私は聖女ではないですか。じゃあ勝手にするので放っといてください。

アーエル

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第九章

第436話

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私たちから聞いた話をミリィさんたちは話し合っている。わからないことだらけで、話が進まない。それは仕方がないだろう。もう何百年も昔の話で、詳しい話を知る人は誰もいない。

「火龍や騰蛇も知らないんだ。管轄が違うから」
「ああ、それは確かにそうなるな」

火龍に会ったときに旧シメオン国の話を聞いてみたが、やはり大陸が違うため詳しくは知らなかった。神獣たちはな関係だと思っていたが、ちゃんと縄張りテリトリーがあり、互いに干渉しないルールになっている。

「火龍の話だと、流民るみんは国の移動などは可能だけど、町や村に入れない。入れないからギルドに入れない」
「じゃあ、なぜこの都市まちに入れたんだ?」
「それは奴隷になったから」
「ああ、……身分の剥奪、か」

そう、奴隷になればステータスが封じられる。それは個人の経歴も封じられてしまう。
それがアウミに有利に働いた。

「奴隷になったことで都市ここに入れた。つまりダンジョン都市シティが出身になったということか」
「そう。私が知ったのは『アウミが持っていた人形』から所有者情報を得たから。それのスクショは撮っていたからね。それとアウミが豪商と正式な奴隷契約前だったため、ステータスの一部が見えた。でも奴隷商の権限が残っていたからほとんど見られない。みえたのは、アウミの名前と年齢。出身国が空白で、経歴に両親が冒険者で亡くなったことと『ムルコルスタ大陸旧シメオン国国民の末裔』とあっただけ」
「しかし、旧シメオン国は『失われた女神信仰国』って……。それは魅了の女神のことか?」
「それは……違うと思う」

コルデさんの言葉を否定した私にみんなの視線が集中する。しかし、すぐにダイバが「ああ、そうだな」と同意した。簡単な理由だ、シルキーたちが信仰していた『魅了の女神信仰』があるのだ。

「『魅了の女神信仰』がある以上、魅了の女神は『失われた女神』ではない。そうなると、アウミの先祖が信仰していたのは……棄教を余儀なくされた神の中にいる」
「でも、国家をあげて信仰してたんでしょう?」
「エミリアちゃん。たしか旧国は信仰国だったはずよ」
「それでも、神が破棄されて信仰を捨てたなら……国が滅んでも国民は残るよね」
「そうなると、国が神と共に罪を犯していたことになる。そんな大罪、記録に残っていないというのか?」

ダイバの言葉にみんなは過去の大きな騒動をあげていく。しかし、それらには神の影が見られない。それよりも、旧シメオン国の流民るみんが関わっているようだ。
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