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番外編・奪い続けた男の末路
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貴族の家に生まれたセルドは平凡な男だった。
これといって特出すべき長所もなく、容姿だって醜い方で、貴族としての能力も良くも悪くも普通だった。
そんな彼には兄がいた。兄はセルドと比べ才能の塊であり、容姿、品格、知能、貴族として求められるもの全てを兼ね備えていた。
そんな兄を持ったセルドは陰で比べられながらも、愛情を一身に受けて育った。
だけどセルドには野心があった。いつか兄を出し抜き、自分がこの家を継ぐのだと。
しかし彼はどの分野でも兄に敵わず、どうすればいいのかずっと悩んでいた。
そんなる日の事、幼い頃から仲良くしてもらっていた兄の婚約者の令嬢が話しかけてきた。
この時セルドは学園で友達から陰で兄と比べられ続け、思うようにいかないことに苛立ちを感じていた。
そしてついに魔が差し、その兄の婚約者を押し倒し、自分の唯一の取り柄である巨大な男根を使ってレイプしたのだ。
事が終わった直後、セルドは慌てて自分がレイプした後の兄の婚約者を見つめる。
以前までは淑女の鏡と言われていた女が、今ではこんな無様な姿をさらしている。
そしてセルドはあることに気が付いた。
どんな女でも、落としてしまえば皆一緒なのではないか?
それからセルドは自身の男根で、今までイジメてきた女子生徒や、屋敷で自分の陰口をたたいていたメイド、果てには学園一剣術の強い女子生徒まであの手この手で誘い込み、犯してまわった。
こうして強力な後ろ盾を手に入れたセルドは寝取った兄の元婚約者を使い、両親を、兄を家から追い出した。
念願の当主となったセルドはその後も、気に入った女や権力のある女、能力の高い女たちを襲い、犯し、虜にしていった。
兄の元婚約者やメイドなどの、飽きた女はひそかに経営している風俗店で娼婦として働かせた。
面倒ごとは全て女に任せ自分は彼女たちが集めた金や名声を手に入れる。全てが順調だった。
******
(……ここは、どこだ?)
セルドは真っ暗な空間の中目を覚ました。ぼんやりとする意識の中、自分がさっきまで死にかけていたことを思い出す。
そう、悪魔の魔石で悪魔を呼び出し、憑依させてその力で追いかけてくるソフィアたちを迎え撃とうとしたのだが身体を悪魔に乗っ取られ、魂を精液に移され、排出されたのだ。
外に出されたセルドの魂はそのまま消滅するはずだったのに…
(ここはどこなんだ。私は死んだのか?)
目の前は真っ暗だ。自分が今どうなっているのか把握できない。身動きすらもとれない状況にセルドが困惑していると、突然目の前が真っ白になった。
(な、なんだ?)
「すごいな、こうなっても生きてるのか」
「そうみたいです。さすがは悪魔の精液ですね。微弱な魔力でもこうして生きてるんですから」
「えぇ、生きてる状態で保存できるなんてすごく貴重ですよ」
(こいつは……!)
セルドを見ているのはグランデール家の次期当主であるエリオと、魔法研究家の人間達だった。屋敷を襲撃したエリオの姿を見つめ、声をかけようとするが声が出ない。
ゴボゴボとしか音が立たない…セルドからは分からないが、彼は今精液のみの状態でガラスケースに保管されていた。
泡立つ音に気が付いたエリオがケースの方を向き、声をかける。
「その状態で意識があるかどうか知らないし聞こえてるかどうか分からないが、特性ケースの居心地はどうだ?」
(貴様!こんなことしてどうするつもりだ!)
セルドはそう声を出そうとするがそれがエリオに届くことなく、また泡音を立てるだけで終わった。セルドの言ってることなど知るはずもないエリオは続ける。
「悪魔の魔石を失ったお前の状態から、お前の魂は消滅したとばかり思っていたのだが…追いかける道中に散らばっていた液体が気になって回収しといてよかった。まさか精液にお前の魂が移されていたなんてな。
今お前の状態はわずかな魔力をエネルギーに生存している状態だ。体に戻そうにもお前の身体はすでに処分され、もう存在しない」
(なんだと!?)
