で自分たちを通り越していたのだった。
シムは何が何だかと言った様にきょとんとしながら小風を見ていた。

そんなシムに国王は歩きながらもジロリと視線で舐め、口を歪めたのだった。
無邪気で純真そうな風貌に汚しがいがある、と酷く心が踊っている、そんな凶暴な感覚がちらついているように小風は見えた。

小風の額に冷や汗が湧く。
本能的にまずいと悪寒がし、シムの肩を後ろに引っ張り自分の影にしまいこむ。そこで初めて小風に国王の視線が移った。


「……」

その眼差しはまるで東洋の汚い移民を見るように蔑んだ目で、小風は国の最たる者からの拒絶の眼差しに些かショックを覚え更に頭を下に落とした。


国王は小風には全く興味がないかのように、すぐに視線を前に戻し軽快な足取りで去って行ってしまった。


しばらく小風はシムの肩を掴んで後ろに追いやったまま、その場から動くことができなかった。

どうやら国王は自分を認知していないようだった。
一応小風は名貴族の養子縁組までさせられてここにいる形なのでそのようなイレギュラーな国民がいることはある程度認知されているかもしれないと勝手に憶測していたため、余計に必要とされていない自分への価値を突き付けられた気がした。


微動だにしない小風をシムは心配そうに覗き込んだ。シムにとってもこんなに動揺している顔は初めて見るものだった。

「大丈夫、ですか?
あの、俺のは、また今度で、全然、大丈夫。
戻って、休みましょう」


その言葉にハッと我に返った小風は冷や汗を袖で軽く拭き、息を一つ吐いてからシムを見た。


「…いや、大丈夫だよ。
どうせここまで来たんだから、行こう。」


その言葉にシムは心配するように再度小風の顔色を確認しながら頷いた。

シムはたったさっき自分の裏表のない顔色を王が値踏みするように見ていたことも、獰猛な眼差しでどう汚してやろうと考えられていたことも全く想像などしていなかった。










 
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