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駆け出し転生者ウタ
マルティネス
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しばらく森の中を歩くと、街の入り口が見えてきた。途中、魔物とか何度か襲われたが、全部アリアさんが倒してくれました……。
「や、やっと街なんですね……」
「そうだな。というか、お前も少しは頑張れ。この世界では、自分の身は自分で守らないと」
「そうですよねぇ……はぁ」
「ため息つく暇があれば、下じゃなくて前を見て歩け。余所見は危険のもとになる」
「それ、現代の若者に聞かせたい言葉ですよ……」
街の入り口には検問があり、身分証明書の提示を求められたが、アリアさんがどうにかしてくれた(ちなみに彼女はなぜか顔パスである)
訳の分からないまま異世界に来て、そこで親切にしてくれる人に会えて本当によかった。というか、アリアさんがいなければ、僕はとっくに死んでいる。
この街の中は結界が張られていて、基本的には安心らしい。基本的には、というのは、低級の魔物は入ってこないが、それ以外のなにかは入ってくるからだそうだ。
具体的にどういうことかというと、この街において一番の危険は『人』である、ということだ。
ここはこの辺りを治めている国の王都らしく、他国から攻められることも十分にあり得る。日本と違って安全は確保されてないから人々が警戒するのも無理はない。
……って、話をしながら街の中を歩んでいく。いつの間にかアリアさんは黒いベレー帽のようなものをかぶり、少し周りを気にしながら歩いていた。
「……アリアさん? どうかしましたか?」
「ばかっ、名前を呼ぶな!」
「ご、ごめんなさいっ!」
必死にペコペコする僕を理不尽にでも思ったのか、アリアさんは気まずそうな顔をで頬をかいた。
「あー……いや、大丈夫だ。悪かったな。ほら、そこを曲がったところが私の家だ」
そう言われて、角を曲がる。そこには、大きな大きなお屋敷が建っていた。
西洋的な造りのそのお屋敷はアリアさんが言っていた通りかなり大きく、確かに二人で住むには大きすぎるかなーなんて……。
「でかすぎませんかっ!?」
「まぁ……そう、だな」
そうだなで済むレベルじゃないって! でかいって! なにこれ!? 宮殿レベルなんだけど! てかお屋敷って言ったけどさ? これはほぼ城だよね? 城ですか?!
少し僕に気を使っているのか、遠慮がちに門の前へ行くアリアさん。門の横にある四角いパネルのようなものにアリアさんが触れると、そこから白い光が溢れだし、やがて門が開いた。
「……戸惑うだろうが、とりあえず入ってくれ。話しはそれからちゃんとする」
「はぁ……」
それにしても、大きなお屋敷だ。本当にここに二人なのだろうか? これだけのお屋敷なのだから、使用人の一人や二人、いてもおかしくなさそうだが……。
お屋敷の扉は、さっきの門とは違って簡単に開いた。中は広々とした吹き抜けになっており、階段が三つもある。二階にも数えきれないほどのドアがあるのがパッと見で分かった。
「ひ……ひぇぇ……」
「私の部屋は二階だ。上にあがって――」
「アリア。帰ってきたのか」
広い屋敷中に響く、低く重い声。はっとして声のした方を向くと、左側の通路から、威厳のある、アリアさんと同じ髪をした男性が入ってきた。正直、めっちゃ怖いです。心拍数が異常値だしてます。
「……父上」
「父上……?!」
ってことは……この人がアリアさんのお父さん!? な、何て恐ろしい……。
アリアさんのお父さんは僕らにゆっくりと近づき、赤い瞳でこちらを見据えた。
(ひえぇぇぇぇ……)
「君は、何者だ?」
「あああああの、ええええっと……」
ダメだ。まるで言葉が出てこない! 自分のヘタレはいつになっても恨むものだ。
……しかし、今回はさすがにおかしいと、自分でも分かっていた。異常なまでの威圧感……。逃れることの出来ない、恐怖。
「……父上、彼は」
「アリア、お前は黙っていろ。俺はこいつと話がしたいんだ」
むりむりむりむりむりむり!!!
せ、せっかくアリアさんが助け船を出してくれたのに! 乗れなかった! 沈められちゃった!
「しかし」
「いいから黙っていろ。……君は、何者だ?」
「てててっ……てっ……」
「て?」
「てん、てて転生、者…………です」
震えながらそう答える。そう答えた瞬間、今まで感じていた威圧感がすっと軽くなる。
(……え?)
「転生者か……。なるほど。それなら俺の知らない顔でも問題ないわけだ」
「だから私はさっきからそれを伝えようと」
「分かっている。しかしお前はお人好し過ぎる部分もあるからな。自分の目で確かめないと気がすまないんだ」
「え……え?」
突然にしてなくなった威圧。
そしてこの会話。
……え? なに? わけわかんないよ?
「改めて自己紹介しよう。俺はマルティネス・エヴァン。アリアの父で、この国の王でもある」
「あっ……は、はじめましてー。僕は柳原羽汰っていって…………」
……一瞬聞き流してしまったけど、今、なんていった? え? 王? 王って言った? 王って……あの王? 奥羽山脈の間違いとかじゃないよね?
