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第七章
第250話
しおりを挟む「聖魔師様、この度は大変ご迷惑をお掛けしまして申し訳ございません」
見たことのない女性が近付いてきて、自己紹介もなく頭を下げた。……私の右隣に座るダイバに。
「エミリアちゃん、ミスリアさんのお母さんよ」
「ダレ?」という私の表情を読み取ったのだろう。左隣に座るミリィさんが小声で教えてくれた。それと同時に「お母さん、失礼よ!」と言いながらミスリアが慌てて近寄ってきた。
「ここはコルスターナじゃないのよ。誰もお母さんのこと知らないんだから!」
ミスリアの言葉を聞いて不思議そうな表情をしているミスリアの母親。
「ねえ、ダイバ。いつから聖魔師に転職したの?」
「……転職したつもりも、する予定もないな」
「だって、あの人ってダイバに『聖魔師様』っていってたよ」
私たちの会話で、自分が間違えていると気付いて「え? じゃあ……」と、今度はシーズルに目を向けた。
「俺も聖魔師じゃないぞ」
シーズルが先に関わるのを拒否した。それに困惑したようで、キョロキョロと周りをみているが、このテーブルに残っている男性はルーバーだけだ。そして、私たち女性陣は彼女の目には写っていないのか。完全に『聖魔師は男』だと思っているようだ。
《 エミリアー。空魚が遊びにきたよー 》
《 一緒に遊ぼ~ 》
「エミリアちゃん、ここはいいからいっておいで」
「いいの?」
「ああ。何か聞くことがあったら、あとでまとめて聞く」
「じゃあ……いってきま~す」
ミリィさんとルーバーがコソッと離れていいといってきた。ダイバも「ほどほどで帰ってこいよ」といっている。このあと、私を巻き込んで聖魔師は男じゃないのかとか始まるのだろう。この母親、「娘が聖魔師に好かれて嫁になれば……」という魂胆のようだ。このあとには「貴族に戻れる」とか「いい暮らしができる」とか続くようだ。
『飛翔』で空へ飛んでいくと、あちこちでつまみ食いをしていた妖精たちが気付いて寄ってきた。
《 なになにー? 》
《 何か面白いことー? 》
その数……百を超えてるんじゃないの? お祭り騒ぎが好きだから、周辺に棲んでいるみんな集まってきたみたいだ。
「ルティーヤが遊びにきたんだって」
《 みんなでお空の散歩をしよう! 》
《 しよう、しよう! 》
《 ジズたちも呼ぼう 》
《 ベヒモスは飛べないから、ルティーヤの背中に乗せてもらえばいいよね 》
そう話が決まると、妖精たちが岩山に飛んでいく。すぐにジズが飛びついてきて、続けてレヴィアタンが変わらず水の上をスイス~イと泳いで寄ってきた。やはり水は身体の下にあるだけ。
『なんでもあり』の水のようだ。
「キマイラとベヒモスは?」
《 今くるよー 》
「じゃあ先にルティーヤのところへいこうか」
私がそういうと、一部の妖精たちの身体が光った。風の妖精たちが妖力を使ったのだ。同時に私たちの周りに光の粒子が集まると、ルティーヤのところへ運んでくれた。
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