「だが体を得られる方法がないわけではない。今のお前は精液だからな、卵子細胞に入り込めば、うまくいけば新しい体を得られるかもしれない」
その言葉にセルドは希望を見出す。つまり自分を女性の身体に入れることが出来れば生まれ変われるかもしれない。
「だがそんなことはさせない」
そう考えているセルドにエリオは冷たい視線を向ける。
「お前はこれから研究サンプルとしてこの研究施設で使われることとなる。悪魔の体液は貴重だからな。当然研究員にもそうしないよう釘は刺してある。
セルド・ゴルドニアは世間的に処刑されて死んだことになっている。ゴルドニア領はすでに我がグランデールのものとなった。お前に残されたものは何一つない」
(ふざけるな!そんな横暴が許されてなるものか!)
自分がやったことを棚に上げ、セルドは自分が築き上げてきた地位を、領土を、全てを奪われたことに憤慨する。
それは何となく伝わったのか、エリオは鼻で笑った。
「お前の虜になっていた女性たちはほとんどが廃人になったらしいから助けも期待できない。無事に立ち直った者はどこかに行ってしまったしな。お前はここで、研究材料として余生を過ごすしかないんだよ」
(ふざけるなふざけるな!そんなことが!そんなことが!)
「この体液が使い切られたらようやく死ねるかもな…最も、悪魔に身を捧げたお前が神に受け入れられるとは思えないけどな」
(ああああああああ!)
「それじゃあもう会うことはないが…精々実験材料として世の中の役に立ってくれ」
(待てぇええええええ!ワシを、ワシをここから出せぇええええええ!)
言いたいこと言い尽くしたエリオは後の事を研究者たちに任せ、自分を呼び止める声に気づくことなくその場を後にした。
こうして、悪魔の精液となったセルドは、魔法の研究材料としてその身を捧げ、使い潰されることとなった。
これが他者の大切なものを奪い続け、嘲り捨ててきた男の末路だった。
これといって特出すべき長所もなく、容姿だって醜い方で、貴族としての能力も良くも悪くも普通だった。
そんな彼には兄がいた。兄はセルドと比べ才能の塊であり、容姿、品格、知能、貴族として求められるもの全てを兼ね備えていた。
そんな兄を持ったセルドは陰で比べられながらも、愛情を一身に受けて育った。
だけどセルドには野心があった。いつか兄を出し抜き、自分がこの家を継ぐのだと。
しかし彼はどの分野でも兄に敵わず、どうすればいいのかずっと悩んでいた。
そんなる日の事、幼い頃から仲良くしてもらっていた兄の婚約者の令嬢が話しかけてきた。
この時セルドは学園で友達から陰で兄と比べられ続け、思うようにいかないことに苛立ちを感じていた。
そしてついに魔が差し、その兄の婚約者を押し倒し、自分の唯一の取り柄である巨大な男根を使ってレイプしたのだ。
事が終わった直後、セルドは慌てて自分がレイプした後の兄の婚約者を見つめる。
以前までは淑女の鏡と言われていた女が、今ではこんな無様な姿をさらしている。
そしてセルドはあることに気が付いた。
どんな女でも、落としてしまえば皆一緒なのではないか?
それからセルドは自身の男根で、今までイジメてきた女子生徒や、屋敷で自分の陰口をたたいていたメイド、果てには学園一剣術の強い女子生徒まであの手この手で誘い込み、犯してまわった。
こうして強力な後ろ盾を手に入れたセルドは寝取った兄の元婚約者を使い、両親を、兄を家から追い出した。
念願の当主となったセルドはその後も、気に入った女や権力のある女、能力の高い女たちを襲い、犯し、虜にしていった。
兄の元婚約者やメイドなどの、飽きた女はひそかに経営している風俗店で娼婦として働かせた。
面倒ごとは全て女に任せ自分は彼女たちが集めた金や名声を手に入れる。全てが順調だった。
******
(……ここは、どこだ?)