もちろん、そんなわけない。
「えええええええっ!? え? じゃあもしかしてアリアさんって……この国の…………?」
アリアさんは少し苦く笑って言った。
「……ここはマルティネス帝国。私、マルティネス・アリアは、この国の次期女王だ」
「うぇぇぇぇぇぇぇ!!!???」
……こっちの世界に来てから、叫びすぎな気がする。
「や、やっと街なんですね……」
「そうだな。というか、お前も少しは頑張れ。この世界では、自分の身は自分で守らないと」
「そうですよねぇ……はぁ」
「ため息つく暇があれば、下じゃなくて前を見て歩け。余所見は危険のもとになる」
「それ、現代の若者に聞かせたい言葉ですよ……」
街の入り口には検問があり、身分証明書の提示を求められたが、アリアさんがどうにかしてくれた(ちなみに彼女はなぜか顔パスである)
訳の分からないまま異世界に来て、そこで親切にしてくれる人に会えて本当によかった。というか、アリアさんがいなければ、僕はとっくに死んでいる。
この街の中は結界が張られていて、基本的には安心らしい。基本的には、というのは、低級の魔物は入ってこないが、それ以外のなにかは入ってくるからだそうだ。
具体的にどういうことかというと、この街において一番の危険は『人』である、ということだ。
ここはこの辺りを治めている国の王都らしく、他国から攻められることも十分にあり得る。日本と違って安全は確保されてないから人々が警戒するのも無理はない。
……って、話をしながら街の中を歩んでいく。いつの間にかアリアさんは黒いベレー帽のようなものをかぶり、少し周りを気にしながら歩いていた。
「……アリアさん? どうかしましたか?」
「ばかっ、名前を呼ぶな!」
「ご、ごめんなさいっ!」
必死にペコペコする僕を理不尽にでも思ったのか、アリアさんは気まずそうな顔をで頬をかいた。
「あー……いや、大丈夫だ。悪かったな。ほら、そこを曲がったところが私の家だ」
そう言われて、角を曲がる。そこには、大きな大きなお屋敷が建っていた。
西洋的な造りのそのお屋敷はアリアさんが言っていた通りかなり大きく、確かに二人で住むには大きすぎるかなーなんて……。
「でかすぎませんかっ!?」
「まぁ……そう、だな」
そうだなで済むレベルじゃないって! でかいって! なにこれ!? 宮殿レベルなんだけど! てかお屋敷って言ったけどさ? これはほぼ城だよね? 城ですか?!
少し僕に気を使っているのか、遠慮がちに門の前へ行くアリアさん。門の横にある四角いパネルのようなものにアリアさんが触れると、そこから白い光が溢れだし、やがて門が開いた。
「……戸惑うだろうが、とりあえず入ってくれ。話しはそれからちゃんとする」
「はぁ……」
それにしても、大きなお屋敷だ。本当にここに二人なのだろうか? これだけのお屋敷なのだから、使用人の一人や二人、いてもおかしくなさそうだが……。
お屋敷の扉は、さっきの門とは違って簡単に開いた。中は広々とした吹き抜けになっており、階段が三つもある。二階にも数えきれないほどのドアがあるのがパッと見で分かった。
「ひ……ひぇぇ……」
「私の部屋は二階だ。上にあがって――」
「アリア。帰ってきたのか」
広い屋敷中に響く、低く重い声。はっとして声のした方を向くと、左側の通路から、威厳のある、アリアさんと同じ髪をした男性が入ってきた。正直、めっちゃ怖いです。心拍数が異常値だしてます。
「……父上」
「父上……?!」
ってことは……この人がアリアさんのお父さん!? な、何て恐ろしい……。
アリアさんのお父さんは僕らにゆっくりと近づき、赤い瞳でこちらを見据えた。
(ひえぇぇぇぇ……)
「君は、何者だ?」
「あああああの、ええええっと……」
ダメだ。まるで言葉が出てこない! 自分のヘタレはいつになっても恨むものだ。
……しかし、今回はさすがにおかしいと、自分でも分かっていた。異常なまでの威圧感……。逃れることの出来ない、恐怖。
「……父上、彼は」
「アリア、お前は黙っていろ。俺はこいつと話がしたいんだ」
むりむりむりむりむりむり!!!
せ、せっかくアリアさんが助け船を出してくれたのに! 乗れなかった! 沈められちゃった!
「しかし」
「いいから黙っていろ。……君は、何者だ?」
「てててっ……てっ……」
「て?」
「てん、てて転生、者…………です」
震えながらそう答える。そう答えた瞬間、今まで感じていた威圧感がすっと軽くなる。
(……え?)
「転生者か……。なるほど。それなら俺の知らない顔でも問題ないわけだ」
「だから私はさっきからそれを伝えようと」
「分かっている。しかしお前はお人好し過ぎる部分もあるからな。自分の目で確かめないと気がすまないんだ」
「え……え?」
突然にしてなくなった威圧。
そしてこの会話。
……え? なに? わけわかんないよ?
「改めて自己紹介しよう。俺はマルティネス・エヴァン。アリアの父で、この国の王でもある」
「あっ……は、はじめましてー。僕は柳原羽汰っていって…………」
……一瞬聞き流してしまったけど、今、なんていった? え? 王? 王って言った? 王って……あの王? 奥羽山脈の間違いとかじゃないよね?
もちろん、そんなわけない。
「えええええええっ!? え? じゃあもしかしてアリアさんって……この国の…………?」
アリアさんは少し苦く笑って言った。
「……ここはマルティネス帝国。私、マルティネス・アリアは、この国の次期女王だ」
「うぇぇぇぇぇぇぇ!!!???」
……こっちの世界に来てから、叫びすぎな気がする。
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