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36. 《ノア視点》 『……ボク以外のだれにも、さわらせたくないのに』
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ボクは、にこにこ笑ってる子が好きだ。
泣いてる子はちょっと苦手。
でも──ルカだけは、違う。
ルカが泣くと、胸の奥がぎゅってなる。
笑うと、その日一日、全部がうれしくなる。
……変だよね。
これが“好き”ってことなのかな?
◇
「ノアくん、今日もルカと一緒に遊ぶの~?」
「そりゃそうでしょ!ルカはボクの一番のおともだちなんだから!」
口ではそう言ったけど、
胸の奥でくすぶる黒い感情を、誰にも見せられなかった。
──本当は、「おともだち」なんかじゃ、足りない。
今日もルカは、色んな子に囲まれてる。
アデルも、レオンも、カインくんも、ユリウスも。
それぞれが、ちょっとずつ違う表情でルカを見る。
「……いいな、ボクもルカと手つなぎたい……」
でも、恥ずかしくて言えなかった。
◇
お昼寝の時間。
ルカはミミルをぎゅっと抱いたまま、すやすや眠ってた。
その顔を、ボクはじっと見ていた。
誰にも見られないように、そっと──その手に、自分の手を重ねる。
「……ボクね、ルカのこと、ずっと見てたんだよ」
ルカは眠ったまま。
だけど、その顔がふっとやわらいだ気がして、ボクはどきんってなった。
……このまま、時間が止まればいいのに。
誰もルカに近づかなくなればいいのに。
そんなことを思ってしまった自分に、ちょっとショックを受けた。
◇
でもね──気づいちゃったんだ。
ボクの“すき”は、ほかの子と同じじゃない。
ボクは……ルカの隣にいたい。
“ともだち”でも、“家族”でもない、もっとちがうなにかになりたい。
だけど、ルカは──誰のものにもならない。
それが、すごく、さびしい。
でも、それでも……やっぱり、ルカが好き。
◇
翌日のカレンダーには、こんな言葉が書かれていた。
『とくべつって、ひとりじゃなれない。
でも、みんなの“たいせつ”には、なれるよ』
それは、ボクの気持ちを代弁してくれたみたいで、
ちょっと泣きそうになった。
──ルカ、すきだよ。
ずっと、すきでいても、いいかな……?
泣いてる子はちょっと苦手。
でも──ルカだけは、違う。
ルカが泣くと、胸の奥がぎゅってなる。
笑うと、その日一日、全部がうれしくなる。
……変だよね。
これが“好き”ってことなのかな?
◇
「ノアくん、今日もルカと一緒に遊ぶの~?」
「そりゃそうでしょ!ルカはボクの一番のおともだちなんだから!」
口ではそう言ったけど、
胸の奥でくすぶる黒い感情を、誰にも見せられなかった。
──本当は、「おともだち」なんかじゃ、足りない。
今日もルカは、色んな子に囲まれてる。
アデルも、レオンも、カインくんも、ユリウスも。
それぞれが、ちょっとずつ違う表情でルカを見る。
「……いいな、ボクもルカと手つなぎたい……」
でも、恥ずかしくて言えなかった。
◇
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……このまま、時間が止まればいいのに。
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それが、すごく、さびしい。
でも、それでも……やっぱり、ルカが好き。
◇
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『とくべつって、ひとりじゃなれない。
でも、みんなの“たいせつ”には、なれるよ』
それは、ボクの気持ちを代弁してくれたみたいで、
ちょっと泣きそうになった。
──ルカ、すきだよ。
ずっと、すきでいても、いいかな……?
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