セルドは真っ暗な空間の中目を覚ました。ぼんやりとする意識の中、自分がさっきまで死にかけていたことを思い出す。
そう、悪魔の魔石で悪魔を呼び出し、憑依させてその力で追いかけてくるソフィアたちを迎え撃とうとしたのだが身体を悪魔に乗っ取られ、魂を精液に移され、排出されたのだ。
外に出されたセルドの魂はそのまま消滅するはずだったのに…
(ここはどこなんだ。私は死んだのか?)
目の前は真っ暗だ。自分が今どうなっているのか把握できない。身動きすらもとれない状況にセルドが困惑していると、突然目の前が真っ白になった。
(な、なんだ?)
「すごいな、こうなっても生きてるのか」
「そうみたいです。さすがは悪魔の精液ですね。微弱な魔力でもこうして生きてるんですから」
「えぇ、生きてる状態で保存できるなんてすごく貴重ですよ」
(こいつは……!)
セルドを見ているのはグランデール家の次期当主であるエリオと、魔法研究家の人間達だった。屋敷を襲撃したエリオの姿を見つめ、声をかけようとするが声が出ない。
ゴボゴボとしか音が立たない…セルドからは分からないが、彼は今精液のみの状態でガラスケースに保管されていた。
泡立つ音に気が付いたエリオがケースの方を向き、声をかける。
「その状態で意識があるかどうか知らないし聞こえてるかどうか分からないが、特性ケースの居心地はどうだ?」
(貴様!こんなことしてどうするつもりだ!)
セルドはそう声を出そうとするがそれがエリオに届くことなく、また泡音を立てるだけで終わった。セルドの言ってることなど知るはずもないエリオは続ける。
「悪魔の魔石を失ったお前の状態から、お前の魂は消滅したとばかり思っていたのだが…追いかける道中に散らばっていた液体が気になって回収しといてよかった。まさか精液にお前の魂が移されていたなんてな。
今お前の状態はわずかな魔力をエネルギーに生存している状態だ。体に戻そうにもお前の身体はすでに処分され、もう存在しない」
(なんだと!?)
「だが体を得られる方法がないわけではない。今のお前は精液だからな、卵子細胞に入り込めば、うまくいけば新しい体を得られるかもしれない」
その言葉にセルドは希望を見出す。つまり自分を女性の身体に入れることが出来れば生まれ変われるかもしれない。
「だがそんなことはさせない」
そう考えているセルドにエリオは冷たい視線を向ける。
「お前はこれから研究サンプルとしてこの研究施設で使われることとなる。悪魔の体液は貴重だからな。当然研究員にもそうしないよう釘は刺してある。
セルド・ゴルドニアは世間的に処刑されて死んだことになっている。ゴルドニア領はすでに我がグランデールのものとなった。お前に残されたものは何一つない」
(ふざけるな!そんな横暴が許されてなるものか!)
自分がやったことを棚に上げ、セルドは自分が築き上げてきた地位を、領土を、全てを奪われたことに憤慨する。
それは何となく伝わったのか、エリオは鼻で笑った。
「お前の虜になっていた女性たちはほとんどが廃人になったらしいから助けも期待できない。無事に立ち直った者はどこかに行ってしまったしな。お前はここで、研究材料として余生を過ごすしかないんだよ」
(ふざけるなふざけるな!そんなことが!そんなことが!)
「この体液が使い切られたらようやく死ねるかもな…最も、悪魔に身を捧げたお前が神に受け入れられるとは思えないけどな」
(ああああああああ!)
「それじゃあもう会うことはないが…精々実験材料として世の中の役に立ってくれ」
(待てぇええええええ!ワシを、ワシをここから出せぇええええええ!)
言いたいこと言い尽くしたエリオは後の事を研究者たちに任せ、自分を呼び止める声に気づくことなくその場を後にした。
こうして、悪魔の精液となったセルドは、魔法の研究材料としてその身を捧げ、使い潰されることとなった。
これが他者の大切なものを奪い続け、嘲り捨ててきた男の末路だった。
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